祝30周年 ドラクエミュージアム、渋谷で9月まで
ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの30周年を記念し、2016年7月24日~9月11日まで東京・渋谷ヒカリエでは体感型展示イベント「ドラゴンクエストミュージアム」が開催される。シリーズIからXまでの世界を、大判の絵画やジオラマなどの立体展示、体感型ゲームなどで味わえる。
オープンに向け、7月21日にドラクエのゲームデザイナーである堀井雄二さんらによるテープカットとメディア向けの内覧会が行われた。
「勇者だったときのことを思い出してほしい」
ドラクエミュージアムの感想を聞かれた堀井さんは、「当時シンプルなファミコンで作った世界がこうして体験できるようになった。来場する人たちには、自分が勇者だったときのことを思い出してほしい」と語った。特に感心したのはゲーム内の名シーンを再現したジオラマだといい、「立体物なので、ゲームとは違う楽しみ方がある」という。
テープカットには、テレビ番組の取材でドラクエミュージアムを見終えたばかりのTKO、狩野英孝さん、でんぱ組.incの夢眠ねむさん、宮澤エマさんも参加した。TKOの木下隆行さんは「30年前、14歳で(ドラクエの)最初の冒険に出たときを思い出した」と感慨深げ。TKOの木本武宏さんが「予想以上に盛りだくさん。特にジオラマはもっとゆっくり見たかった」と話すと、狩野さんが「あの名シーンがリアルに見られる。入り口にあるロトの鎧から目を奪われる」と興奮気味に答え、「(狩野さんが)細かい話まで説明してくれるのだが、いつもより流ちょう。全然かまないんです」と木本さんが苦笑する場面もあった。
ただ1人、「ドラクエをやったことがない」という宮澤さんは、「(ドラクエミュージアムで)世界観を見て惹かれた。これから1つずつやっていけると思うとうれしい」と話し、夢眠さんに「うらやましい!」「帰りにソフトを買ってあげたい!」と言われていた。
このほか、ドラクエ30周年を記念して行われたファンアートコンテストでグランプリを受賞したジジさん、ドラクエIVに登場するマーニャの踊りを再現した「モンバーバラの踊り子コンテスト」でグランプリを受賞したまっしろさんの表彰も行われた。
ジオラマが確かにすごい!
ここからは、内覧会の様子を紹介する。壁にシリーズ歴代のパッケージが並ぶ「冒険の回廊」を抜けると、視界がパッと開け、「ロト装備」が現れる。
ロト装備の横をすり抜けて進んだ「ロト伝説の画廊」では、シリーズのストーリーを絵画と添えられた文章で追える。そのシーンのゲーム画面が。細部まで書き込まれた絵とシンプルなファミコンの画面の対比が面白い。
「天空城」の前を通り過ぎると、堀井雄二さんやTKOの木本武宏さん、狩野英孝さんらが話をしていた「天空のジオラマ・ギャラリー」に到着。ここでは各シリーズの名シーンが立体物で表現されている。ドラクエファンならば「ああ! あのシーン!」とすぐ分かるものばかりだ。フィギュアで知られる海洋堂の協力を得ていることもあり、いずれも精巧な作り。全体を見て、細部を見て、再び全体をというように、時間をかけてじっくりと見てしまう。
スーパーハイテンションでギガスラッシュを放て!
絵画やジオラマなど鑑賞中心のエリアを抜けると、その先にあるのは体感エリアだ。スクワットでゲージを満タンにし、力をため込んだ「スーパーハイテンション」状態になってから「ギガスラッシュ」を放つ「スーパーハイテンション体験」や、ドラクエVIIに登場した石版を実際に解いてみる「石版パズル」、「せかいじゅのは」の裏に願いを書いて世界樹に祈りを捧げる「お祈り世界樹」などが並ぶ。
スーパーハイテンションや祈りの世界樹は、スクリーンの下に埋め込まれたカメラで来場者の姿や動きを認識し、イベントが起こる仕組みになっているそうだ。ゲームの世界に自分が入り込む感覚を楽しめる。
鳥山明さんの原画やテーマ曲の楽譜に興奮!
「伝説の始まり」というエリアでは、鳥山明さんによるパッケージやモンスターの原画、すぎやまこういちさん直筆の楽譜、ゲーム内の城や街のマップのラフなど、貴重な資料が展示されている。パッケージ原画が細密なイラストなのに対して、モンスターは非常にシンプルなラインにビビットなカラーリングが印象的。ゲーム内での再現性を考慮してのことなのだろう、などと考えてみられるのも原画ならではの楽しみだ。
様々な展示でドラクエの冒険を追体験し、お腹が空いたら、最後にはフードコートが用意されている。メニューは「スライムの五目チャーハン」や「ばくだんいわの肉巻きおにぎり」「スライムのプチカレー」「ミミックのスペシャルボックスセット」など、モンスターにちなんだもの。アレルギー表示もされているので、子ども連れでも安心だ。また、ドリンクにはすべて、オリジナルのコースターが付く。
2000円以上購入した人は抽選で「マネマネモンスター牧場」というゲームに挑戦できる。画面上に現れたモンスターのポーズをまねするとポイントが得られるというもの。食事をした後の腹ごなしに挑戦するのも楽しそうだ。
ドラクエミュージアムのチケットは、一般・学生が当日2800円(前売り2500円)、中学・高校生が当日2200円(前売り1900円)、4歳~小学生が当日1500円(前売り1200円)。各日10~11時の完全予約制優先入場チケット「朝チケット」もある。
(日経トレンディネット 平野亜矢)
[日経トレンディネット 2016年8月13日付の記事を再構成]
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