訪日客に「Tokyoで暮らす」体験 港区に施設が開設テイクアンドギヴ・ニーズ、工作やワークショップ

青山ブックセンターと組んで開いた図書館では無料で書籍を貸し出す
青山ブックセンターと組んで開いた図書館では無料で書籍を貸し出す

結婚式場運営のテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)は東京・港に商業施設をオープンした。工房や図書館、コーヒースタンドなどを入れ、主に訪日客を対象に「暮らすように過ごす」東京体験を提供する。商業施設のコンセプトを、来年、同社が東京・渋谷に開くホテルに反映する。東京五輪・パラリンピック後の反動減を見込み、宿泊客以外の人もホテル内で楽しめるようにする。

T&Gが開いた商業施設は地下2階建てで、延べ床面積は826平方メートル。バス停のベンチやオフィスのテーブルなど使い古されたものをリメークして空間全体をデザインした。

各種イベントを通じて、宿泊客と周辺に住む人が交流できるホテルとする方針

施設は10のエリアで構成されている。青山ブックセンターを展開するブックオフコーポレーションと組んで開いた図書館では「生きる力を養う」をテーマにセレクトした書籍を無料で貸し出す。

レーザーカッターなど工作機材をそなえた工房では、着なくなった衣類をリサイクルして愛着を感じるアイテムに再生するなど、様々な体験イベントを定期的に開く予定。食について学ぶキッチンスペースもある。

コーヒースタンドでは渋谷区の老舗カフェ「ダブルトールカフェ」のオリジナルコーヒーを1杯100円で提供する。購入金額の一部を区の社会福祉法人に寄付する。

商業施設のコンセプトは、T&Gが来年5月に東京・表参道にオープンする4階建てのホテル「トランク ホテル」に生かす。ホテルの開業に先立ち、商業施設の部分を開くことで、ホテルの特徴をアピールする。

来年開業予定のホテルのイメージを訴える施設を港区に開いた

トランク ホテルでは地元のコーヒーを提供するほか、各種イベントを通じて宿泊客と周辺に住む人たちとが気軽に交流できる開放型のホテルにする方針だ。T&Gによると、欧米ではこうした交流型のホテルの人気が高まっているという。

T&Gは少子化や結婚しても挙式しない「なし婚」層の増加で市場が縮小するなか、東京五輪に向けて訪日客が増えることを見込み、ホテル事業への参入を決めた。2025年までに首都圏を中心にホテルを10カ所まで増やす目標を掲げる。

首都圏では都内を中心にホテルの建設ラッシュが続いているが、東京五輪後には反動減で顧客の奪い合いが予想されている。T&Gはコミュニティー機能を充実させることで他のホテルとの違いを打ち出す。

[日経MJ2016年7月15日付]