震災で関電株暴落 分散投資始める

「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。
今回は菟道りんたろうさん(39) 大阪在住のサラリーマン。15年からブログ「アーツ&インベストメント・スタディーズ」運営。

1976年~

 祖父の代から株の長期保有を旨とする家庭に生まれる。誕生からほどなく、祖父から関西電力(9503)株を譲り受けた。たまった配当は親が引き出し、学費などに充てていたようだ。

2006年

 上場企業の株式が電子化されるという。近所の対面証券に証券口座を開き、関電株を銀行の貸金庫から移した。他の個別株にも投資したくなったが、まずは種銭をためんといかん。

08年

 リーマン・ショックが起き、日本株も暴落。投資セオリーではこんな時こそ買い向かえというが、僕には無理や。勤め先の経営が傾いてボーナスはほぼゼロ、基本給も1割カット。リスク許容度はガタ落ちで、生活防衛が最優先に。

11~12年

 東日本大震災が発生。手持ちの関電株が一時、口座移管時の評価額に比べて8割も下落した。さらには無配に転落し、お小遣い代わりだった年数万円の配当がゼロに。あの関電がまさか、こんなことになるとは。集中投資は絶対にあかん。

 とはいえ個別株で分散投資するにはお金がかかる。「敗者のゲーム」を読みインデックス投資に共感したころ、安倍相場が始動。どう転んでも将来のインフレリスクが高まったと確信し、ネット証券に口座を開く。東証株価指数(TOPIX)とMSCIコクサイに連動する上場投資信託(ETF)を数百万円分買う。

13年~

 個人型確定拠出年金(DC)の存在に気づく。企業年金のない僕にピッタリで、インデックス投信の積み立てを始めた。けれどこの手法は驚くほどつまらん。所有する喜びを得るためクラレ(3405)や日本郵船(9101)、米ゼネラル・エレクトリック(GE)など日米の個別株にも投資した。中国ショックで郵船株には含み損が出ているが、何のその。塩漬けが許されるのが個人投資家の強みだ。

[日経ヴェリタス2016年6月19日付]

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