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外資系勤務20年… 英語が全くダメです 作家、石田衣良

日経プラスワン

2016/7/14 日経プラスワン

いしだ・いら 作家。東京都生まれ。2003年「4TEENフォーティーン」で直木賞。ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」(http://ishidaira.com/booktalk/)を毎月第2.4金曜に配信中。

外資系に勤務して約20年にもなるのに、英語が全くダメです。何度か英会話に通ったり、勉強をしたりもしたのですが身につかない。だんだん、仕事で英語を使うことが増えてきて、そろそろどうにかしなければならないと焦っています。(埼玉県・30代・女性)

日本人が生涯逃れられない悩みの種のひとつが「英語」です。超大国・アメリカの国語で、EUの公用語でもある。一説によるとネット上の全情報の半分以上が英語だとか(ちなみに日本語は約5パーセント)。グローバル化時代を迎え、重要度は増すばかり。あれほど学生時代苦労したのに、まるで会話はつかいものにならない。あーあ、もう嫌になる。Formidable=手ごわいなんて単語は、割とすっとでてくるのになあ。

この質問、実はぼくには答える権利がないのです。英語の小説や新聞を読むのはまあなんとかなるけど、ぜんぜんしゃべれないのだ。いざ外国にいくと口から言葉が出てこないという惨劇。ほんとにどうしたら英語はものになるのか。

相談者も外資系企業で20年近く働いて、きっと中間管理職になったのでしょう。そうなると外国人上司と一対一でミーティングしたり、がっつりと会議に出席したりと英語力がさらに求められるようになる。

気の毒なのはこれまでけっこう英会話スクールに通ったりしているところかな。きっと会社からの補助もあったのでしょう。外資系はそのあたりの補助は充実しているからね。それでも効果がないとなると、肩身は狭いし、自分の英語力に深刻な危機を抱くことになる。つらいですね。心中お察しします。

でも、もう逃げられない!

それだけ長く勤めたということは、居心地がいいのでしょう。そこでの自分のポジションを、英語が苦手というだけで失うわけにはいかないですよね。

英会話の教育システムはあらゆる種類が出そろってすでに完成形にあり、どれを選んでもまず間違いはありません。結果を左右するのはあなたの「本気度」と「やる気」のみ。30代後半になり、もう一度英語に苦しむなんて確かにつらいでしょう。けれど、女の一生がかかっているのだ。ここは本気で取り組んで結果を出していきましょう。

もちろん文法は適当で単語の羅列と愛嬌で乗り切るという手もあります。英会話は気合だという人も確かにいる。しかし管理職を任されるようなら、その種の竹やり英会話では、会社員としての将来が限られてしまう。外国人が言葉の力、論理構成力、説得力にうるさいのは、外資系にいるあなたのほうが、ぼくよりよくご存じですね。

人には誰でも本気で闘わなければならないときがくる。今あなたは英語という生涯の好敵手に対しています。恐れず勇敢に闘い、結果を出してください。陰ながら応援しています。

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[日経プラスワン2016年7月9日付]

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