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全国大会に3万人!女性もハマる第3次ミニ四駆ブーム

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NIKKEI STYLE

1980年代、90年代に小学生を中心に大流行したミニ四駆が今、リバイバルブームを迎えている。ただし、現在の流行を支えているのは30~40代の大人たちだ。ミニ四駆は基本的には真っすぐ走るだけで、操作することができない。このシンプルなレーシングホビーの何が大人たちを夢中にさせるのか。「第3次ミニ四駆ブーム」の現場を取材した。

年々参加者が拡大中の公式大会

6月19日、品川シーサイド駅から直結する品川シーサイドフォレストは熱狂に包まれていた。中庭であるオーバルガーデンを見下ろすテラスや階段には、幾重にも人垣ができている。場内に響きわたる小気味よいモーター音とレース実況。マシンがチェッカーフラッグを受けるたびに拍手と歓声がわきおこり、コースアウトするとため息が会場を覆う。コースを囲む人たちは30~40代の男性を中心に、親子連れ、女性、カップル、学生、アジア系外国人、老夫婦とじつにさまざま。オリジナルTシャツに身を包んだチームでの参加者も多い。

この日、会場ではミニ四駆の発売元であるタミヤ主催の「ミニ四駆ジャパンカップ2016」の開幕戦が行われていた。88年にスタートしたミニ四駆最大の大会であるジャパンカップは、12年間の休止期間を経て、2012年に復活。出場者は12年が約1万人、13年が約2万人、14年が約2万6000人、15年が約3万3000人と右肩上がりで伸びており、今年はさらに増えることが予想されているという。大会は全国で開催され、その勝者たちが10月に行われるチャンピオン決定戦に出場する資格を得るのだが、開幕戦となった東京大会の参加者は約3300人。事前申込者が多数だったため、抽選による絞り込みが必要だった。

「子どもでも簡単に組み立てることができ、手ごろな価格でどこでも走る四輪駆動の模型」というコンセプトで1982年にタミヤが発売したミニ四駆はこれまで、2度ブームになっている。一度目はマンガ『ダッシュ!四駆郎』が連載を開始した87年、2度目は『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』が始まった94年から。どちらも月刊誌『コロコロコミック』(小学館)に連載されたマンガで、子どもたちを中心に人気となった。

現在の第3次ブームを支えているのは子どもではなく、80~90年代に熱中して遊んでいた30~40代になる"元ミニ四駆少年"たちだ。

玩具店や量販店に聞いても、購買層の多くは大人や家族連れだという。「それ以前もミニ四駆コーナーはあったのですが、2012年にジャパンカップが復活してから、現在までに売り場面積は1.5~2倍程度に拡大しました。購買層の7割は、30~40代の方という印象ですね。現在、1階のエントランスなどにサーキットを設置して、ミニ四駆を気軽に遊べるコーナーを設けようかと検討しているところです」(ヨドバシカメラマルチメディアAkiba・ホビー売り場ショップ店員)

彼らはレースに参加するだけではなく、例えばコースが併設されたミニ四駆バーで、自分や人のマシンをさかなに熱く語り合う。ジャパンカップに小学校高学年の息子連れで参加していたI.H.さん(42歳)は次のように語る。

「趣味の車で事故って落ち込んでいた時、連れて行ってもらったのがミニ四駆バーでした。『なんでいい大人がミニ四駆?』って思いましたけど、借りたマシンでレースしたら昔を思い出しちゃって。その後、大会にひとりでは行きにくいので、息子も連れて行ったら、子どももハマっちゃいました」

マシンのセッティングはまるでパズルのよう

子どものためのホビーだったものが、現在では大人も楽しめるカルチャーとなったミニ四駆。大人が虜(とりこ)になる理由はどこにあるのだろうか。新橋にあるタミヤプラモデルファクトリーのスタッフは次のように話す。「ミニ四駆にはパーツを組み合わせるパズルのような要素があります。ほとんど無限の組み合わせの中から、コースの最適解を見つけ出すのです」

ミニ四駆の特徴として、本体とは別途購入するパーツの多さが挙げられる。マシンを速くする、コースに適したセッティングにする、自分好みのデザインに改造するなど目的はさまざまだが、そうしたカスタムパーツは発売中のもので計200種類に上る。

例えば、コーナーをスムーズに回れるようにマシン前面にローラーをつけるが、このローラーだけで十数種が販売されている。素人目には違いがわかりにくいが、直径がミリ単位で異なり、素材もプラスチック製やチタン製など多岐にわたるのだ。マシンの心臓にあたるモーターも、スピードタイプ、パワータイプ、バランスタイプなどがあり、それぞれのタイプでさらに回転数の違いなどに分かれる。タイヤやギアも同様に十数種が発売されており、さらに車体の跳ねを押さえるマスダンパー、ジャンプ手前で速度を抑えるブレーキ、バンパーを補強するステーなど改造パーツは広がっていく。

レース参加者はコースの特性に合わせて、こうしたパーツを組み合わせてマシンを組み上げることになる。レースではただ速ければ良いというものではない。取材したジャパンカップでも、コーナーを曲がりきれずコースアウトする、ジャンプしすぎてコースに戻れないといったマシンが相次ぎ、出走5台中、1台も完走できないというレースも珍しくなかった。コースに合わせたセッティングの妙が必要とされ、それがファンのハマる要素になっている。実際、タミヤでは1982年の発売当初から、ミニ四駆を単なる玩具ではなく高性能なレーシングホビーと捉えており、小学生が使いこなすには多少高度なパーツ開発が行われていたという。

女性ファンがハマる「デコ四駆」

安価で手軽に楽しめることもミニ四駆が幅広い世代に支持される理由のひとつだろう。ジャパンカップに親子3人で参加していたある母親は、「ゴルフはもちろん、テレビゲームに比べてもお金がかからない。ラジコンは操作の技術が必要だけど、ミニ四駆は作って走らせるだけ。だから親子3人が同じ条件で競争できる」とその遊びやすさを解説してくれた。

ミニ四駆の本体は実売価格で800円程度。そこに初心者向けのパーツセットとこだわりのパーツ1、2点をいっしょに購入しても、3000~4000円程度しかかからない。その後は月1000円程度の投資でも、コツコツ続ければ十分競えるマシンになる。大人向けホビーとしては安価な部類であることは間違いないだろう。

近年は、ミニ四駆を走らせるのではなく「飾り立てる」というトレンドも生まれている。

オリジナルカラーで個性を出すというだけではなく、フィギュアをのせたり、ジオラマのように作り込んだり。キラキラのビーズで飾り立てた「デコ四駆」や、マニキュアを塗った「ラメ四駆」など、女性の手によるドレスアップマシンも注目を集めている。タミヤの公式大会では「コンクールデレガンス」という名で、塗装やビジュアル面の改造を競うコンテストが開催されるほど。自慢の改造マシンをSNSなどに公開している人も珍しくない。

発売元のタミヤによると「最近の特徴はSNSを通じて交流が活発になり、自分のマシンを見せ合い、語り合うことの楽しさにハマるファンが多い。2000~3000人が参加するタミヤ主催の公式イベントは、さながら大規模なオフ会の場としても楽しまれている」(広報担当者)という。楽しむ年齢層が広がると同時に、楽しみ方も「走る」だけでなく「飾る」「語る」と広がっているようだ。

(ライター 滝沢弘康=かみゆ)

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