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羽田空港のソラドンキ 小ぶりでもドンキらしさ全開

日経トレンディネット

2016/8/7

「ソラドンキ 羽田空港店」(羽田空港国際線ターミナル5階)。営業時間は9~22時。売り場面積は107.2平米(2区画合計)

 ドン・キホーテ(東京都目黒区)は2016年6月24日、グループ初の空港内店舗「ソラドンキ 羽田空港店」をオープンした。場所は羽田空港国際線ターミナル5階「TOKYO POP TOWN」で、通路を挟んで2区画に出店している。面積は107.2平方メートル(2区画合計)と、グループ店舗で最小だ。

 同社は公共施設の小型店フォーマットとして2015年10月30日、グループ初のエキナカ(駅構内)店舗「エキドンキ」(JR大阪駅構内の商業施設「エキマルシェ大阪」)をオープン(関連記事:JR大阪駅の「エキドンキ」は小さくても存在感あり)。売り場面積は約400平米と、オープン当時はドン・キホーテ業態で最小規模だった。

 しかしソラドンキの売り場面積は、さらにその4分の1ほど。ちなみに従来、展開してきた中・大型店は1000~3000平方メートル。商品点数も、通常店が4~6万、これまで最小だったエキドンキは1万5000アイテムなのに対し、ソラドンキは約2000アイテムしかないという。

羽田空港国際線ターミナル5階のエレベーターを出て右側の「TOKYO POP TOWN」入り口に最も近い区画
通路をはさんで2区画あり、左側は食品専門エリア

 それだけ小規模な店舗なら、さぞかし売れ筋の商品をぎゅっと絞り込んだ、中身の濃い商品構成になっているに違いない。あるいは空港内ということで、思い切ってインバウンド客向けに振り切った商品を集めているのだろうか。答えを確かめるべく、足を運んだ。

■「商品を絞りに絞った」というが、なぜアンバランス?

 ソラドンキは通路を挟んで2区画あり、入り口から向かって左側が食品専門エリア。広さはせいぜい、エキナカにある小さめのコンビニくらい。天井が通常のドンキより低く、棚の高さも通常のコンビニ程度なので、みっしり詰まった感じはない。

向かって左側の食品エリア。入り口を入ってすぐは土産品コーナー
奥は「かんつま」(缶詰のつまみ)コーナー。つまみ系缶詰でこれだけ種類を多くそろえている店は大型店にもほとんどないという

 食品エリアの入り口はよくありがちな土産用菓子が並び、空港内のほかのショップとあまり変わりはない。だが驚いたのは、店の突き当たりにあるつまみ系缶詰の種類の多さ。「ドン・キホーテの大型店でもつまみ系の缶詰をこれだけ多種類置いているところはほとんどない」(ドンキホーテホールディングス広報室の阿部眞希子氏)という。

 さらに驚いたのは、中央にある駄菓子コーナーの充実ぶりだ。「“ポケット菓子”と呼ばれる100円前後の駄菓子を多く集めた。空港内の土産は単価が高く、100円以下で買えるものが少ない。バラまき用の土産としてニーズがあると考えた」(阿部氏)。

壁に沿って、珍味、カレー、飴やグミなどの棚。飴とグミの品ぞろえも通常の店にひけをとらない
中央には駄菓子コーナー、ワサビと抹茶の食品を集めたコーナーがある

 中央には駄菓子コーナーと並んで、抹茶とワサビ味の菓子の棚がある。日本の土産として喜ばれそうなので納得だが、納得できないのはその奥にある、梅干し味の菓子の棚だ。「考えに考えて商品を絞り込んだ」(阿部氏)という割には、棚全部がこのお菓子。これを1段程度にすれば、もっといろいろなものが並べられたのでは?という素朴な疑問が沸くが、「このお菓子はドンキの既存店でも非常によく売れている。外国人観光客は日本で人気のあるものを探している」(阿部氏)ために、特に力を入れて陳列しているのだという。そういえば、棚のあちこちに「日本で人気」というPOPがある。

沖縄限定製造の乾燥梅菓子「スッパイマン」は「既存店でも隠れた人気商品」(ドン・キホーテ)とのことで大量に陳列

 右側は食品エリアの約2倍の広さで、食品のほか医薬品、旅行小物、日用品、健康グッズなどが並んでいる。入り口から入って時計回りに店内を一周すると、まず目に入るのが旅行小物やスマホパーツ、ビジネス系の小物。その向かいには、ドンキでおなじみの着ぐるみが並んでいる。相撲取りや忍者、侍など、外国人に受けそうな種類がひと通りそろっている印象。靴下、タイツ、美容グッズ、ベビー用品と続いて、医薬品コーナーになる。

食品・医薬品・雑貨エリアの入り口付近の壁際には海外用変換プラグなどが並ぶ
着ぐるみなどのジョークグッズは和物が多い

 中央には、日常よく使う調味料や瓶詰め、飲料用ボトルなどの家庭雑貨がある。旅先で自炊する旅行客には便利だろうが、よく分からないのがその横にある健康グッズコーナーだ。これから海外に行く日本人旅行客にも、帰国する外国人客にも、あまり必要ないような気がする。

 全体的にはインバウンド(訪日外国人観光客)向けのようでもあるが、それに向かって絞り込んでいるとは思えない棚も多々見受けられる。ドン・キホーテサポート本部 インバウンド戦略室 室長代理の高島健太郎ゼネラル・マネージャーにその理由を聞いた。

東南アジアへの旅行客向けか、虫除けは都心のドンキよりかなり充実した品ぞろえ
暑さ対策グッズも充実

■空港の中でも「さすがドンキ」と言わせたい

 「ターゲットは、日本人旅行客とインバウンドで半々。国内旅行客が旅先で必要になる物もそろえているし、外国人観光客が荷物を預けたあと、気軽に買い物を楽しめるような商品もそろえている」(高島ゼネラルマネージャー)。

 だが、明らかに旅行者向けと思えない商品も多い。「旅行者向けの商品を扱う店は空港内にほかにもあり、絞り込みすぎると単なるコンビニになってしまう。それに日本人は『ドンキに行けば面白いものがある』『何でもそろう』というイメージを持っている。空港の中の小規模店舗だからといって、その期待を裏切りたくない」(同)。利便性一辺倒にせず、ドンキのアミューズメント性も重視した結果、このような商品構成になったということなのだろう。

リラックス用やマッサージ用、トレーニング用などの健康グッズが驚くほどの充実ぶり
化粧品・メイクグッズは土産物として大人気の絵入りパックも多くそろっている

 「旅行中、ドンキに入る機会がなかった外国人旅行者にも、ここで『面白いものがいっぱいそろっている店=ドンキ』という認識を持ってもらいたい。ソラドンキは、『ドン・キホーテ』ブランドを海外に発信するアンテナショップとしての役割を兼ね備えている」(同)。2区画合わせた商品構成は、食品6、医薬品2、そのほか2の割合。今後は売れ行きや反応を見て、数カ月単位で商品構成を見直していくという。

「日本で人気」のPOPが目立つ
爪切り、ハサミなど海外で評価の高い日本製品も手ごろな価格でそろえている

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2016年6月30日付の記事を再構成]

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