スマホ代が年間約7万円から52分の1の1300円に!?ある会社員の格安SIM奮戦記(後)

もう一つ、皆さんが気になるのが「大手は解約手続きが面倒なのでは」ということだろう。私も「解約理由を聞かれたり解約しないよう説得されたりするのだろうか」と考え、auショップに行き渋っていた。だがFREETELのSIMが手元に届いた以上、行くしかない。意を決して出向いたら、窓口では解約理由など一切聞かれなかった。拍子抜けするほど簡単に解約手続きをしてもらえたのだが、最後にまた問題発生。「auのポイントが少したまっていて、これを今この場で消費しないと解約できない」というのだ。これはauの親切心によるものだが、正直ここでつまずくとは想定外だった。仕方がないので、係の人が見守る前でauのショッピングサイトでティッシュ5箱を買い、ポイントだけだと23円不足したので現金で支払った。

500円、1000円などキリのいい額だけでなく、こんな半端な額のギフト券も買える

なお、私はau WALLET(プリペイド方式の電子マネーカード)も持っていてこの中にまだ3437円残っているが、これはauを解約しても前と同様にお店での支払いに使える。ただ、お金をチャージするのがスマホではできなくなり、auショップかローソンの店頭に行かなければならなくなるので、利便性は低下する。ならばこの際使うのをやめようと考えたが、このカードからの現金での引き出しは一切できないようだ。しかし買い物で使っても、最後には1円単位の死に金が出そうで気持ちが悪い。調べたら、この問題の解決策は(1)Amazonで「Amazonギフト券Eメールタイプ」を買い(金額は1円単位で指定できる)(2)支払いにau WALLETを使って(3)贈り先に自分を指定する――というものだった。

最後に、ハードウエアのことにも触れておこう。肝心のSIM交換は、デジカメにSDカードを入れるようなものなので難しくはない。単にカードが小さいだけだ。iPhoneに付いてきたクリップのような治具で穴を突いてSIMの載るトレーを押し出し、前のSIMと同じ向きに新SIMを載せ、押し込んで戻すだけ。ただし重要な注意点が一つ。iPhoneの場合は設定に必要なファイルをFREETELのサイトからダウンロードしてこないとつながらないので、最初は必ず無線LANがつながっている環境で作業しなければならない。1回限りの話だが、自宅が無線LAN環境でないと少々つらいかもしれない。

SIM交換の際はiPhoneに付いてきたクリップのような治具が活躍する

SIMを挿し、しばらくして画面上部に「docomo LTE」と出たら無事つながった印である。実際の使用感は「特に問題なし」。大手キャリア回線の切り売りを受けている以上、前より速くて快適ということは理論的にもないわけだが、今までできていたのにできなくなったこともほとんどなかった。これはもちろん、私がメールやブラウジング中心、せいぜいネットバンキング程度の軽い使い方しかしていないせいもあるだろう。とはいえ、iPadなど他の無線LAN機器のテザリングにも使えるし、たまに動画を見ても途中で止まることもなく、普通に使っている上で不満はない。……いや、ところが実は最後に一つだけ落とし穴があった。アンテナ問題だ。

左上のアンテナピクトが全部白丸になってしまった……

iPhoneなら画面左上に電波の強度を示す●●●●●の表示がある。これが○○○○○になってしまって、今の電波の状態がわからなくなってしまったのだ。後で調べたらこれは「格安SIMのアンテナピクト問題」と呼ばれるもので、よく知られた現象らしい。どうやら電波の強度表示はSMS機能と関係があるようで、正しい解決策は「データ通信のみのSIMではなく、データ通信+SMS付きのSIMを買うこと」だった。私はケチって一番安いコースにしてしまったが、わずか月140円高いだけのデータ通信+SMSコースを選んでいればこの問題は起こらなかった。

ただ、ネット上には「アンテナピクトが出ないといつまでもアンテナを探し回り、結果としてバッテリーが異常に減る『セルスタンバイ問題』が起こる」という情報があったが、私の場合それはなかった。この辺は機種によるらしい。また、後日裏技でアンテナピクトを表示させられることも知った(iPhoneの「設定」「モバイルデータ通信」「モバイルデータ通信のオプション」の中の「LTE回線を使用」という部分を、「データ通信のみ」から「音声通話およびデータ」に切り替えてやればいい)。

       ☆        ☆        ☆

格安SIMに乗り換えて1カ月以上たった今、自信を持っていえる結論は「通話をしない人、メールやWebなど回線負荷の少ない使い方をしている人なら、まず安くなるので乗り換えを勧める」というもの。もちろん通話や動画視聴を多くする人なら乗り換えせず大手キャリアの青天井プランの継続がベスト、ということもあるだろう。要は自分のデータ通信量がどのくらいか、によるわけだ。ただ、あれやこれやと細則を付けて横断比較をしにくくしている大手と違い、格安SIM会社の料金プランはどこも「何GBまではいくら」とシンプル。通話や重い使い方をする人でも、料金表をじっくり見て会社とプランをうまく選べば、安くなる部分は見つけられると思う(例えばFREETELにも月399円払うと1分間までの国内通話がかけ放題になる専用アプリがある)。ほとんどの人にとって一度比較検討してみる価値は大いにある、ということだ。

(マネー研究所編集長 大口克人)

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