芸能界入り、母の笑顔あって ふかわりょうさん
著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回はタレントのふかわりょうさんだ。
――ピアノは小さい頃からひかれるのですか。
「小学3年生から父の影響でピアノを習わされました。兄たちもやっていたのですが、当時は男がピアノを弾くなんて恥ずかしいから逃げ回っていたんですけれど。父は会社員ですが、ピアノとバイオリンが得意でした。ピアノバーに行くとずっと弾いていたようです。家にレコードや楽譜がたくさんあって、クラシック音楽に限らず、世界のポップスやボサノバといった色々な音楽に幼少期に出合ったことは今の音楽活動に生きています」
――お父さんの影響が大きいのでしょうか。
「そうですね。でも、芸能界に入ったのは、明るくよく笑う母の存在が大きいかもしれません。母は楽観的な部分と心配性なところ、両面が際立つ人です。私は心配性な部分は似ている気がします。明るい母じゃなかったら芸能界に入っていなかったかもしれませんね」
――芸能界に入ったときのご両親の反応は。
「最初は黙って活動していたんです。説得できる材料ができてから打ち明けよう、と思っていました。高校時代からお笑いをやろうと決めていて20歳から始めました。数カ月後、コンテストに優勝した時に話しました。ただ、何となく察していたようです。僕はおちゃらけるタイプではなかったんですが、人前によく出て話をしていたので、さほど意外ではなかったみたいです。反対はされませんでした。『ダメと言っても、りょうはやりたいことをやるんだろうな』という感じ。末っ子で、寛容だったのかもしれません」
――今も応援してくださっているとか。
「出演した番組の感想をメールで送ってくれます。『面白かった』など、ポジティブな内容が多いです。髪が伸びてくると、2人から『髪切りなさい』と送られてきます」
――家族仲がいいようですね。
「20歳で仕事を始めすぐ一人暮らしを始めたので、親のありがたみはよく分かっています。今、照れもなく一緒に旅行しています。兄の家族と一緒に皆で1年に1度はでかけるんですが、10年ほど続いていますね。実家にも1カ月に1度ほど帰ります。食事しながら、番組の感想や社会で起きていることについてよく話します。父は歴史や物事の由来などに詳しく、話を聞いていて飽きないんです。世の中のことに敏感なところは、受け継いでいると思います」
――ご両親のためにしたいことは。
「テレビに日々出るなど、長く仕事を続けるのが一番でしょうか。親孝行と呼べるほどのことではないかもしれませんが、『元気にやっていますよ』というメッセージが伝わるのかなと思っています」
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