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SIMフリースマホの風雲児 中国2社の次の一手

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日経トレンディネット

夏商戦を控え、キャリアだけでなくSIMフリースマートフォン(スマホ)メーカーの新製品発表も相次いでいる。2016年5月のFREETELに続き、16年6月にはファーウェイとZTEが新スマホの発表会を開催した。

ファーウェイはライカレンズ採用の「P9」などを発表

6月9日に発表会を開催したファーウェイが打ち出した新機種は、スマホの「Huawei P9」「Huawei P9 lite」と、女性向けに特化したスマートウオッチ「HUAWEI WATCH Elegant Jewel」。ここで注目されるのはスマホの2機種だ。

P9は16年4月に発表されたファーウェイの新しいフラッグシップモデルで、老舗カメラメーカーのライカと提携。共同開発したレンズを搭載したデュアルカメラ機構を備えるなど、カメラに注力しているのが大きな特徴だ。デュアルカメラの特性を生かし、あとからボケ味を変えられるなど、撮影をより楽しめる仕組みが豊富に搭載されている。

カメラ以外の性能も高い。例えば、ネットワーク関連機能だ。P9は、無線通信を高速化する方法の1つである「キャリアアグリゲーション」に対応しており、理論値で下り最大262.5Mbpsを実現している。SIMフリースマホでキャリアアグリゲーションに対応している機種はiPhoneやNexusシリーズなどに限られるので、大きな注目点だろう。

P9 liteは、文字通りP9をベースとしたライト版モデルで、昨年SIMフリー市場でヒットした「Huawei P8 lite」の後継機。デュアルカメラ機構やキャリアアグリゲーションなどは備わっていないが、その分価格が安く、バランスのいい端末に仕上がっている。

ハイエンドモデル販売の本格化でユーザー層を拡大

ファーウェイの狙いは、各機種の価格から透けて見える。市場想定価格は2万9980円と発表されているP9 lite。15年にP8 liteが発表された時の価格も約2万8600円であったことから、SIMフリースマホの"売れ筋"ともいわれる3万円前後のモデルでボリュームを獲得する狙いがあることが分かる。

だが、よりファーウェイの戦略が感じられるのは、P9の価格だ。発表会では、P9の市場想定価格は5万9800円と発表されているが、16年4月にロンドンで発表された際の価格は、今回日本向けに投入されるRAM3GB、ストレージ32GBのモデルで599ユーロだった。現在のレートで換算すれば約7万円である。日本での価格はそれよりも約1万円安い設定となっている。

つまりファーウェイは、ハイエンドモデルであるP9を、あえて安価に設定することで、積極的に販売しようとしているのだ。同社はすでに中・低価格帯のモデルを多く投入しており、P9 liteを加えたことで、低価格を求める層のラインアップは十分そろっている。そこで、より高い品質と性能を求める人たちに訴求すべく、カメラに強いハイエンドモデルのP9をお得感のある価格で投入するに至ったといえそうだ。

しかもP9は、以前のハイエンドモデルであるMate Sと比べて、ディスプレーサイズが5.2インチと比較的小さい。片手持ちが好まれる日本では売りやすいサイズ感だ。

ZTEは圧倒的なコストパフォーマンスで注目

ファーウェイとは異なる戦略で日本のSIMフリー市場でシェア拡大を狙っているのがZTEだ。同社は16年6月15日に新製品発表会を開催し「Blade V7 Lite」「Blade E01」の2機種を発表した。

Blade V7 Liteは、薄さ7.9mmのアルミボディーに2.5Dガラスを採用。曲面構造で持ちやすさを重視するなど最近のスマホのデザイントレンドを踏襲している。0.3秒で認証可能な指紋認証センサーを搭載しているのも大きな特徴だ。指紋認証センサーにより、アプリや写真などのプライバシー情報もロックできる。また、上下にスワイプすることで写真撮影や音量をコントロールできる機能なども備わっている。

一方のBlade E01は、Blade V7 Liteと近い性能を備えながら、指紋認証センサーなどを省くことでより低価格なモデルとなっている。すでに楽天モバイルからの販売が決まっており、同社としては楽天モバイルで取り扱われる初のモデルとなる。

この2機種に共通する特徴は、価格が非常に安いということだ。Blade V7 Liteは希望小売価格が2万1800円、Blade E01に至っては1万4800円で、発表会でも圧倒的なコストパフォーマンスで大きな話題を集めた。上位のモデルと比べると、カメラやチップセットの性能が低いなどの弱点はあるものの、これだけの低価格でスマホが手に入ることにはやはり驚かされる。

実はZTEは16年3月に、5.5インチディスプレーを搭載したより高性能のモデル「Blade V580」を投入しているが、こちらも希望小売価格が2万7800円と安価だ。

高価格帯に力を入れるファーウェイに対し、低価格帯のラインアップを充実させているZTEは一体何を狙っているのか。

低価格帯で認知度を高めハイエンドモデルの販売へ

それは、先行する米国市場からうかがえる。米国は日本同様、大手キャリアが強い存在感を示しており、SIMフリーの市場があまり大きくない。そうした中でZTEはプリペイド事業者向けの低価格端末を多く提供することでシェアを拡大。現在では、米国市場で4位のシェアを獲得している。

ZTEは日本でも、SIMフリー市場でコストパフォーマンスの高いBladeシリーズを主に投入してきた。それだけに、今回の低価格モデル2機種の投入は、販売を拡大しやすい低価格帯に注力することでまずはシェアを拡大し、メーカーブランドの認知を高めたい狙いがあるといえるだろう。

ただし、その先でZTEが狙っているのは、ファーウェイと同じ高価格帯モデルの販売拡大だ。実際、ZTEは16年5月に中国で新たなフラッグシップモデル「AXON 7」を発表しており、日本でもAXON 7を投入する方針だ。AXON 7は音響技術に力を入れた非常に高性能のモデルで、グーグルのVRプラットフォーム「Daydream」にいち早く対応したスマホでもある。

ZTEは15年にもフラッグシップモデルの1つ「AXON mini」を日本市場に投入しているが、16年はまず低価格帯のBladeシリーズで認知度を高めることで、次に続くハイエンドモデルの販売拡大につなげたいようだ。それだけに、今回発表された2機種の販売をどこまで伸ばし、知名度を高められるかが勝負となってくる。

ファーウェイもZTEも中国の企業だが、日本のSIMフリー市場の拡大を見越してか、日本を重点市場と位置付けている。両社は一見正反対の戦略をとりながらも、将来的には高価格帯でも勝負していくのだろう。今後、他メーカーも含め、SIMフリースマホ市場は競争がより激化し、大きな盛り上がりを見せることになりそうだ。

佐野正弘(さの・まさひろ)
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

[日経トレンディネット 2016年6月22日付の記事を再構成]

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