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オリンパス「PEN-F」、やりすぎボディーに陥落

落合憲弘の「へそ曲がりデジカメ生活」

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NIKKEI STYLE

日経トレンディネット
今回のお題は、オリンパスのミラーレス一眼「OLYMPUS PEN-F」だ。撮像素子をシリーズ初の2000万画素に高画素化しつつ、クラシックな印象を高めるダイヤルを多く配置した外観が特徴的な高性能モデル。落合カメラマンは、当初PEN-Fのデザインを見て「やりすぎでは……?」と否定的な印象を受けたという。しかし、上位シリーズ「OM-D E-M1」とは違った絵作りに高い評価を下してから全体の印象も変化した様子だ。

オリンパスとしては「白(シルバー)ボディー推し」なんだろうか。同社のホームページを見ている限りはそんな感じがするんだけど……。たぶん偶然なんだとは思うが、編集部経由でお借りしたPEN-Fも白ボディーだった。んで、第一印象はハッキリいってあまりよくなかった。でも、結果的に自腹買いすることになっている。どうして? 遠慮せずにアレコレ文句を言うためさっ!

……あ、えーと、購入に踏み切った言い訳としては、これ、チト弱いか?

ちなみに、私が買ったのは黒ボディー。白のPEN-Fは、塗装の関係なのか、上カバーの質感がせっかくの素材を活かしきれていない(不本意にも樹脂っぽく見えてしまうことがある)ように感じたからだ。その点「黒」の質感は、「白」のなんと3倍増し!(個人の印象です)。そしてさらには、「黒」のPEN-Fは、上カバーに刻印されている「PEN-F」の文字が、同じく刻印文字になっている電源「ON/OFF(および位置を示すライン)」の真っ白とは違うちょっとグレーがかった文字色になっているところも、ジツはナニゲにお気に入りだったりするのです。

クリエイティブダイヤルがカスタマイズできれば……

なにゆえ第一印象がイマイチだったのかといえば、「こりゃヤリすぎでしょー」ってなことを思ったから。「装飾過多」とでも申しましょうか、「超魅力的な見た目」に惹かれてしまう思いと「でも"プロっぽい"よね」という醒めた分析のせめぎ合いを生じさせるところが、この手のカメラに備わっていて欲しい「普段着っぽさ」とは対極にあると感じてしまったのが一番の原因だ。

ここでいう「プロ」は、「職業写真家」ではなく「業務遂行のためにいろいろな意味で作り込まれているさま」を表している。あえて例えるなら、よい意味での「超売れっ子キャバ嬢」みたいなものだ。そして、機能優先の結果としてのデザインや操作系ではなく、「○○ふうに……」「○○のテイストを……」という狙いが先に立っての仕上げであろうことが、そこはかとなく(あからさまに?)ニオってくるところに、何というか、チョイとばかりザラッとしたものを感じてしまったということである。

例えば、ボディーの前面でPEN-Fのアイデンティティを示す役割も担っている(との印象が強烈な)クリエイティブダイヤル。これって、「どうしてもこの場所で画像の仕上がり設定がコントロールできなければならない」という必然の事情で設けられたものなのだろうか。

写真に関わる新たな楽しみをより積極的に提案・提供するための「手軽に切り替えができる画像仕上がり設定」であることは重々承知も、あの特等席にある(と同時にカメラを構えているときには右手指の邪魔になることもないとはいえない)渾身のダイヤルが、カラー&モノクロのプロファイルコントロールやアートフィルターの切り替え・設定だけにしか使えないというのは、あまりにもPEN-Fというカメラのキャラクターを限定しすぎているように思う。いや、もっと単純に「それにしか使えないのはもったいない」といってもいい。

例えば、クリエイティブダイヤルの機能が「1m、3m、5m、10m、∞のピント固定」とか「MF、S-AF、C-AFの切り替え」「AF測距点のオールターゲット、シングルターゲット、スモールターゲット、グループターゲットの切り換え」などに変更できるようになると同時に、モードダイヤルの手前(ボディー後面の上端部分)にある「レバー」の静止画撮影時の操作が他の機能に転用できるようになっていたとしたら……PEN-Fに対する印象はぜんぜん違ってくると思う。少なくとも、撮影現場で仕上がりの色傾向をいじったりハイライトやシャドーの再現性を変更するなんていう「勇気」を持ち合わせておらず、でも常日頃から優れたスナップカメラを追い求めて止まない私は、正直そう感じることになったのである。

シャープさこそE-M1に譲るが、仕上げや処理はPEN-Fのほうが好印象

新センサーの生み出す画像は、既存のモデルとの比較では、被写体によってその印象が異なるように感じた。例えば、さほど近くはない場所にある人工物をOM-D E-M1と撮り比べてみると、PEN-Fの仕上がりは「画素数が増加したぶん画像を単純に拡大した感じ」に見えることがある。つまり、細部の再現に少々の曖昧さを感じさせる(一見したシャープさはE-M1の旧型センサーの方が上であるように感じられる)ことがあるのだ。

しかしこれは、E-M1の仕上がりに見られる「APS-Cやフルサイズと比較しても解像感では負けませんぜ!」という、ある種の力みのようなもの(シャープネス重視の画作り)が排除された「より自然な描写」であるとも受け取ることができる。実際、木の葉が写り込む遠景の描写などは、自然な立体感が巧みに表現される非常にハイレベルなものだった。目を皿のようにして比較すれば、解像度(画素数)が増えているぶんの解像力向上もちゃんと確認できる。というワケで、この画作り、個人的にはかなりの好印象なのである。

高感度での仕上がりも同様の印象だ。ISO6400まではE-M1とほぼ同等の仕上がりを見せつつも、一見したシャープさはエッジの立ちが明確なE-M1が勝る。でも、高感度ノイズを含んでいる部分のボケ再現は、ボケの中にある輪郭がギョワギョワになってしまうことのあるE-M1よりPEN-Fの方が明らかにナチュラル。ISO12800でシャドーにマゼンタが浮いてくるE-M1に対し、PEN-FはISO25600まで色再現に揺れを感じさせにくいなど、総じて新しいPEN-Fの方が画像処理は巧みであると感じることになっている。

PEN-Fのデザインに加え、付属の小型フラッシュにもイチコロ

さて、なんだかんだいいつつも自腹買いしてしまったのはなぜなのか? よくよく考えてみると、装飾過多だのナンだとはいいつつも、まずはその姿形がカッコ良かったから……という「お恥ずかしいハナシ」から目を背けるワケにはいきそうにない。見た目から入ったのも、ココだけのハナシ決して決して間違いではないのだ。さすがはPEN-F、客を"落とす"手腕には長けていたよーです。もうイッパツでイチコロっすよ~。

素速くON/OFFできないことからとてもイヤだった電源スイッチの位置も、今まさに撮影態勢に入っていますの「ON」と、今はあまり撮る気がないから……の「OFF」なのだと捉えれば、日常生活で「オンとオフ」の使い分けがほとんどできなくなっているフリー生活およそ30年の我が人生にはあり得ない「けじめ」がそこに生まれるから心地よいという、なんだかよくわからない理由で受け入れようとしていたりする。いやはや、これじゃあ悪女に籠絡される男そのまんまやないですかぁー(笑)。

過多であると感じるのは、まあるいダイヤルがゴロゴロ並ぶ操作系もそうなのだけど、まずは何より機能と操作系のコンビネーションに感じられる無理強いに対してである。単純にカッコだけを見るならば、あるいは基本的な使い勝手や仕上がりを見るならば、PEN-Fはけっこう(というか、かなり)イケてるのだ。格好が良い、画質が良い、周囲からのウケが良い……きっかけが何であっても、自分が「良い」と感じているカメラで撮った写真は概ね仕上がりも「良い」のがこの世の常。カメラにだまされているのだとしても、たとえ一時の気の迷いであったとしても、良い写真を撮るためにはカメラと被写体に「ほれる」ことが大切なんだよ。うん、そうに違いない違いない違いない(←なんだか必死ww)。

そうそう、同こんの小型フラッシュ「FL-LM3」が、ちっちゃいくせに上下左右のバウンス機能を持っていてメッチャかわいいのもPEN-Fを気に入っている理由のひとつ。つけっぱなしにしておきたくなっちゃうぐらいカワイイのである。この「連れ子の可愛さにも心を奪われる」に近い気持ちのなびき方には少々ヤバイものを感じつつ、「E-M1にも使いたいなー」などと思ったりしたのだけど、「FL-LM3」って現状PEN-F以外ではE-M5 Mark IIとE-M10 Mark IIにしか対応してないのね……。同こんのフラッシュもナニゲに進化(というかモデルチェンジ)し続けていたよーでして。ハイ、いろいろベンキョーさせていただきましたっ!

落合憲弘(おちあい・のりひろ)
プロカメラマン。街中スナップ大好きのしがない写真撮り&物書き。生まれながらの天の邪鬼。もともと機材関係には興味がなく、そもそもカメラにもこだわりはなかったハズなのだが、デジカメ時代に突入してからは「より自分にピッタリの一台を追い求める」という都合の良いイイワケのもと、年間5~10台のデジカメを購入するハメに陥りつつ、青息吐息で現在に至る。だが、カメラ好きではなく写真好きを自認。加えて、クルマにもチトうるさいと自分では思っている。カメラグランプリ2016選考委員。

[日経トレンディネット 2016年5月20日付の記事を再構成]

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