運航しているLCCは4社。最大手は日本航空系のジェットスター・ジャパンで、成田空港を拠点に、新千歳、関西、高松、松山、福岡、大分、熊本、鹿児島、那覇の各空港に路線ネットワークを広げている。このほか、中部国際空港と新千歳、福岡、鹿児島、那覇を結ぶ。さらに関西国際空港発着の便も増やしており、新千歳、福岡、那覇とつないでいる。
一方、関西を基盤にするANAホールディングス系のピーチ・アビエーションは、関西―新千歳、仙台、松山、福岡、長崎、宮崎、鹿児島、那覇、石垣の便や、成田―新千歳、関西、福岡、那覇の便などを運航している。同じANA系のバニラ・エアは成田―新千歳、那覇、奄美を結ぶ。中国系の春秋航空日本は、成田―広島、成田―佐賀線を運航中だ。
カードで決済、手数料安く
LCCの予約・購入は公式サイトで行うのが一般的になっている。大手航空会社より安めの運賃が魅力だが、手荷物の取り扱いや予約変更、払い戻しなどのルールは大手とかなり異なるので気をつけておきたい。各社に共通するのは、運賃のほかに購入の際、「支払手数料」が必ず加算される点。この手数料は、コンビニで現金払いするよりも、サイト上でクレジットカード決済したほうが割安になることが多い。
LCCで最も注意したいのは、手荷物だ。機内に持ち込める量には制限がある。「最近はカウンターなどでサイズや重さを厳格にチェックされ、その際に確認のシールが貼られたものしか持ち込めないケースが増えている」(LCCの情報サイトを運営する五十嵐貴文氏)という。なかでもジェットスターは重さ7キロまで、春秋航空日本は5キロまでと少ない。
超過した場合は預けるしかないが、基本的に追加料金が必要。しかも、空港で申し込むと少量でも2600~4000円程度かかってしまう。予約時にオプションとして追加しておけば割安なので、不安ならば付けておくといい。急がないものなら、宅配便で送ってしまうのも手だ。
予約取り消し、払い戻し不可
もし、予約していた便に乗れなくなった場合はどうなるか。一般的な運賃の場合、払い戻しはできないが、3000~4000円程度の手数料と運賃の差額を支払えば、便の変更は可能だ。オプションの付いた運賃を選べば、予約変更の手数料が無料になる場合もあるが、そのぶん料金自体も高くなるので、メリットはあまりないだろう。
各社は不定期、または日を決めてネット上でタイムセールをしているので、これを利用すると、運賃はさらに安くなる。ピーチは、関西の航空会社という印象が強いためか、「タイムセールでも成田―新千歳・那覇線は空席を見つけやすい」(五十嵐氏)。こうした穴場を狙うのもお薦めだ。
なお、セール運賃については、ジェットスターとピーチは予約変更が可能。一方、バニラ・エアと春秋航空日本は予約変更が一切できなくなる。
(日経トレンディ8月号の記事を再構成。文・佐藤嘉彦)