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文明の中で目覚める野性 新たなターザン像

働く女性のシネマ羅針盤 [ターザン:REBORN]

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NIKKEI STYLE

「ターザン」と聞けば、すぐにジャングルの王者の姿と、「アーア・アー」という雄叫びが思い浮かぶくらい有名ですよね。ターザンは、アメリカの小説家エドガー・ライス・バローズが創造した架空のキャラクターで、彼の物語はこれまで何度も映像化されました。中でもジョニー・ワイズミュラー主演の1932年の映画「類猿人ターザン」が世界的に注目を集め、現在でも語り継がれています。

2016年、また新たなターザン映画が誕生。今度のターザンは、イギリス・ロンドンで貴族として暮らす、とてもスタイリッシュで美しい男性が、ある事情から故郷のジャングルへと戻っていくというストーリーです。

主演は、今"ハリウッドで最もオファーをしたい俳優"といわれている、スウェーデン出身の美形俳優、アレクサンダー・スカルスガルド。ターザンの知的で繊細な面と、荒々しくたくましい姿の両方を見事に演じきっています。本作のPRで来日したスカルスガルドに、主演作「ターザン:REBORN」や、彼のキャリアについて聞きました。

(聞き手は清水久美子)

アレクサンダー・スカルスガルド
1976年8月25日生まれ、スウェーデン出身。8歳から演技の仕事を開始し、映画やTVに出演。イギリスのリーズ・メトロポリタン大学と、アメリカのメアリーマウント・マンハッタン大学で演劇を専攻。主な出演作に、映画「ズーランダー」「メランコリア」「わらの犬」「バトルシップ」「ディス/コネクト」「メイジーの瞳」「ザ・イースト」「ギヴァー 記憶を注ぐ者」「ミニー・ゲッツの秘密」「Hidden」、TVドラマ「ジェネレーション・キル 兵士たちのイラク戦争」「トゥルーブラッド」などがある。父は「マイティ・ソー」などで知られるステラン・スカルスガルド。

――ターザンは世界中で愛され続けているキャラクターですが、あなたにとってターザンの魅力とは?

「誰もが、文明社会に暮らしながらも野性的な面を持っていると思う。ターザンはフィクションのキャラクターだが、文明人であり獣であるという、対極となる二つの要素を抱えているところが魅力なんじゃないかな」

――「ターザン:REBORN」は、これまでのターザン作品とは異なる新しい解釈で描かれていますね。

「そうなんだ。僕はそこが気に入って、このプロジェクトに参加したんだよ。ジャングルで生まれ育った男がイギリスにやってきて文明社会を初めて体験するのではなく、英国貴族の男がヴィクトリア朝のロンドンに、既に10年も住んでいるというところから始まる。そして、彼は過去と向き合うためにジャングルに戻らざるを得ないという展開なんだ。この物語を演じるのは、役者にとってとてもやりがいのあるチャレンジで、僕は僕のターザン像を一から自分で作り上げたいという気持ちで挑んだよ」

――本作は超大作映画ですが、その主役を演じたことは、あなたのキャリアにおいて大きなステップとなりましたか?

「そうだね。今、とても良い気分だ(笑)。この役のための準備を、僕は一生かけてやったと言っていいくらいだよ。そして、僕のキャリアで最も長期間かつ最もハードな撮影になった。その一方で、得られるものも最も大きかった。父(ステラン・スカルスガルド)がターザンの大ファンで、子どものころにターザンの映画をしょっちゅう見せてくれたんだ。だから僕はターザンを演じられて、まさに夢がかなった思いだよ」

――お父さんは本作をもうご覧になったのですか?

「いや、まだだよ。父は僕にとって一番怖い批評家なんだ(笑)。父と一緒に本作を見られることに、僕は心から感激している。すごくすてきな体験だ。いや、そうなるといいけど(笑)」

「ターザン:REBORN」(原題:The Legend of Tarzan)
7月30日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他 2D/3D全国ロードショー
(C) 2016 Edgar Rice Burroughs, Inc. and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/tarzan/

「ハリー・ポッター」シリーズのデイビッド・イェーツ監督が贈る、最先端CGによるリアルな野生動物の姿が圧巻の超大作映画。身長194センチメートルの北欧美男、アレクサンダー・スカルスガルドがターザンを熱演。

ジョン・クレイトン(スカルスガルド)は、ロンドンで美しき妻ジェーン(マーゴット・ロビー)と裕福な暮らしを送る英国貴族。彼には、生まれて間もなく海難事故に巻き込まれて両親を亡くし、コンゴのジャングルで動物たちに育てられ、"ターザン"と呼ばれるようになったという過去がありました。

ある日、外交問題を抱える政府の命により、彼はジェーン、そしてアメリカから来たジョージ・ワシントン・ウィリアムズ(サミュエル・L・ジャクソン)と共に、故郷のコンゴへ赴くことに。でも、それはターザンに仕掛けられたわなで、故郷は侵略された上、ジェーンがさらわれてしまいます。

ターザンは愛する妻と故郷を救うため、自分の中に眠っていた野性を呼び覚まし、危険なジャングルへと戻っていくのですが……。

スカルスガルドが過酷なトレーニングに挑んで作り上げた新たなターザン像は、女性の心をつかむこと請け合い。日常を忘れて、ぜひ大画面で楽しんでください。

(ライター 清水久美子)

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