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信用金庫を辞めた田中仁氏は1987年、24歳で「ジンプロダクツ」を立ち上げる。有限会社「ジェイアイエヌ」を設立したのはその翌年。時に在庫の山を抱え、資金繰りにも苦しみながら、やがて「メガネ」という商材と巡り合う。低価格で高品質を武器にジェイアイエヌは順調に成長し上場もしたが、直後の2008年、存続の危機にも瀕(ひん)する。

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ビジネスを始めてからはこれがあったから一気に変わったということはあまりなくて、小さな壁を一つずつ超えてきたような感じです。大きな受注がキャンセルになった、じゃあ、どうしようか。従業員が辞めた、どうしてなんだろうか、と問題が起きるたびに考えて、対処してきました。

そんななかでも大きな出来事は何かと言えば、やはり、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長との出会いだったと思います。新業態としてオープンした店がうまく行かず、最終赤字に転落した08年。秋には追い打ちをかけるようにリーマン・ショックも起こり、会社はかつてないピンチに陥っていました。

経営方針を決められずに迷っていたちょうどその頃、外資系証券会社のアナリストに相談すると、こう勧められました。「一度、柳井さんに会ってみませんか」。無理だろうと思っていたら、翌日、「アポイントが取れました」と連絡がありました。

忘れもしない、12月24日の午後3時。これという準備もしないまま、ファーストリテイリング会長室のドアをノックしました。

ジェイアイエヌ社長 田中仁氏

ジェイアイエヌ社長 田中仁氏

「どんなお仕事をされているのですか?」

「メガネの事業をやっています」

「御社の事業価値はなんですか?」

「……」

「ミッションはなんですか?」

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