価格に還元できない商品の魅力を伝えるジャパネットたかた前社長 高田明氏(2)

コンビニ商法だから、スーパーや百貨店のような幅広のことはスタッフや体制の面でできません。自分たちの今の体制、陣容の中でどうやろうかと考え続けた結果が今のジャパネットの形です。私は30年間考えながらそれをつくってきました。量や規模ではかなわないから、品質や付加価値の高い商品を厳選して提供するセレクトショップ型の勝負と、言い換えられるかもしれません。

2013年にレイコップ人気に火がついたころ、家電量販店さんにも同じ商品が並びました。私はレイコップの認知度が高まってより市場が活性化し、業界が共存共栄する好機だと前向きにとらえました。市場は自分たちでつくり出していくべきです。エコポイント制度が終了して家電の王様であるテレビがぱったり売れなくなりました。当時、ジャパネットも含め家電関連業界は苦戦を強いられました。そこでどう切り開いていくか。私は今の状況はテレビが単に売れないだけなのだと思いました。

市場を独自の発想を持って自らつくり上げようと努力する先に突破口が開けます。ジャパネットも当時は2年連続の減収になりましたが、多角化など一切考えませんでした。「餅は餅屋」の諺(ことわざ)があるように、原点に立ち返って足元をもう一度見つめなおそうとしたわけです。そしてもともと通販で展開した白物家電に再注目することで、レイコップなどの新しい売れ筋が生まれました。

知られざる価値を掘り起こす

アップルでも新しい世界を他社のまね事ではなく、自分の手で作り出しているじゃないですか。ネットの世界でもフェイスブックが登場し、交流サイト(SNS)という新しいコミュニケーション世界が誕生した。これらの業界では消費者がまだ知らないニーズを顕在化させて自分で市場をつくっています。通販などサービスの世界も同じです。

レイコップも当初は売れませんでした。レイコップは普通に掃除機としても使え、ジャパネットも当初は除菌のできる掃除機として説明していました。それを布団専用と対象を限定して発信した時に、商品の価値がお客さんの頭の中にすっと入っていきました。掃除機の国内市場は1億台以上あります。レイコップはまだ400万台しか売れていない。提案の仕方によってはこれから1000万台、2000万台、3000万台とまだまだ広がる余地があります。その知られざる価値を示すのが売り手の役目であり、そこで「伝える力」が問われてくるのだと思います。

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