福田彩乃 大好きな車とシュレッダー、共通点は?
モデルのローラさんや女優の長沢まさみさんなどのモノマネでブレークし、近年は女優としても活躍している福田彩乃さん。愛知県豊田市出身のためか、幼い頃から「車」との距離が近かったとか。「趣味は縦列駐車」というほどの車/運転好き。趣味が高じて1年前には自動車メーカーのソーシャルメディア企画で国内A級ライセンスを取得し、レースにも挑戦。特製のヘルメットやドライバースーツから、車選びのポイントなどをうかがううちに、意外な「モノ選び」の共通項が見えてきました。
レース用に作ってもらった遊び心あるヘルメット
自動車が好きなのは、小さい頃からです、父親が車好きで、週末は一緒に洗車するのが我が家の恒例行事でした(笑)。本当に好きだと自覚したのは、運転免許証をとってから。高校卒業後、すぐに免許をとれた時はうれしかったですし、自分がドライバーになったことで、それまで助手席に座っていた時とはガラリと意識が変わりました。
私が生まれ育った愛知県豊田市は、とても車が身近で一家に一台ではなく一人一台という感覚。運転は大好きなので、いつかレースに出られるライセンスにも挑戦したいなとぼんやり憧れていました。それが1年前、日産自動車の「ニッちゃんレーシング」という企画でライセンスを取ってレースに出ませんかと言っていただいたんです。やりたかったことをお仕事でやらせてもらえるなんて、内心、すごくラッキーだなって思いました(笑)。
ただ、レース用の車は見た目がすごくかっこいいんですが、スピードを出すため快適さは二の次(笑)。まず運転した時に「うわ、ステアリングが重たい!」とびっくりしました。かなりのスピードの中でハンドルを切ると、横からの重力、いわゆる横Gもかかるのでかなり力が必要になる。レースの最中はアドレナリンが出ているので、さほど感じなかったりもするんですが、私は小柄だし、女性は男性に比べて全然筋力もないから振り回される感覚がありました。レースの翌日、腰やおなか周りが筋肉痛になってたことも(笑)。
ですが、それはさほど苦にならなかったんです。直進で時速260キロくらい出せるのはすごくテンションが上がります。日常の運転では絶対に味わえないですからね。もちろん一歩間違えるとすごく危険でもあるけど、だからこそスリリング。自分はどれくらいまでいけるんだろうって、ギリギリまで攻める感じがすごくワクワクする。
そのときに作ったのが、今日持ってきたヘルメットとドライバースーツです。自動車レースはやっぱり男性のイメージが強くて、フルフェイスのマスク(ヘルメット)やドライバースーツも黒や青を基調としたすっきりとしたかっこいいデザインが主流。それもすてきですが、せっかく私が出られるんだからかわいらしさや愛嬌(あいきょう)があってもいいのかなとも。それで、マスクやスーツは遊んでみることに。「ニッちゃんレーシング」をプロデュースしている鈴木おさむさんと相談しながらデザインを決めていきました。
スーツはレースクイーンのだまし絵みたいなデザインです(笑)。マスクは特にこだわりました。フルフェイスの物はかぶると素顔がわからなくなるけど、このデザインならかぶってもまだ顔があるみたいに見える(笑)。色合いも赤やゴールドが入っていて華やかですし、金髪にカチューシャをしてるようなデザインは女の子っぽくてお気に入りです。レース前に周りの方々からも「かわいいね」って言っていただいて、好評でした。
これだけ車が好きなのに、実はまだ持っていないんです(笑)。四駆もスポーツタイプも好きなので、1つに決めきれない。
もし選ぶとすれば、かわいいよりはかっこいい系がいいですね。色はブラックやパールホワイトがいいなとか、買ったら自分でカスタマイズしてメッキラインを入れたいなとか、レジスタのところはウッディーなものに替えたい、アクセルやブレーキペダルはメタル調にしたい……などなど。買ったら「こうしたい」という妄想は膨らむ一方です(笑)。
私が車で気になるのはエンジン音。どの車種の音が好きというよりは、その時々のエンジン音の違いを聞いて楽しんでいます。乗ってる人数や窓がどれくらい開いているかでも違ってくるように感じるので、その時々の違いを楽しんだり。小さい頃は大きなマフラー音が不快でしたが、自分が車を運転するようになってからは「そういう個性の車なんだな」と許容できるようになりました。
衝動買いして大満足の業務用シュレッダー
買い物に関しては、車だけが例外で、他は衝動的に「欲しい!」と思って、即買うことがほとんどです。3年前に買った業務用シュレッダーもまさに衝動買いでした(笑)。このシュレッダーもお気に入りのモノの一つです。
仕事柄、書類などをいただくことも多く、セキュリティーなども考えると個人情報などは隠したいですよね。以前はペンで塗りつぶしたのですが、あまりに大量なのでしんどくなって、ならばシュレッダーを買おうとAmazonで見つけました。
自宅で使うものなので手動タイプでも事足りるんでしょうが、それじゃどこか物足りないと思ってしまって、「シュレッダー 業務用」で検索しました(笑)。そうしたら、一度に20枚をかけられるものがヒットしたんです。大きさも空気清浄機くらい。でも、まあ許容範囲かなと思った(笑)、ネタ作りや資料用にメディアも扱うことが多いのでCDやDVDも粉砕できるのも魅力です。
実は今朝も使ってきましたが、テーブルの上にちらしや書類を積み重ねて置きっぱなしにしたくないんです。実際に使ってみると、破壊力(笑)が家庭用とは桁違いで、いいですよ。お薦めです。
最大量の20枚を一度にかけると実はかなりうるさいです。たとえるなら、工事現場みたいな感じ(笑)。でも、それが続くと不思議と心地良く感じます。うるささと心地よさって、私の中では紙一重のところにあるのかもしれません。
自動車レースでも、時速260キロも出てるとエンジン音だけで他に何も聞こえないほどの騒音ですが、それが気持ち良かったりする。「このブーという音を途切れさせたくない」と思って、走行中はアクセルを調節していました。大きな音が持続することが、私にとってストレス解消なんです。きっと、根っからの「音マニア」なんでしょうね。
物まね作りもまずは音から
こうして取材でお話ししている最中も、カメラマンさんがシャッターを切る音が一番気になります。機械的な音が聞こえると「どうしてこの音が出るんだろう」と疑問に感じちゃう。キッチンで料理をしていても、別室のテレビから気になる音が聞こえたら飛んで行ってその音が何かを確かめます(笑)。そんなささいな疑問や気づきから、ものまねを思いつくことも多いです。カメラのシャッター音も1度や2度じゃなく、いくつも高速で重なって「カシャカシャカシャカシャ」ってなると、それは最近話題の謝罪会見になったり(笑)。
もちろん、ものまねには視覚も大事ですし、人によって作り方も様々だと思いますが、私は耳から聞こえるものがヒントになってものまねを作ることがとても多いと思います。
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ものまね作りにも欠かせないという「音」を基準にものを選ぶという福田彩乃さん。後編では、「大げさではなくほぼ毎日食べている」という大好きな納豆をご紹介。納豆好きには驚きの、そして、好きではない人もきっと興味が湧いてくる、福田流のおいしい食べ方などをたっぷりと語っていただきました。
ふくだ・あやの 1988年9月18日生まれ。愛知県豊田市出身。高校卒業後に地元企業に勤務していたが、たまたま「アミューズ全国オーディション2009『THE PUSH!マン ~あなたの周りのイケてる子募集~』」を目にして応募。3万人以上の中からバラエティー部門で受賞し、デビューのきっかけをつかむ。モデルのローラさんや女優の吉高由里子さんなどのモノマネでブレーク。バラエティーだけでなくお芝居にも挑戦しており、朝ドラ「まれ」では主人公の後輩役、植田弥生を好演。現在は、「BSコンシェルジュ」(NHK総合)「おとなの基礎英語」(Eテレ)「福田彩乃のハツモノ」(東海テレビ)などのレギュラー番組で活躍中。9月には東京と名古屋で「第2回単独ライブ-まねざんまい-」を開催する。
(文 橘川有子/写真 吉村永)
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