統計学で分析、仕事運がいい人の特徴は「○○が多い」

2016/6/14
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日経ウーマンオンライン

私も含めて、多くの女性は「運」を意識することは多いのではないでしょうか? 最近のパワースポットブームや占いブームを見ても、その動きが見てとれるかと思います。今回は、「運」の中でも「仕事運」を上げるためのヒントを、科学の世界、特に統計学の視点から考えた研究からご紹介していきます。

仕事運といっても、人によって様々な定義があるでしょう。 例えば、自分がどうアクションをすれば、給料の源泉である勤め先の企業業績が改善するのか、どうしたら自分が参画しているプロジェクトが早く終わるのか…。これらは、経済学の中の統計的手法を用いれば、何かしらの分析結果は出せるでしょう。ただ、それらの分析に使うための細かいデータを含んだビッグデータ取得は非常に難しいものです。

大量データから読み解く仕事運がいい人とは?

先日、ビッグデータを活用した文献に出会いました。日立製作所中央研究所の主管研究長を務める矢野和男氏の著書『データの見えざる手』(草思社)です。著者の矢野さんは、ビッグデータブームが来る10年以上前から、こうしたデータ分析をされている方です。彼は、自分を含める関係者に、ウエアラブルセンサーを着けてもらいました。最近では、アップルウォッチや、ブレスレット型の歩数・脈拍等を測るツールがたくさんありますが、それに類似するようなセンサーを関係者に着けてもらったのです。

そして、そこから得られた膨大なデータを基に、仕事運がいい人の特徴を実証しました。

ここでいう仕事運がいい人というのは、仕事の遅延が少ない人や問題解決能力に長けている人を指しています。要するに「仕事ができる」とされる人を分析したのですね。

では、どんな人が仕事運がよかったのでしょうか?

仕事運がいい人は○○が多い人でした

答えは、「知り合いの知り合いが多い人」でした。

理由は、自分の友人や知り合いが少なくても、その友人や知り合い達が、さらにその先の友人や知り合いの数が多いと、知恵を借りられる確率が高くなるからなのです。

当たり前といえば当たり前ですが、仕事は一人ではできません。壁にぶつかったときは、友人や知り合いに相談します。もちろん、そうやって答えが見つからないことはたくさんありますが、その友人が「じゃあ、私の仕事仲間に聞いてみるよ!」と協力してくれたことはありませんか? 知り合いの知り合い、そのまた知り合い……とつながることで仕事の壁を乗り越えた経験って、働く女性は少なくないと思います。

社員が仲が良いとプロジェクトはうまく進行する

矢野和男氏の研究では、ウエアラブルセンサーによって社員同士が社内の中で誰にどう会っているかのデータを取得して、分析しています。社員同士がコミュニケーションを頻繁にとっている企業では、社員同士の繋がりがあり、プロジェクトの開発遅延が少ないなどの傾向が見られたのです。

人のつながりをどう広げ、紡いでいくかが、私たちの仕事運、さらには企業価値に大きく影響していそうです。

仕事運とは出会いを生かせた数に比例している

情報は、情報をたくさん持っている人のところに集まるなんて聞きますが、あながち嘘ではないようです。そう考えると、少しめんどくさいなぁと思うような、会社行事やイベントを行うのは一理あるのかもしれませんね。また、社内でコミュニケーションを円滑にするための施策を行っていることは決してムダではなさそうです。

「運」とは「運ぶ」と書きます。その運を運んでくれるのは、知り合いであり、その先の知り合いである。そして、そうした知り合いの輪を広げていくには、出会う機会を増やすことでしょう。

仕事運というのは、出会いの数に比例しているのかもしれません。やみくもに人に会うのはおススメしませんが、私も「なんだかしんどいしなぁ……」なんて言わずに、心改めて、人とのつながりを広げに行きたいと思います。

崔真淑(さい・ますみ)
 マクロエコノミスト。Good News and Companies代表。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。化粧品会社エイボン・プロダクツ社外取締役。1983年生まれ。神戸大学経済学部、一橋大学大学院(ICS)卒業。大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)では株式アナリストとして活動し、最年少女性アナリストとして株式解説者に抜擢される。2012年に独立。経済学を軸にニュース・資本市場解説をメディアや大学等で行う。若年層の経済・金融リテラシー向上をミッションに掲げる。

[nikkei WOMAN Online 2016年6月1日付記事を再構成]