百貨店、訪日客狙い海外サイトで動画アップ中国やタイで店舗サービスや周辺観光紹介

高島屋は中国で人気の俳優を起用(東京都中央区の日本橋店)
高島屋は中国で人気の俳優を起用(東京都中央区の日本橋店)

2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向けて百貨店各社が動画を使ったインバウンド(訪日外国人)の集客に力を入れている。高島屋は中国で人気の日本人俳優を起用し、中国のインターネット大手、騰訊控股(テンセント)のサイトで公開。大丸松坂屋百貨店は店舗周辺の観光名所や靴磨きなど体験型のサービスを紹介する。

高島屋は1年半前からテンセントや「youku(ヨウク)」など中国の5サイトに、日本橋店(東京・中央)や大阪店(大阪市)の商品を紹介する動画を配信。1カ月に1本のペースで、1本あたり7万~8万回ほど閲覧されている。

今春から大阪店の動画の公開ペースを月2本に増やした。また、日本橋店では今月から中国で人気の俳優、矢野浩二氏を起用。「この柱、アンモナイトがいますよ」などと店の建物自体の見どころや、飲食店などを紹介していく。

今までは商品中心だったが「『コト(体験)』を意識して制作した」(日本橋店の永沢律子次長)。今後は動画の公開ペースを上げ、日本の文化や催事、体験サービスなどをまとめていく。

大丸松坂屋は大丸東京店(東京・千代田)で動画を撮影し、5月末から実験的にテンセントで公開を始めた。初回は商品のラッピングや大型商品の包装、靴磨きの3つのサービスを紹介した。

大丸心斎橋店(大阪市)や松坂屋名古屋店(名古屋市)など他の店舗で実施しているサービスや店舗周辺の観光案内などの情報をまとめた動画を作成しており、今月中の公開を目指す。

三越伊勢丹ホールディングスは今春、タイのテレビ局「チャンネル3」でCMの放映を始めた。日本を取り上げるクイズ番組で流れるCMで、伊勢丹新宿本店(東京・新宿)でタイ人家族が買い物を楽しんでいる映像を見せる。伊勢丹バンコクへの来店客を増やすとともに、日本国内の店舗にも誘う。

日本百貨店協会がまとめた4月の全国百貨店売上高によると、業績を下支えしてきたインバウンド向けの売上高が3年3カ月ぶりに前年同月を下回った。1人あたりの購入単価が約6万8000円と15.9%落ち込んだ。

ただ、免税品を購入する人の数は7.8%伸びるなど来店客自体は増えている。訪日回数が増えるにつれて、支出対象はモノから体験やサービスなどのコトへ移ってきており、百貨店各社は動画を通じて様々な魅力をアピールする。

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