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宮本亜門さん モーツァルトのオペラ演出を語る

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NIKKEI STYLE

演出家の宮本亜門さんが手掛けるモーツァルトのオペラ公演が好調だ。プロジェクションマッピングによる舞台が話題を呼んだ昨年の東京二期会公演「魔笛」に続き、7月には同「フィガロの結婚」が再演される。宮本さんがオペラ演出の勘所を語る。ソプラノの嘉目真木子さんに亜門流モーツァルトの特徴も聞いた。

「僕がモーツァルトの音楽を最初に聴いたのは、きっと、生まれた東京・銀座の喫茶店だったんでしょうね。そこにはモーツァルトの曲がいつも流れていた。銀座の街じゅうに、BGMのように流れていた気がする」。宮本さんは物心つく頃のモーツァルトとの出合いをこう語る。

「人間の様々な感情に対し焦点が明確になっているのがモーツァルトのオペラ。誰にも歌える分かりやすいメロディーを書いているが、音による人間洞察が深い」。空気のように親しんでいたモーツァルトの音楽だが、様々なレコードを聴き比べると、どれも表現や表情が異なる。「一体どんな作曲家なんだろうと、高校時代に改めて思った」と言う。大学で演劇を専攻後、ダンサーとしてデビュー。振付師を経て1987年に「アイ・ガット・マーマン」で演出家デビューを果たす中でも、モーツァルトを研究し続けた。

2002年に二期会による「フィガロの結婚」でモーツァルトのオペラを初めて演出した。「音楽があまりにも素晴らしくて、ただ流すことはできない」というのが演出の動機になっているようだ。7月15~18日に東京文化会館(東京・上野公園)で開かれるサッシャ・ゲッツェル指揮東京フィルハーモニー交響楽団と東京二期会によるオペラ公演「フィガロの結婚」は同作の4回目の再演となる。ミュージカルや演劇、歌舞伎など様々な分野の演出を手掛ける宮本さんだが、「僕は音楽の世界に酔いしれるのが何よりも大好き。オペラはずっとやっていきたい」と語るなど、オペラ演出家としての活動が一段と目立ってきている。

13年にはオーストリアのリンツ州立劇場でモーツァルトの「魔笛」の演出を手掛け、プロジェクションマッピング技術を使った斬新な舞台で注目を集めた。この技術について「ジングシュピール(音楽劇)と呼ばれる『魔笛』はファンタジーの世界。目に見えるもの、見えないものを映像で表現したかった」と話す。15年7月には東京二期会がこの「魔笛」を東京文化会館でも上演した。パミーナ役で出演したソプラノの嘉目真木子さんは「リンツでの初演も見たが、見るのと演じるのとでは大違い。舞台の壁1枚がプロジェクションマッピングによって宇宙や崖崩れなど様々に変化する。今ここにこの映像がある、と想像しながら演じるのは初めてで、新鮮だった」と語る。

7月1日、旧小学校の校舎を利用した芸能花伝舎(東京・新宿)という施設で二期会の歌手たちが「フィガロの結婚」の稽古を続けていた。歌稽古が終わった後、スザンナ役で出演する嘉目さんに宮本さんの演出について聞くと「感情表現による動きが多い」と特徴を挙げた。「モーツァルトのオペラは音楽だけでも完成されていると思う。でも亜門さんの演出が付くと、個々のキャラクターが生き生きとしてくるので、相乗効果で音楽のアンサンブルにすごくいい影響を与えたり、舞台も面白くなったりする」。ただ、歌手にとっては演劇的な動きが多くて大変なようだ。「特に(賢い小間使いのスザンナのような)活発なタイプのキャラクターは、動きも頭の回転も速いので、歌いながら演技をこなすのは本当に体力勝負になる」

「フィガロの結婚」の稽古場で宮本さんは歌手一人ひとりにきめ細かい指示を出していた。「再演の演出は楽しい。これまで気が付かなかったちょっとしたセリフや休符の意味が分かってくる」。実際、新たな演技の導入や修正、改変もある。この日も、ケルビーノ役のソプラノ青木エマさんの演技について、体を1回転させる動きを省く指導をしていた。

ほかの作曲家のオペラに比べてモーツァルトの作品を宮本さんはどう捉えているのか。「例えばプッチーニは映画的な力だと思っている。全体の空気感を運命の濁流のように描く。ヴェルディもそうだ。しかしモーツァルトは空気感や情景が思い浮かぶタイプの作曲家ではない。あくまでも人間の心象・心理だけを追究している。モーツァルトの作品では大きな世界観を描けないとこぼす演出家もいるが、僕にとっては演出のやりがいがある。人間のため息やささやきが聞こえてくる音楽なんです」

「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」「魔笛」とモーツァルトの主要オペラ4作品を二期会で演出してきた宮本さん。今後はほかの作曲家のオペラの演出にも取り組みたいという。「人間の心理を描いた作品に関心がある。現代オペラも手掛けたい」と語り、まず挙げるのはアルバン・ベルク作曲の陰惨な悲劇「ヴォツェック」。三島由紀夫の原作によるドイツの作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェのオペラ「午後の曳航」にも関心を持つ。ともにモーツァルトとは時代も趣も異なる作品だが、「人間の本質を探る」という点で共通している。亜門流のオペラはすごみを増して新たな展開をみせそうだ。

(映像報道部シニア・エディター 池上輝彦)

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