相撲、超人スポーツ、能… 五輪に向け文化イベントオリパラ開催ムード盛り上げへ日本文化など紹介

超人スポーツ協会はモーター付きの小型タイヤを手綱で操る「キャリオット」などを普及させ、新しいスポーツを世界に発信する(写真提供:超人スポーツ協会)
超人スポーツ協会はモーター付きの小型タイヤを手綱で操る「キャリオット」などを普及させ、新しいスポーツを世界に発信する(写真提供:超人スポーツ協会)

2020年東京五輪・パラリンピックの開催機運を高めようと、8月から全国各地で趣向を凝らした文化イベントが相次いで開かれる。相撲を訪日観光客らに紹介する文化交流イベント、障害者アーティストによる舞踊、ハイテク機器を活用した新しい競技を提唱する「超人スポーツ」大会など8つのプロジェクトが動き出す。東京大会では日本の文化を世界に発信することや、同時にダイバーシティー(多様性)を尊重する社会づくりが大きな目標にもなっており、イベント開催によって機運を盛り上げる。

「バブルジャンパー」は新感覚の格闘技として体験者に人気がある。(写真提供:超人スポーツ協会)

日本相撲協会は10月、外国人向けに1日限定の特設イベント「大相撲beyond2020場所」を都内で開く。スポーツとしてよりも、大相撲の日本文化としての側面を強調し、伝統国技で「升席を外国人客で埋め尽くす」(同協会)ことまで狙う。英語を話せる和服のスタッフが大いちょうの結い方などを解説し、大相撲や日本文化への理解を深めてもらう。詳細は未定だが、訪日客にも「初っ切り」や「相撲甚句」なども楽しんでもらえるかもしれない。

これと並行して、障害者向けの観戦体制も見直す。四方を囲まれた升席は障害者には座りにくいほか、案内方法もバリアフリーが整えられているとは言いがたかった。障害者が観戦しやすいように実証データも整備するという。

障害者のハンディキャップをカバーする研究が、人間の身体能力の拡張にまで発展した「超人スポーツゲームズ」というイベントもある。モーター付きの小型タイヤを手綱で操る「キャリオット」、バブル(泡)をイメージした球体に身を包み、跳躍力を高めたジャンピングシューズを履いて、ぶつかり合いながら相手を倒す「バブルジャンパー」といった新しいスポーツ競技会を開催。いずれも障害者のサポート技術から発展したゲームで、体験イベントには、運動が苦手な子供、高齢者、障害者ら幅広い層の参加を見込んでいる。11月に東京や神奈川ではトーナメント形式の試合も予定する。

障害者芸術の分野では舞台芸術のプログラムなどが選ばれた。2015年秋の「スロームーブメント青山公演」(写真提供:スローレーベル)

東京大学の稲見昌彦教授らが結成した超人スポーツ協会は「人間拡張工学」の研究成果を活用した義足や車いすなどを提供。運動能力の向上を進めた結果、障害の有無に関係なく楽しめるスポーツ文化の創造を目指している。

障害者芸術の普及を目指すイベントもある。8~12月に東京、神奈川、大阪の3カ所で車いすのダンサーらが踊るパフォーマンスや、障害者の舞踊などに関するワークショップなども予定している。障害者アーティストを育成し、12月には東京・豊洲で発表会も開く。

障害者の社会参加などに取り組むNPO法人のスローレーベル(横浜市)などが芸術作品の発表会などを予定している。このほか鳥取県は10月に「障がい者アートフェスタ2016」を開催する。

一連のプロジェクトは8~12月に各地で開催。実施団体には、政府から1000万円を上限に委託費が支払われる。各プロジェクトは東京大会までの実施計画や20年以降の取り組みを政府に提案。政府は今後もプロジェクトを増やす方針で、全国で約30件にしたい考えだ。

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