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ことばドリル

本当? メロンの名前の意外な由来 チャレンジことばのドリル第28回

2016/8/10

夏の味覚を代表する甘くてジューシーなメロン
 アンデス、クインシー、アムス、マスク……。いろいろな名前のメロンが出回っていますが、その由来を知っていますか。このほか、お盆や野球用語に関する問題、ニュースに出てくる間違えやすい言葉などを取り上げました。ちょっとした話のタネに、ぜひチャレンジしてください。

【問1】読み方が正しいものはどれですか。

1)必定(ひってい) 2)緑青(りょくせい) 3)曖昧(あいみ) 4)碩学(せきがく)

【問2】誤字がなく正しいものはどれですか。

1)保護監察 2)仮説住宅 3)生真面目 4)文明開花

【問3】「玉を転がす」の用例として、最も適切なものはどれですか。

1)この温泉は玉を転がすような滑らかな肌触りだ。

2)裏山から玉を転がすような鳥の鳴き声が聞こえる。

3)お化け屋敷から玉を転がすような悲鳴が聞こえた。

4)彼女は玉を転がすような美貌の持ち主だ。

【問4】高校野球たけなわ。そこで野球用語に関する問題です。次のうち和製英語ではなく、正しい英語として使われているものはどれですか。

1)クリーンアップヒッター 2)フォアボール 3)ランニングホームラン 4)バックネット

【問5】「お盆」に関する説明のうち、誤っているものはどれですか。

1)旧盆(きゅうぼん)=旧暦で行われるお盆

2)新盆(にいぼん、あらぼん、しんぼん)=新暦で行われるお盆

3)初盆(はつぼん、ういぼん)=その人が死んで初めてのお盆

4)月遅れ盆(つきおくれぼん)=旧暦で該当する日付から、新暦で1カ月遅らせて行うお盆

【問6】次に挙げたメロンの名前の由来に関する記述のうち、誤っているものはどれですか。

1)「アンデスメロン」の「アンデス」は「安心です」を略したものである。

2)「クインシーメロン」の「クインシー」は「クイーン」と「ヘルシー」をあわせた造語である。

3)「アムスメロン」の「アムス」はオランダの首都アムステルダムに由来する。

4)「マスクメロン」は栽培時にマスクをする(紙袋で覆う)ことからこの名前がついた。

【問7】ニュースによく出てくる間違えやすい2つの言葉を取り上げ、簡単な説明をつけました。このうち、説明が逆になっているものはどれですか。

1)基準地価=国土交通省が毎年3月に公表する同年1月1日時点の全国の土地価格/公示地価=都道府県の調査で国土交通省が毎年9月に公表する同年7月1日時点の全国の土地価格

2)施政方針演説=毎年1月に召集される通常国会の冒頭で首相が行う演説/所信表明演説=臨時国会や新首相を指名する特別国会の冒頭で首相が行う演説

3)保険料=契約者が保険会社に支払う金(掛け金)/保険金=被保険者の死亡、高度障害、満期などの際に保険会社から保険金受取人に支払われる金

4)キロワット=設備の発電能力、出力/キロワット時=実際に発電した電力量(出力×時間)

【問8】大事な取引先であるA社の取締役から「当社のBはうかがっているでしょうか」と電話がありました。このときの返事として不適切な表現はどれですか。

1)Bさんはいらっしゃっています

2)Bさんはお見えになっています

3)Bさんはおいでになっています

4)Bさんはお越しになっております

【問9】「すっ」のつく次の語のうち、文法的にみて仲間外れはどれですか。

1)すっとぼける 2)すっ飛ぶ 3)すっぱ抜く 4)すっぽかす 

【問10】次の文章には間違いが3カ所あります。どこが間違っているか答えてください。(出題用に創作した文章です)

 8月も下旬に入ったというのに、今日はこの夏一番の暑さになった。社会人になって3回目の夏。今日は久々に予定のない休日だ。大学生はまだまだ夏休みが続くのかと思うとうらやましい。

 そんなことを考えていたら学生時代の恩師に手紙を書きたいと思い立った。少し遅いかなと思いながらも「残暑お伺い申し上げます」と筆をとった。当時は毎週のように話す機会があったのに、今では年賀状のやり取りしかしていない。メールアドレスは知っているけれど、これといって用件もないのにメールを送るのはなんだか恥ずかしい。手書きのほうが心がこもっていて、先生もきっと喜ぶに違いない。時候の挨拶はどうしようかと考えていただけで、10分ぐらい時間が過ぎてしまった。秋を意識したものがいいなあと思ったがなかなか思い浮かばない。結局、「暑い日が続きますが、お元気ですか」と何とも簡単なものにしてしまった。

 文学部の学生だった私は、先生が指導する文芸批評のゼミで学んでいた。当時薦めてもらった長編の恋愛小説は、すぐに読み始めたのにようやく先月読み終わった。私が手にしている分厚い単行本に比べるとだいぶ小さくなった文庫本が既に書店に並び、昨年には映画化もされた。無名に近かったが主演に抜てきされた俳優が、若手とは思えない玄人好みの演技で脚光を集めたことも印象深い出来事だった。先生がデビュー当時にこの俳優に注目していたからだ。文学作品だけでなく、映画や演劇にも厳しい視点で接する先生が、小さな劇場の舞台で演じていた彼女を見て絶賛した。先生が目をかけるくらいなのだから、間違いなく異才を放つ大物になると私も信じていた。

 私が先月読み終えたばかりの原作を書いた作家のことも、もちろん先生は好きだった。純文学から青春小説をはじめとしたエンターテインメント性の高い大衆小説まで、ジャンルの壁を越えた数々のベストセラー作品を出している。私と同じ大学、学部の出身でもあり、勝手に親近感を覚えていたが、作品を読んだのはデビュー作の短編小説だけだった。数多い登場人物や、その複雑な関係を覚えるのに四苦八苦し、読破するまでにかなりの時間がかかってしまった。先生には私が読み終えるまで、感想は言わないでほしいとお願いしていたが、そのまま卒業してしまった。今、ようやく聞けるときがきた。

 「先生が私に小説を薦めてくださったことを覚えていますか。ずいぶんと月日がたってしまいましたが、ようやく読み終えました。デビュー作は2人の青年をそれぞれの視点から描いた短編。紹介してくださったのは大人の男女の恋愛模様を大胆に表現したもので、作品内容の違いに驚きました。本当に同じ作家が書いているのかと半信半疑でした。私は主人公と親友が同じ人を好きになったと互いに気付く喫茶店のシーンが印象に残りました。あの店は、大学の近くにあったシフォンケーキがおいしくて有名なカフェがモデルになっているのではと感じました。先生はどの場面がお好きですか」

 小説の話を始めると、便箋が何枚あっても足りないような気がした。投函(とうかん)する前から先生からの返事が待ち遠しい。メールと違って一日や二日では返事がこない。待っている時間の胸が踊るような気持ちを味わえるのが手紙の醍醐味の一つだと私は思う。ようやくポストに入れに出かけたころには日が傾き始めていた。

 家に戻る途中で子どもたちの集団とすれ違った。小学生たちは夏休みの宿題を気にし始めているころだろう。私はずいぶんと長い時間のかかった「読書感想文」を、ようやく提出できた。

(解答と解説)

【問1】4

1)は「ひつじょう」、2)は「ろくしょう」、3)は「あいまい」が正しい。

【問2】3

1)は「保護観察」、2)は「仮設住宅」、4)は「文明開化」が正しい。

【問3】2

「玉を転がす」は高くて美しい、澄んだ音や声の形容について使う。「玉」は丸い宝石や真珠のこと。

【問4】1

正解は1)だが「クリーンアップ」の使い方に注意。日本では「クリーンアップ」といえば「3・4・5番打者」を指すが、英語の「クリーンアップヒッター(cleanup hitter)」は「4番打者」に対して使う。2)のフォアボールは英語では「ウォーク(walk)」「ベース・オン・ボールズ(base on balls)」、3)のランニングホームランは「インサイド・ザ・パーク・ホームラン(inside-the-park home run)」、4)のバックネットは「バックストップ(backstop)」という。

【問5】2

「新盆」は「その人が死んで初めてのお盆」の意味で、3)の「初盆」と同じ。「にいぼん」と読むことが多いが、地域などによっては「あらぼん」「しんぼん」とも読む。4)の「月遅れ盆」は最も一般的なお盆で、旧暦で7月15日前後に行われていた行事を1カ月遅らせ、新暦の8月15日前後に実施するもの。

【問6】4

「マスクメロン」は麝香(じゃこう)のような強い香りをもつメロンの総称。「マスク」は麝香を表すmusk(ムスク)がなまったもので、仮面を意味するmask(マスク)ではない。1)の「アンデスメロン」はサカタのタネが開発。「安心して栽培でき、安心して食べられる」という意味の「安心ですメロン」を縮めて「アンデスメロン」と名付けた。2)の「クインシー」は赤肉でメロンの女王を意味する「クイーン」と、カロテンたっぷりで健康に良い「ヘルシー」の2語をあわせたもの。3)の「アムス」は父方の品種「オーゲン」の生まれ故郷オランダの首都、アムステルダムにちなんでつけられた。

【問7】1

公示地価、基準地価のほかに地価の指標となるものに路線価がある。路線価は国税庁が7月に公表する同年1月1日時点の土地価格。

【問8】4

「おる」は「いる」の謙譲語だから、取引先など敬意を示すべき相手に使うのは適切ではない。「Bさんはお越しになっています」とすればよい。

【問9】3

1)の「すっとぼける」、2)の「すっ飛ぶ」、4)の「すっぽかす」の「すっ」は「す」が変化したもので、下にくる言葉の意味や程度を強調する接頭語。「すっぽかす」の「ぽかす」は主に関西で使われる「ほかす」(「捨てる」の意)に由来する。3)の「すっぱ抜く」は「すっぱ」と「抜く」が合わさった言葉。「すっぱ」は漢字では「素っ破」と書き、戦国時代の忍者。「抜く」は「刀を抜く」。忍者は秘密を探り、不意に刀を抜く。そこから、出し抜けに秘密や隠し事を暴くことを「すっぱ抜く」という。

【問10】1)×脚光を集めた→○脚光を浴びた。2)×異才を放つ→○異彩を放つ。3)×胸が踊る→○胸が躍る。

 10問正解は日本語の達人、9問=言葉の上級者、8問=言葉に自信を持ってもいいでしょう、7問=言葉でそんなに恥をかくことはないでしょう、6問=ひょっとしたら時々、恥をかいているかもしれません、5問以下=言葉の勉強をしてみませんか。なお、問10は3カ所すべて正解して1問分の正解とします。

(編集=日本経済新聞社記事審査部)

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