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団体保険で親の介護に一時金 損保各社が内容拡充

2016/7/3

損害保険会社が販売する団体保険で、従業員の親が介護状態になると保険金を受け取れる特約が増えている。昨秋から金額を増額するなど内容改定も相次ぐ。損害保険ジャパン日本興亜は9月から従業員向けに介護相談サービスを提供する。

親の介護のために退職する人は年間約10万人。その多くは会社の中核を担う40~50代といわれる。事態を重く見た政府は昨年、「介護離職ゼロ」を掲げて課題解決に取り組み始めた。

介護状態になると、自宅に手すりをつけたり、段差を解消したりなどバリアフリー改修の必要が出てくる。有料老人ホームへの入居では入所一時金が数十万~数百万円かかる場合もあり、まとまった費用が必要になることが多い。こうした費用にあててもらうのが親介護補償特約だ。

同特約を付けられるのは、勤務先の会社が保険会社と提携して用意する団体保険。複数の補償を組み合わせて「団体総合生活保険」などと呼ばれる。一般に医療補償を含むことが、親介護補償特約を付加する前提となる。

特約の対象(被保険者)となるのは通常、契約者である従業員本人の親。配偶者も同様に団体保険に加入すれば配偶者の親も対象にできる。親の年齢は84歳までとするところが多く、健康状態の告知が必要だ。

特約の保険料は親の年齢によって異なる。70歳代前半で保険金100万円なら年1万円前後だ。保険金を受け取れるのは公的介護保険で要介護2~3以上に認定され、その状態が一定期間続くときなどだ。保険金は一時金で払われ、100万~300万円。あいおいニッセイ同和、三井住友海上は最高500万円だ。

団体保険ならではの付加サービスもある。損保ジャパン日本興亜は9月から、特約をつけた従業員向けに「介護サポートプラン」として親の見守り、家事代行サービス、有料老人ホームの紹介などを提携企業を通じて割安に提供するほか、介護に不安を抱える人向けに24時間利用できる無料電話相談サービスも用意。「一時金を受け取っても使い方がわからない人も多い。相談体制を充実させたい」(傷害医療業務グループの江頭達政特命課長)という。あいおいニッセイ同和は7月から社会福祉士との個別相談サービスを提供。初回は無料で相談できる。

[日本経済新聞朝刊2016年6月25日付]

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