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転職して初めて気づく「大企業病」5つの症状 ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

2016/8/12

「入社前には、自分の経験してきた経営企画の経験やスキルが少しでも生かせるなら、営業など得意ではない業務よりは貢献できる。規模が小さな会社なので細かい仕事も自分でやるものだ、と覚悟を決めていましたが、いざ現場に入ると想像以上にギャップがありました。頭で考えてわかったつもりになっているのと、現実はやっぱり違いますね。ぜいたくかもしれませんが、もう一度、転職活動をゼロから始めます」

Aさんの言葉には、貢献できなかったふがいなさとショックの大きさがにじんでいました。Aさんの例に限らず、これに似たケースは実際にたくさん生まれています。転職活動が長引くと焦りが出てくる場合もありますが、こういう不幸を事前に抑止するためにも、入社意思を決める前に、職場のコンディションの差異や要員数、ざっくりしたミッションではなく、たとえば朝出社してから帰宅するまでのタイムスケジュールのイメージなど、日々の業務の確認などもていねいにしておくべきかもしれません。

2.「同質性」の罠(わな)

2点目は、風土、カルチャー、コミュニケーションに関するギャップです。

大企業の場合、人事採用部門の標準化が進んでいるため、新卒採用の段階である程度、人材要件や志向タイプ、言語能力レベルなどの基準がそろっています。教育環境や学習してきたこと、あるいは成長意欲を含めて、その会社の大切にしている価値観を反映した一定のゾーンの範囲に収まる人材が集まる傾向にあります。

そんな集団が、同じ事業部などで切磋琢磨(せっさたくま)し、苦労や成功体験を分かち合い、ノウハウを共有しながら長い時間一緒に過ごしていくと、当然のように価値観や能力の同質化が進みます。その結果、カルチャー・価値観やコミュニケーションの作法も一定の幅で収まり、その組織の中においては非常に効率的で、かつ結束力にもつながるというプラス作用を生み出しています。

一方で、友人・知人・取引先など複数の経路から社長が必死で口説いて回り、異業種・異職種の人材を中途採用でかき集めてきたような中小企業の場合、そもそも最初から同質化が存在しない異質異能の集団か、逆に経営者の強烈なキャラクターが突出したトップダウン型か、という傾向が多いようです。

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