浦井健治、ミュージカル『王家の紋章』で帝劇単独主演
『月刊プリンセス』(秋田書店)で1976年から連載中で、累計発行部数4000万部を誇る少女マンガ『王家の紋章』。古代エジプトにタイムスリップしてしまった少女・キャロルが、若きファラオ・メンフィスと共に困難に立ち向かう壮大な歴史ロマン。これを原作としたミュージカルが、8月5日から帝国劇場で上演される。
主役のメンフィス役には、ミュージカル界の若き演技派・浦井健治を迎え、音楽を『エリザベート』や『モーツァルト!』などの名作ミュージカルを手がけた巨匠シルヴェスター・リーヴァイ、演出は宝塚をはじめ様々な舞台で独特の美しい世界観を構築してきた荻田浩一が務めることでも話題で、原作およびミュージカルファン待望の作品となっている。 帝劇での単独主演は初となる浦井は、「プレッシャーも大きいですが、スタッフ、キャストの熱意に支えられています」と心境を語る。 「メンフィスは元祖オレオレ系ともいえるキャラクター。まっすぐでとても純粋だなと感じます。思い込んだら一直線でエネルギーの塊のような人。男としても魅力的です。そんな彼がキャロルと出会い、恋に落ち、成長していく姿を演じられることはとても楽しみ」
「演出の荻田さんとはミュージカル『アルジャーノンに花束を』(06、14年)など、過去に何度もご一緒させてもらっていて、僕の特徴やクセも熟知してくれているのでとても信頼を寄せていますし、委ねられる。出演者の1人として裏切りたくないという思いを強く持って、役に向かっています。作品へのエネルギーや思いをしっかり作りながら、このカンパニーならではの化学反応を起こしたい。足し算じゃなくかけ算になっていくような…。そんな意気込みを持って挑んでいきたいです」
「ミュージカル『王家の紋章』は、心が突き動かされる、新しい感情を呼び起こしてくれる楽曲が全編にちりばめられています。リーヴァイさんによって紡がれたメロディーは、第1音から物語の世界に誘ってくれる。まるでアトラクションに乗っているかのように、現代と古代エジプトをタイムスリップしてもらえるような素晴らしい楽曲ばかり。イムホテップ役の山口祐一郎さんをはじめ、出演陣も本当に豪華です」
俳優デビューから15年。これまではミュージカルからストレートプレイまで、舞台を中心に活動を続けてきた浦井だが、圧倒的な演技力と爽やかなルックスにテレビ界も注目。日テレ系で放送された『ニーチェ先生』や、フジテレビの月9など、昨年末からテレビドラマに立て続けに出演。8月3日には初のソロアルバム『Wonderland』を発売し、9月29日には東京国際フォーラムで単独コンサートも行われる。
「様々なことをやらせていただくことになり、全ての人に感謝しかありません。今年でデビュー15周年。これからもいろいろなことにトライを続けていくべきだなと感じています。バラエティで求められるスピーディーな対応や瞬発力は勉強になったし、ドラマでは演じた後は監督に委ねる経験もとても刺激になりました。出会った方全てが宝物ですし、全ての経験が財産だなと。その経験によってまた舞台で違うものも見えてくるような気がしています」
(「日経エンタテインメント!」8月号の記事を再構成。敬称略、文・山内涼子 写真・藤本和史)
[日経MJ2016年7月29日付]
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