話題の家電ベンチャー 電動バイクに都市型の工夫満載
折りたたみ自転車のようなデザインの、見た目からして軽快な電動バイク「UPQ BIKE(アップキュー バイク) me01」(予想実売価格12万7000円、税別)。造ったのは、激安ながらデザイン性の高い4K液晶テレビやアクションカムで話題の家電ベンチャー、UPQ(アップキュー)だ。「都市生活者の移動手段としての電動バイクには、大きな市場性がある」(中澤優子社長)と考え、参入を決めた。
最大の特徴は、その構造を生かし、簡単に折りたためてクルマにも積めること。旅行先での移動手段として使える他、駐輪スペースのない家でも玄関先などに置けるというメリットがある。これまでの電動バイクは、単純にスクーターを置き換える位置づけのものが多かったが、アップキュー バイクはその利便性から、従来の電動バイクが開拓できなかったユーザー層にも響く製品に仕上がっている。キーを持ってバイクに近づくとロックが解除され、キーを持ったままバイクから離れるとロックされる機能や、メーター下に備わるUSB端子からスマートフォンを充電できるなど、最新の電動バイクならではの工夫もみられる。
全長は1m22cm、重さは18kg。ほぼフレームだけの構造にも見えるが、乗ってみると意外なほどがっしりしていて、特に不安は感じない。日本の原動機付き自転車の法規制に合わせ、テールランプやウインカー、バックミラーなども付いている。実は、似た形状の電動バイクは米国や中国ですでに市販されているのだが、アップキューの製品は日本の法規制に対応している他、使い勝手やデザインを日本向けに大きくカスタマイズしており、ほぼオリジナルといえる仕様になっている。
航続可能距離は約35km、最高速度は時速約30kmと、電動バイクとしての性能は高くない。近所の買い物用など、用途は限定されそうだが、「引き合いが非常に強いため、初回出荷を増やすことを検討中」(アップキューの中澤優子社長)。当初はバイク専門店などが主な販路となりそうだが、自賠責保険などバイク特有の諸手続きへの対応が整えば、アップキューが得意とする家電量販店での販売もありそうだ。発売は2016年7月以降の予定で、一般消費者向けの試乗会も計画しているという。
製品名が「me01」となっていることからもわかる通り、今後のシリーズ展開も視野に入れているようだ。アクションカムなどのデジタルガジェットが売れ行き好調なアップキューだが、下半期以降はこの電動バイクで、本格的な知名度を獲得するだろう。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年7月号の記事を再構成]
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