10万円以下の3D複合機 印刷もスキャンも立体で
2014年に日本で初めて製品を発売。その後、1年足らずで個人向け3Dプリンター市場の4割超ものシェアを獲得したのが、台湾のXYZプリンティングだ。武器は、何といっても低価格。「それなり」の印刷品質の製品を、他社より3割以上も安い価格帯で販売しており、他社製品の多くが10万円を大きく超えるなかで、現行製品は何と4万円台から買える。
そのXYZプリンティングが新たに投入したのが、「3D複合機」だ。単なる価格競争から脱するべく、同社は現在、3Dプリント機能に加えて3Dスキャン、レーザー刻印の機能まで搭載した3in1マシンに力を入れている。エントリーモデルの位置づけである「ジュニア」シリーズの一機種として発売された「ダヴィンチ ジュニア1.0 3in1」は、実勢価格8万9800円(税込み)と、これも10万円を切る価格だ。
「ダヴィンチ Jr. 1.0 3in1」
●実勢価格:8万9800円(税込み)
●サイズ・重さ:幅420×高さ380×奥行き430mm・15kg
●最大印刷サイズ:幅15×高さ15×奥行き15cm
●積層ピッチ:0.1~0.4mm(標準は0.3mm)
●フィラメント:専用PLA
●最大スキャンサイズ:直径3~12cm、高さ3~12cm
木や革、紙への刻印も可能
スキャン機能は、対象物にレーザー光を照射し、反射した光から表面を読み取る方式。3Dプリント用の印刷台をマシンの奥に押し込み、空いたスペースに付属のスキャン台をセットすれば、3Dスキャナーに早変わりする。読み取りには本体内部のレーザーライトとカメラを使用。パソコンからの操作でスキャン台が自動で回転、立体物を簡単に3Dデータ化できる。
光沢のあるものや金属は、乱反射が多く正確にスキャンができない。丸みを帯びたものはきれいにスキャンできるが、著しい凹凸があるもの直線的な立体物は苦手だ。あくまで簡易的な機能という印象だったが、入門や教育用には使えるだろう。3Dプリント機能も、速度にやや不満はあるが、価格を考えればまずまずの印刷精度といえる。
さらに、3Dプリント用のヘッドをレーザー刻印用のヘッドに付け替えることで、木や革、紙への刻印が可能になる。レーザー刻印用のヘッドは別売りオプションで、2016年夏以降に発売の予定。実勢価格は税込みで2万円強の見通しだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディネット 2016年7月6日付の記事を再構成]
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