N
NIKKEI STYLE キャリア
丸の内キャリア塾

須永珠代さん(トラストバンク代表取締役)

須永珠代さん(トラストバンク代表取締役)
2016/7/6

丸の内キャリア塾

当時、ふるさと納税については、制度を使って寄付する人はいましたが、件数はまだ少ない状況でした。情報発信や手続きも自治体によってバラバラでした。興味深かったのは、ふるさと納税を一度利用した人は、翌年以降も寄付を継続するのに対し、利用しない人はまったく使わないという二極化の傾向がみられたことです。

「データベース化」と「マッチング」に工夫

当時は公共データの活用を可能にするオープンデータ化が進められ、自治体の持つデータもその対象でした。自治体のふるさと納税を「データベース化」するとともに、寄付する人をそこにつなげる「マッチング」ができれば、人が集まるサイトになるのではないか、ふるさと納税がもっと利用されるきっかけになるのではないかと考えました。このアイデアがふるさとチョイスにつながりました。

とはいえ、初めからうまくいったわけではありません。ふるさとチョイスを開設した当初は、自分でチラシを作って、関係する行政組織やメディアに配って回りましたが、まったく手応えは得られませんでした。

注目されるきっかけになったのは、マネー雑誌に掲載された小さな記事です。これをみて別の雑誌がその直後にふるさと納税の特集を組んでくれて、そのおかげで知名度は上がりました。その後は今に至るまで、新聞やテレビ、雑誌など様々なメディアの取材を受けています。

ふるさとチョイスでは、寄付者がサイト上で専用の申し込みフォーマットに入力するだけで、クレジットカード決済までを完了するワンストップサービスを提供しています。さらに、寄付を納めた人がその使い道を選べるようになっています。サイトには全国1788自治体すべてを掲載していますが、このうち1027の自治体ではこのワンストップサービスが利用できます。

ふるさと納税を通じ、全国のいろいろな自治体の首長さんや職員さんと知り合えて、各自治体が直面する課題が分かってきました。私たちは、こうした課題にどう取り組めばいいのか、解決策の提示も行っています。

ふるさと納税では、寄付した人に贈るお礼の品の製造を地場産業に発注した結果、地域経済に好影響をもたらした例が多数あります。さらに、移住定住や企業誘致、災害時即時資金調達支援などでも具体的な提案をしています。また、プロジェクトに特化した資金調達である「ガバメントクラウドファンディング」のプラットフォームを提供しており、累計8億6000万円以上を集めました。

有楽町に実店舗開く、自治体が使い道説明

人と人との交流を深めることを狙いとして、7月1日、東京・有楽町に実店舗を開きます。ふるさと納税の仕組みをもっと多くの人に知ってもらう場として活用するのはもちろん、自治体の職員の方にも参加してもらい、寄付金の使途について語ってもらいます。使い道を知ることで、寄付した人の関心がさらに高まると期待しています。

ビジネス書などの書評を紹介
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら