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律義で甘え下手、自分からは告白しない長女タイプ

キャリア女子ラブストーリー ~アラフォーからの恋愛論

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NIKKEI STYLE

こんにちは。ライターの大宮です。僕は4年前に学生時代の同級生と結婚しました。今年で40歳になります。子どもは今のところできません。不妊治療を受けるつもりはないので、そろそろあきらめていい頃合いでしょうか。

最近は「子育ての代わりに別の形で社会貢献をしようか」と妻と晩酌しながらおしゃべりしています。非力な僕にどんな社会貢献ができるのかはわかりません。とりあえず、健康面でも経済面でもできるだけ余裕を持ち、もう少し優しい人間になりたいと思っています。

外資系メーカーで法人営業担当者として活躍している桑原章子さん(仮名)は今年で37歳(前回記事はこちら)。未婚です。妊娠や出産を真剣に考える年代ですよね。

「いずれ結婚しなくちゃとは思っていました。でも、本気で焦り始めたのは去年ぐらいからです。いつでも子どもを産めるのであれば、結婚はまだ考えたくありません。好きなだけ働けて、好きなように暮らせる独身生活がすごく幸せだからです」

関西地方で長女として育った章子さん。弟たちに比べて、なぜか自分だけが厳しくしつけられた記憶があります。

「父親の言うことがとにかく絶対でした。バラエティー番組は見ちゃいけなかったし、お化粧も禁止。女の私だけが家事を手伝わされました。結婚をして、またあんなふうに家庭に束縛されるのが怖いんです。私自身が『結婚したんだから家事は何でも自分がきちんとやらなくちゃ』という気持ちになってしまうかもしれません」

僕は血液型よりは兄弟構成のほうが人の性質を規定しやすいと思っています。特に、兄はいなくて弟や妹がいる「真性長女」は、章子さんのように親から「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」と厳しく育てられていることが多く、共通した長所と短所を持っている気がします。情に厚く、正義感もあり、律儀で、甘え下手なのです。

男女関係において顕在化しやすい長女性質は甘え下手なところ。合コンなどで抜け駆けするのはもってのほか。気になる男性がいても仲間の女性に譲ってしまうこともあります。男性を立てられないわけではないのですが、肝心なときには「男気」を発揮。過剰なほど堂々と振る舞います。女性から見上げられたい男性からは「オレがいなくてもこの人は大丈夫だろう」と思われがちです。

こういう長女タイプは、自由気ままで甘え上手な男性との相性がいいですよね。ただし、あまりに「お姉さん」的に世話を焼いてしまうと、相手の男性がとことん堕落する危険もあるので注意が必要です。

自由なバリキャリに見えても…

章子さんにも長女性質は濃厚です。僕は章子さんと酒場で出会って仲良くなりました。一見すると自由勝手に働き遊んでいる女性なのですが、しばらく一緒に飲んでいると律儀で甘え下手なところが見えてきます。このインタビューをした夜も、タクシー代と二次会のお金はほとんど章子さんが出してくれました。助かるけど、今日ぐらいは僕が全部出してあげるのに……。

章子さんのような女性は、好きになった人に自分からアプローチをすることはほとんどありません。プライドや自制心が邪魔をするのです。一方で、ちょっと可愛げのある男性が一生懸命に告白してきたりすると、「その勇気に応えてあげなくちゃいけない」という気持ちになりやすいですよね。そのため、デートに誘って断られるリスクすら冒せない男性とは結ばれにくいのです。章子さんは結婚相談所に入っていた時期もありますが、4、5人の男性と会った時点で「自分には合わない」と判断して退会しました。

「お見合いしているのに何もしゃべらない変な人、2回目のデートのお誘いをまったくしないのに私との交際を希望する人……。会話のキャッチボールがまったくできなかったり、引っ込み思案すぎる人とお付き合いはできません」

この記事は章子さんも読むので、参考までに男性の立場から言わせてください。たいていの男性は自信がありません。「どうすれば相手の女性が喜んでくれるか」という知恵もないのです。だから、せっかく出会ってもとんちんかんなコミュニケーションをしてしまいます。

不快ですよね。僕たち男性はもっと努力しなければならないと思います。でも、そのためには女性の助けが必要です。生理的に嫌なレベルでなければ、少し我慢して、彼の良いところを褒めてあげてください。「オレもやればできるんだ。いい男になれるかも」と自信がつけば、コミュニケーション能力などの表面的な部分は劇的に改善される可能性があります。「いい男」は周囲の女性が育てるものなのです。続きはまた来週。

大宮冬洋(おおみや・とうよう)
 フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

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