使って分かったGalaxy S7 edgeの「ここがすごい」戸田覚のデジモノ深掘りレポート

日経トレンディネット

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各キャリアから夏モデルのスマートフォンが発表され、店頭に並び始めている。僕は先日、購入から2年近くたつ「Galaxy Note edge」を買い換えた。

仕事柄、いろいろなスマートフォンを使うので、なるべく人気モデルを選ぶようにしているのだが、今回も「Xperiaシリーズ」とどっちにするか迷いつつ、「Galaxy S7 edge」を選択した。

ドコモショップの店員さんによると「Galaxy S7 edgeの引き合いが一番多いです」とのこと。もちろん、それだけで選んだわけではなく、個人的にXperiaよりデザインが好みだったからだ。

メーンのスマートフォンとして実際に1週間ほど使い込んだ印象からすごいのポイントとしてまとめて紹介する。

なお、購入に当たっては、発売1週間ほど前に予約している。予約購入すると、ヘッドマウントディスプレー「Gear VR」がオマケでもらえるキャンペーンを実施していたからだ。買えば1万5000円ほどするので、これはお買い得。実は、Gear VRを使いたいというのも、Galaxy S7 edgeを選んだ理由の1つなのだ。製品は7月に届くので、機会があったらまた紹介したい。

大画面なのにコンパクト、派手で美しいボディー

好き嫌いは別にして、Galaxy S7 edgeのボディーとデザインは誰もが「すごいな」と思うだろう。スマートフォンに詳しくない知人に見せると、誰もが「きれいなスマートフォンですね」「派手ですね」といった感想を聞かせてくれた。

確かに、ツヤツヤピカピカで派手なデザインだ。前面と背面がガラス、その下のピンクゴールドの部分は金属のような質感で、角度によって色が変わって見える。はっきり言って、この派手さは好みが分かれると思うが、それでも美しい仕上がりだ。

細部の完成度も文句なし。細かく見ていっても、これといった欠点は見当たらない。さすがは、サムスンの最高級モデルといえる。

Galaxy S7 edgeは、今期のサムスンのフラグシップモデルだ
ピンクゴールドといっても、角度によってはかなり黒っぽく見える

細部の完成度も完璧で、iPhoneシリーズに勝るとも劣らない出来

質感やデザイン以上に感激したのがサイズだ。ディスプレーは5.5型なのに本体はとてもコンパクトにできている。同じ画面サイズのiPhone 6s Plusと比較すると、iPhone 6s Plusが158.2×77.9×7.3mm、192gなのに対し、Galaxy S7 edgeは151×73×7.7mm、158gとなっており、厚み以外はすべてGalaxy S7 edgeの圧勝だ。実際に手にしてみると、サイズの違いがよく分かる。Galaxy S7 edgeはかなり持ちやすく、手になじむ印象だ。

iPhone 6s Plus(右)と比べて一回り小さい
Galaxy S7 edge(左)のほうが少し厚いが気にならない程度だ

ただし、液晶のサイズにはちょっとしたマジックがあると思う。ディスプレイの大きさは、対角線の距離をインチで表しているのだが、Galaxy S7 edgeは本体の両脇が丸みを帯びている。そのため、正面から見たときの画面サイズは、iPhone 6s Plusなど、普通の平面タイプのモデルより小さく見えるのだ。

バッテリー3600mAh、急速充電やワイヤレス充電にも対応

バッテリーは3600mAhという大容量だ。一般的なスマートフォンのバッテリーは2000~2500mAh程度。前モデルのGalaxy S6 edgeは2600mAhだった。バッテリーの大容量化は最近のトレンドになっており、ZenFoneシリーズには、5000mAhのバッテリーを搭載する「ZenFone MAX」も登場している。

バッテリーの容量は基本的には容積と比例するため、大容量になるほど本体も大きくなるのが常だ。Galaxy S7 edgeは、非常にスリムでコンパクトなボディーに3600mAhという大容量を搭載しているのがすごい。各社共に、いろいろな省電力機能でスマートフォンのバッテリー駆動時間を延ばそうとしているが、やはり、劇的に効くのは容量のアップなのだ。

僕は、深夜3時ごろに起きて釣りに出掛け、16時ごろに戻ることがある。以前使っていたGalaxy Note edgeは、帰りにはバッテリーが3~4割程度に減っていたが、ほぼ同じ設定でGalaxy S7 edgeを利用してみると、8~9割は残っていて驚いた。釣りをしている間はスマートフォンをほとんど使わないとはいえ、ずいぶん持ちがいい。日常的な使い方では、朝から使い始めて昼過ぎの段階で7割以上は残っている。

急速充電にも対応しており、別売のACアダプターを利用すると110分でフル充電になるという。アンカーの急速充電対応バッテリーやACアダプターを利用すると画面に「急速充電中」と表示され、確かに短時間で充電できる。こちらも慣れてしまうと、もう従来の充電には耐えられなくなる。特に外出先でモバイルバッテリーを使っているときなどは、短時間で満タンになるのがうれしい。急速充電への対応はこれからスマートフォンを買うならチェックしておくべきだろう。ちなみに充電パッドがあれば、ワイヤレス充電もできる。

ワイヤレス充電に対応しているので「qi」のロゴが付いている
このときは1時間9分で65%を充電できると表示された

カメラは納得のレスポンス、有機ELは発色がキツい

Galaxy S7 edgeは、カメラ機能にも相当にこだわっている。一眼レフのようなデュアルピクセル技術を採用し、オートフォーカスが高速になっているという。確かに素晴らしいレスポンスで気持ち良く撮れる。iPhone 6s Plusに比べても、明らかにテキパキとしている。ただiPhone 6シリーズあたりで、もう十分にオートフォーカスは高速になっていると思う。そこに不満を感じているユーザーは多くないだろう。

実際に撮影してうれしいのは、F値1.7の明るいレンズと、ピクセルサイズの大型化で暗い場所での撮影に強くなったことだろう。薄暗いシーンで、適当に写してもかなりきれいに撮れる。

さて、今回は手元にあるiPhone 6s Plusと比較してみたが、普通に撮った写真は、僕の印象では引き分け。後は好みの問題だと思う。ただし、暗い場所での撮影ではGalaxy S7 edgeのほうが幾分きれいに撮れるように思った。

逆に、スマートフォン上での表示では、個人的にはiPhone 6s Plusのほうが自然で好みだ。Galaxy S7 edgeの有機ELディスプレイは、とにかく発色が良くて鮮やかなのはいいのだが、写真を見るには派手過ぎるのだ。もちろん、これも好みの問題だ。

明るい昼間に花を撮影した。これはGalaxy S7 edgeによるもの
iPhone 6s Plusで撮影したもの。違いはあるが、どちらも美しい。下手なコンデジ顔負けであることは間違いない

Galaxy S7 edgeで撮影
iPhone 6s Plusで撮影

かなり暗い部屋で本棚を撮影。Galaxy S7 edgeのほうが明るく撮れているし、明らかにノイズが少ない
iPhone 6s Plusで撮影

一番明るい電球に明るさを合わせて撮影。Galaxy S7 edgeは、背景もいくぶん写っている
iPhone 6s Plusで撮影

戸田覚(とだ・さとる)
1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。

[日経トレンディネット 2016年6月2日付の記事を再構成]