訪日客限定でランチ営業 塚田農場 専用メニュー用意SNSで8カ国語対応、夜の来店促す

訪日客に絞ってランチ営業し、夜の居酒屋利用につなげる狙いだ(写真は一部店舗で実施したときの様子)
訪日客に絞ってランチ営業し、夜の居酒屋利用につなげる狙いだ(写真は一部店舗で実施したときの様子)

居酒屋「塚田農場」などを展開するエー・ピーカンパニーは、通常は夜しか営業しない店を訪日外国人(インバウンド)向けに昼も営業する。ベジタリアン向けのメニューや海外店舗で支持の高い料理を用意して月5000人の来店を目指す。東京五輪・パラリンピックに向けて、インバウンドへの対応を強化する。

全国の「塚田農場」や「四十八漁場」160店で実施する。同店は通常、夜しか営業していないが、近く海外のツアー客らを対象に昼間も対応する。旅行会社などから予約のあった店舗を開け、ランチメニューを提供する。

料理はコース制だ。メーン料理を5品の中から1品選び、サイドメニューを13品の中から3~5品選ぶ。そこに白米と汁物、デザートを追加するスタイル。価格はサイドメニューの数によって変動するが、1200~2000円とする。

同社の海外店舗で人気の高い「鶏塩コラーゲン鍋」やベジタリアン向けの「野菜天麩羅(やさいてんぷら)」をメーン料理に入れたほか、サイドメニューは「刺身3点盛り」や「若鶏の骨付き唐揚げ」、「塩昆布サラダ」など外国人の好みに対応できるよう幅広く用意した。来店客の反応を見ながら2500円や3000円のコースも投入する方針だ。

5月から一部店舗で実験的に実施、需要が見込めると判断し160店に広げる。まずは月5000人の来店を目指す。

ツアー客の場合は旅行会社への手数料が負担になるため短期的には採算が取りにくいという。同社ではまず、ツアーをきっかけに「塚田農場」をフェイスブックなどのSNSや口コミで広げてもらう。店側からもSNSを利用して積極的に発信する。最終的に夜の営業に個人客をひき付けて、利益を出すのが狙いだ。米山久社長は「長期的に取り組む」と話す。

同社の2016年3月期の営業利益は前の期比53%減だった。既存店の売上高も前年割れが続いており、インバウンド対応はてこ入れ策の1つだ。4月にインバウンド対応のための専門部署を設立。8カ国語に対応する多言語通訳サービスを導入したり、年内をメドに公衆無線LAN「Wi―Fi」を100店に導入したりと対応を急いでいる。

訪日客対応ではコロワイドが15年度に30万人を迎え入れた。居酒屋のチムニーも日本風の内装を売りにした店舗を開業するなど各社とも力を入れている。

[日経MJ2016年7月13日付]

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