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2015年6月の企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)導入から2年目を迎え、「統治の質」向上がより強く求められている。とりわけ関心を集めるのが「社外」の視点で経営を監視する社外取締役だ。大手企業のトップ人事で大きな役割を担うなど、その存在感を増している。三菱重工業や日本取引所グループ(JPX)の社外取締役を務める一橋大学大学院商学研究科のクリスティーナ・アメージャン教授にその現状を聞いた。

――社外取締役への期待が高まっています。

「日本企業の取締役会は数年前まで、つまらない報告や技術的な説明ばかりの形式的なものでした。『これは大丈夫か』『リスクはどこにあるのか』といったような単なる質疑から、『この事業の戦略の中での位置づけは何か』など、深い議論になってきています。少なくとも私が現在、社外取締役を務めている2社では雰囲気が大きく変わりました」

「社外取締役の役割自体は法律に基づくものですから、この間に変わったわけではありませんが、最高経営責任者(CEO)の考え方が変わってきたように思えます。機関投資家との対話などから、企業統治の重要性が認識されるようになったのでしょう」

社内の"常識"と異なる「社外の目」の重要性

――どのような役割が社外取締役に求められているのでしょうか。

「社外取締役に期待するものは会社によって異なるでしょうが、社内の"常識"とは異なる見方、社外の目から会社を見ることが一番大事ではないでしょうか。社内の人たちはずっと一緒にいて、独自の常識を共有しています。つまり、みんなインサイダーです。コミュニケーションも暗黙知とか、あうんの呼吸とか、そういうものばかり。何もわかっていない社外取締役がいることで、『なんとなく』ができなくなります。これは非常に大事だと思います」

一橋大学大学院商学研究科のクリスティーナ・アメージャン教授

一橋大学大学院商学研究科のクリスティーナ・アメージャン教授

「もう一つ大事なことは、少しずつ話題になってきていますが、トップの指名です。『社長にとって、次の社長を選ぶことが最高の仕事』とよく言われますが、社長退任後に会長となり、顧問になり、最高顧問となって影響を持ち続ける。それは悪いことです。社外取締役などによる指名委員会が社長の考えを受け、『なぜこういう人がいいか』など説明を聞いて選ぶべきです」

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