経済学で考察 女性も「○○がある」ほど浮気しがち

2016/8/15
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日経ウーマンオンライン

今年に入って、著名人の「浮気」「不倫」といった言葉が巷で話題になっています。報道を見ながら、「自分のパートナーは大丈夫かしら」と不安に感じた経験がある人も少なくないかもしれませんね。また、思いを寄せている人がいて、「この人、女性のことが大好きなのかもしれない……」なんて勘繰った経験があるという人もいるのではないでしょうか。今回は、働き女子のみなさまにとってすてきなパートナーを探すためのヒントを経済学の視点で探っていきます。

『セックスと恋愛の経済学』に学ぶ、パートナー選び

みなさんにとって理想のパートナーとはどんな人でしょうか? 優しい人、愚痴を聞いてくれる人、稼ぎのある人、背の高い人……? それぞれ、いろんな理想があると思います。

ちなみに私は、「愛情の反対は無関心」なんて言葉もあるぐらいなので、理想のパートナーは、「お互いに関心を持ち続けられる関係を構築するために努力し合える人」と思っています。となると、「とにかく趣味が浮気!」というような人は、お互いに努力しようとしても取りつく島もないわけです。

では、「浮気しがちな人」というのはどんな人なのでしょうか?

「本能的に浮気が大好き」「女性が大好きで仕方がない」という男性もいるでしょう。一方で、人生を歩んでいくうえで後天的に浮気常習犯になっていく人がいるのも事実。ここでは、後者について考えていきます。

ヒントを与えてくれるのは、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で経済学を教えるマリナ・アドシェイド先生の授業です。彼女は、学生に経済学に関心を持ってもらうために、「恋愛と経済学」を織り交ぜた授業を行ったのです。それをまとめたのが、『セックスと恋愛の経済学』(原著『Dollars & Sex』)という本。非常に話題になりました。

人はどんなときに浮気をするのか

そもそも、浮気というのは非常にリスキーな行為です。

場合によっては、相手を泣かせるだけでは済まないかもしれない。既婚者が浮気をすれば不倫となり、結婚相手に訴えられ、金銭的リスクを背負う可能性もあります。つまり、そんなリスクを超えるほどのメリットがないと、浮気はできないというわけです。そこで彼女は、以下のような場合に浮気をすると定義しました。

浮気という裏切りから得られるメリット > 浮気がばれる確率 × 浮気がばれたときのコスト

マリナ・アドシェイド先生の定義に基づき、仮に浮気によって得られる刺激の金銭的価値を100万円とします。そして浮気がばれる確率を、例えば3回に1回、つまり3分の1にします。さらに、浮気がばれてその度に妻に請求される金額を100万円としましょう。すると、100万円 > 3分の1×100万円 となります。この場合は、浮気をすることのメリットが大きくなり、浮気に走りやすいと定義しているのです。

一方、浮気がばれる確率とばれたときのコストが同額で、浮気によって得られる刺激の金銭的価値が5万円だった場合は、コストのほうが高くなってしまいます。「浮気をしたらこんなに怖いことが待ってるよ~」とプレッシャーを与えるために、このようなコストを常に意識させておくことは有効なのかもしれません。

浮気をしがちなのは「〇〇がある人」、女性も同じ

そして、マリナ・アドシェイド先生は浮気しがちな人の研究結果も紹介しています。

オランダの研究グループが、管理職や経営者を対象に、浮気経験、浮気の意思、浮気相手を得られる自信などを調査しました。

なんと、回答者の26%は少なくとも1度の浮気経験があったのです。そして、「権力」がある人ほど、浮気をする傾向が見られました。大きな権力を持つ人ほど不倫率が高く、出世すればするほど、「いずれまた浮気をする」と回答する率も高かったのです。

もう一つ驚きなのは、これは男性だけなく女性にも見られた傾向だったこと。地位が高い人ほど浮気しやすく、相手を見つける自信もあるという傾向が見られました。

女性経営者や管理職が増えつつある世の中なだけに、ちょっと考えさせられる傾向ですよね。浮気をしないような理想のパートナーを見つけるためには、ひとまず、権力志向の男性や威圧的な人は避けたほうが無難です。

崔真淑(さい・ますみ)
 マクロエコノミスト。Good News and Companies代表。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。化粧品会社エイボン・プロダクツ社外取締役。1983年生まれ。神戸大学経済学部、一橋大学大学院(ICS)卒業。大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)では株式アナリストとして活動し、最年少女性アナリストとして株式解説者に抜てきされる。2012年に独立。経済学を軸にニュース・資本市場解説をメディアや大学等で行う。若年層の経済・金融リテラシー向上をミッションに掲げる。

[nikkei WOMAN Online 2016年7月20日付記事を再構成]