安藤さんも、即席めんの発想に至るまで、試行錯誤の連続でした。栄養食品に食用カエルを使おうとして、圧力釜で爆発させたこともあると知ったときには驚きましたが。プレゼンテーションでは、まるで一気に思いつきました、というような感じになってしまいます。質問をする人も、その一瞬だけを切り取った答えを求めたがるんですよね。僕自身も、ついついそこは説明しないで、済ましてしまう。

表には出なかったとしても、目の前のことを一つ一つこなしていく道のりこそが本質なのではないかと、改めて思いました。意味がないと思ったり、本当に未来につながっているのかと思ったりするときは、仕事をしているとたくさんあると思う。その時に、いかに「自分事」にして向き合っていくのか。少しずつ進んでいることを、実感できるかどうか。投げ出したり諦めたりしたくなってしまうところを、粘り強く諦めない。その力を安藤さんの履歴書から学びました。

(聞き手は雨宮百子)

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