シロクマと遭遇 ノルウェー・スヴァルバード諸島別世界旅行--地球を遊び尽くす旅へ(1)

クルーズから眺める北極圏のシロクマ
クルーズから眺める北極圏のシロクマ

地球を遊び尽くす! 北極から南極まで日常を忘れさせてくれる究極の旅先ベスト22をガイドした書籍「別世界旅行」から、さらにえりすぐった旅先を連載7回にわたり、ご紹介します。ぜひ、次の旅先や今後の休暇のヒントにお役立てください。連載第1回は、夏の大自然を満喫できる旅、ノルウェーのスヴァルバード諸島。北極で、野生のシロクマやトナカイ、アザラシと遭遇したり、華やぐ植物を愛でたり、クルーズを通して体感できる北極の短い夏を、ご堪能ください。

太陽の沈まぬ白夜の中、世界最北の街から船は出航する。世界最大の肉食獣シロクマとの遭遇や、北極の華やぐ夏の大自然を満喫する旅へ。

まずは定期便が運行する、地球最北の空港へ

定期便が就航する世界最北の空港へは、ヨーロッパの都市を乗り継いで、ノルウェーの首都オスロからわずか4時間で到着する。北極というとさぞ遠い場所だろうというイメージだが、意外とアクセスが良く、少し拍子抜けする。人が定住する最北の街がロングイェールビエン。スヴァルバード諸島内で最大のスピッツベルゲン島の中西部に位置するこの街が、船の発着地となる。

クルーズはこの地域の夏のシーズンに催行されるのだが、夏といってもここは北極圏。気温は0~8度程度しかないので、防寒着は必須だ。同じ夏でも驚きの気温差に、まず身体を慣らすことから旅は始まる。

小型の船で滞在し、変わりやすい自然の中で機敏に動く

使用する客船はオーシャンエンデュラー号。スヴァルバードを巡るクルーズでは、「小さいこと」がとても重要。その理由は、ロングイェールビエンを出航すると、いつシロクマに遭遇するかわからず、いざ遭遇したら小さい船体で素早く移動して、シロクマの間近に迫ることができるからだ。決まった航路を設定せず、天気・風・氷の状況を見ながらベストな上陸地を探すこのような旅では、より機敏に動ける小さい船のほうが体験の幅は広がる。

船は定員53 名、26 室のキャビンはすべて窓付き。一番上のデッキには、大きな窓に囲まれたラウンジがあるので、中からでも景色を堪能することができる。クルーズ中の大半は内海に滞在するので、小さい船だが、揺れはさほど心配することはない。

クルーズ船オーシャンエンデュラー号

出航すると、飽きることのない上陸や遊覧が待っている

せっかく北極圏にいるのだから、極寒の海を身近に感じたい。そんなときは、強化ゴムでできたボート「ゾディアック」が威力を発揮する。もともと軍隊の上陸用ボートとして開発されたゾディアック。出航翌日から、シロクマがいないときはさまざまなところに上陸したり、氷河の間近を遊覧したりと、自然を満喫できる。寝泊まりをする本船よりも、もっと間近に自然を感じることができて、飽きることはないだろう。インフラ整備が乏しい極地ならではの楽しみともいえる。

極寒の海を感じられるゴムボート「ゾディアック」

短い夏、植物は華やぎ、動物たちも行動するにぎやかな季節

訪問するのは、1年を通して一気に植生が豊かになる夏のひと時。さまざまなかれんな野花が咲き、溶けだした水を多く吸い込んで藻や苔も美しい緑色に輝いている。北極といえば雪と氷に覆われた大地を想像するが、この時期は実にカラフルな彩りにあふれている。

北極の地に生息するかれんな植物ムラサキユキノシタ

スヴァルバードトナカイ、ホッキョクキツネ、セイウチやアザラシなどの野生動物も、夏を謳歌するかのごとく、諸島内で元気に動き回っている。これらの野生動物は、シロクマとともに多くが乱獲され、絶滅の危機にひんしたこともあるが、近年の保護策が功を奏しておおむね回復基調にあるといっても過言ではない。今ではクルーズ中に多くの野生動物に巡り合うことができ、自然を守ることの大切さを感じるだろう。

ゾウゲカモメ
ホッキョクキツネ
ハシブトウミガラス
セイウチ

やはり期待が高まるのは、シロクマとの遭遇だ。白夜なので、ガイドや乗組員は24時間体制でシロクマがいないか目を光らせている。諸島を含めた周辺地域には5000頭ほどが生息しているといわれており、完全に神出鬼没なので、いつチャンスが訪れるかは運次第。でも合えたときのその勇壮で愛くるしい姿には、思わず息をのむだろう。

旅のハイライトは世界最大の肉食獣シロクマとの遭遇

厳しい環境の中で見る自然の美しさに、感動し続けるクルーズの日々

飽きることがない、毎日が感動の冒険旅行。究極の非日常ともいえる北極圏でのクルーズに慣れ、ゾディアックの乗り降りに手慣れた頃、もうクルーズも終盤だ。北極というと、ふだんの暮らしからは全くなじみのない、縁の遠い場所に思われる。だが、クルーズが終わる頃には、彩り豊かな島々に美しい氷河、たくさんの野生動物との出合いと数えきれない思い出にあふれている。

ゾディアックに乗り込み北極圏をクルーズする

シロクマ以外にも豊かな野生動物との出合い、また、短い夏の生命力にあふれた自然を体感しよう。

短い夏の自然を体感できる
ゾディアック越しに堪能できる北極圏

TRAVEL INFORMATION  Svalbard Islands Norway

■旅の予算|BUDGET
総予算85万円~
※8泊10日/成田~ロングイェールビエン往復航空券、ホテル1泊、クルーズ7泊 1部屋(2人利用)の料金(一部食費除く)、1人分の総予算

■旅のシーズン|BEST SEASON
スヴァルバード諸島クルーズは毎年5月下旬から9月上旬まで催行されている。シーズン中はほとんど日が沈むことがなく、夜でも真っ暗になることはない。気温は0~10度の間だが、風が吹くと気温以上に寒く感じるので、防寒具は必須。

■行き方|HOW TO GET THERE
日本からクルーズの基点となるロングイェールビエンには、ヨーロッパ線を乗り継いでオスロに向かい、オスロからの定期便に乗る必要がある。往復ともに、時間によっては前後泊が必要となる。

問い合わせ先|CONTACT
現地でいろいろと手配が必要なので専門旅行会社にまとめて手配することがオススメ。北欧、北極のスペシャリスト、フィンツアーに問い合わせよう。
フィンツアー公式URL http://www.nordic.co.jp
TEL:03-3456-3933(平日9:30~18:00、第2・4土曜日9:30~12:00)

■宿泊|ACCOMMODATION
ロングイェールビエンのホテル
RADISSON BLU POLAR HOTEL SPITSBERGEN
北極点まで1333キロの世界最北のフルサービスホテル。全95室のホテル内はシンプルにまとまっていて、モダンな北欧調にデザインされている。周辺は、島唯一の店やレストランが集中しているエリアにある。

■旅の見どころ|MUST NOT MISS
ロングイェールビエンを出発したら、至るところが見どころといっても過言ではなく、いつシロクマに遭遇してもおかしくない。また、航海する地域の景色は、日常では想像もできない大自然に囲まれる。シロクマや絶景に遭遇したときには船内放送で案内されるので、デッキへ急ごう。

■この旅の絶品|BEST GOURMET
クルーズ中は、朝、昼はビュッフェ、夜は肉、魚、ベジタリアンの中から選択できるコース料理がサーブされる。決して豪華な料理ではないが、毎日異なる料理が出てくるので、飽きずに楽しめる。天候が許せば外デッキで北極の景色を眺めながらのバーベキューは格別の体験だ。

スケジュール例|TRAVEL SCHEDULE
1日目 成田発~コペンハーゲン乗り継ぎ オスロへ 【ラディソンブルー泊】
オスロ発ロングイェールビエンへ 着後 ホテルへ
2日目 オーシャンエンデュラー号乗船 出航 【オーシャンエンデュラー泊】
3~8日目 終日 スヴァルバード諸島クルーズ 【オーシャンエンデュラー泊】
9日目 オーシャンエンデュラー号下船
ロングイェールビエン発オスロ乗り継ぎ コペンハーゲンへ
着後 コペンハーゲン発成田へ 【機中泊】
10日目 成田着

■周辺情報|OTHER NEAR BY DISTINATIONS
【オスロ】
ノルウェーの首都ながらも人口60万人ほどと小さな都市で、コンパクトにまとまっている。近年、港近辺のウオーターフロントが再開発されて注目されている。
【ベルゲン】
ノルウェー本土の西部の都市。世界遺産にも登録されているブリッケン地区の美しい街並みや、周辺のノルウェーフィヨルドを巡る拠点として有名。
【コペンハーゲン】
デンマークの首都で、北欧のパリとも呼ばれる美しい街並みが特徴。カラフルな家が立ち並ぶニューハウンが観光客に人気。

別世界旅行──地球を遊び尽くす旅へ

著者 : 日本経済新聞出版社編
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

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