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他社との会議は、なかなか緊張を強いられるはずのものです。しかし、NK商社スタッフのサリーは何か嬉しそうです。中田さんが打ち合わせに参加することが、サリーの機嫌のよさの理由のようです。伊藤君、なかなかするどい勘で、サリーの気持ちを言い当てます。特に隠すこともなく、サリーは、打ち合わせが楽しみであることを告げます。

皆さんは、サリーのように期待する胸のうちを、率直に表現できますか?

イラスト Dセイン

イラスト Dセイン

Part 1
Ito: You look like you're in a good mood today.
Sally: I am. I can hardly wait for the meeting with Bluesky Motors tomorrow.
 Ito: Not me. I dread those meetings.
Sally: Why? Don't you enjoy the meetings?
 Ito: Well, it depends on who's there.
Sally: Yeah, it makes all the difference. But tomorrow, Nakata-san is going to be there.
 Ito: Oh, now I get it.
Sally: What are you implying? Our relationship is purely professional.
 Ito: Are you sure about that? You're always looking at him.
Sally: Well, I have to say, he is just my type.
 Ito: Just as I thought.
Sally: The meetings are boring, but when I know he's going to be there, I always have something to look forward to.
【対訳】
 伊藤: 今日は機嫌がよさそうですね。
サリー: そうよ。明日のブルースカイ・モーターズとの打ち合わせ楽しみだわ。
 伊藤: 僕は違いますね。その打ち合わせはびくびくものですよ。
サリー: 何故? 打ち合わせが楽しくないの?
 伊藤: まあ、誰が出席するかによりますけどね。
サリー: ええ、それは大違いよね。でも、明日は中田さんが出席するでしょう。
 伊藤: ああ、それで分かりましたよ。
サリー: 何を言いたいの? 私たちは純粋に仕事上のことだけよ。
 伊藤: それって、本当ですか? いつも彼を見ていますよね。
サリー: まあ、確かに彼は私のタイプだけど。
 伊藤: やっぱりね。
サリー: 打ち合わせは退屈だけど、彼が参加することが分かれば、何かを期待してしまうのよ。

解説)

in a good mood: 機嫌がよい、調子がよい

I can hardly wait for: とても待ちきれない、楽しみにしている

* can hardly…: とても~できない

dread: 恐れる、心配する

… it depends on who's there.: 誰が出席するかによる

* it depends on: ~次第である、~による

make all the differences: 大違いである

What are you implying? : 何を暗示している/ほのめかしているの? すなわち「何が言いたいの?」ということ。

*imply: 暗示する、ほのめかす

I have to say…: ~と言わなければならない。この場合は「確かに」の意味合い。

Just as I thought.: 私が思った通りである、すなわち「やっぱりね」。

I always have something to look forward to. : 直訳すれば、「いつも期待することが何かある」、すなわち「いつも期待してしまう」の意味。

Part 2
Sally: Well, that was a good meeting, don't you think?
 Ito: Yeah, everything went as planned. Should we exchange notes before we report to Mr. Tanaka?
Sally: Okay, sure. The main take-home is that Bluesky Motors is willing to sign a ten-year contract.
 Ito: Yeah, Mr. Tanaka will be awfully glad to hear that. I'm looking forward to telling him about it.
Sally: I think we need to set up a regular weekly meeting with them to maintain good communication.
 Ito: Okay, I'll volunteer to be the liason.
Sally: Don't you dare! I'm going to do that!
 Ito: Oh?! Okay, say hi to Mr. Nakata for me.
【対訳】
サリー: ねえ、とてもよい打ち合わせだったと思わない?
 伊藤: ええ、すべて予定通りでしたね。社長に報告する前に、ノートを交換しませんか?
サリー: ええ、もちろん。最も重要なことは、ブルースカイ・モーターズが10年契約をしてもよいということよね。
 伊藤: ええ、社長は、それを聞いたらすごく喜ぶでしょうね。報告するのが楽しみだなあ。
サリー: あちらと十分な意思疎通をしていくために、定期的に週一回の会合を設定する必要があると思うんだけど。
 伊藤: そうですね。僕が連絡係に手を挙げますよ。
サリー: それはダメよ! 私がやるわよ。
 伊藤: ええっ?! はいはい、分かりました。中田さんに僕からよろしくと言ってください。

解説)

take-home: 大切なこと、重要なこと

*「家に持ち帰って考えるべき大切なこと」から「重要なこと」の意味になります。

a ten year contract: 十年契約

I'm looking forward to telling him about it.: そのことについて彼に言うのが楽しみだ。

*be looking forward to…: 「~を楽しみにしている」。~に入るのは名詞、あるいは動名詞

*look forward to…も同意語であるが、ややフォーマルなニュアンスになる。

liason: (仏)組織間の連絡係、調整係

volunteer to: ~をすると自発的に申し出る。この場合は「~に手を挙げます、自分がやります」の意味。

Don't you dare!: それは、だめよ! やめてちょうだい!

* 話し手の強い気持ちを表すフレーズ。

Say hi to…: ~によろしく言ってください。

* Say hello to…も同意フレーズ。またフォーマルな場面ではPlease give my best regards to… のように言うこともできます。

セインのビジネスひと口メモ

ビジネスでは、共に働く人が過去の話ばかりする暗い人であるか、その反対に未来を志向し、前向きな明るい人であるのかは、こちらにとっても大きな違いになります。一緒にいると、何故かやる気をそがれたり、こちらも元気がなくなってしまう人がいます。そのような人を英語ではEnergy vampire と言います。このvampire吸血鬼は、血ではなく、相手からエネルギーを奪ってしまう人という意味になります。

日本のビジネスの特徴は、何かにつけて「反省会」をすることです。悪かったところを見直すという意味では未来を志向しているというイメージが湧いて来ません。アメリカではこのようなミーティングはあまりないので英語の適訳がありません。敢えて言うなら、review meeting でしょうか。

アメリカでは、Let's exchange notes after the meeting. 「打ち合わせが終わったら、お互いのノートを交換しましょう」と言って、打ち合わせ内容を見直すことになります。

You can and you will!

:D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は6月16日の予定です。
デイビッド・セイン(David Thayne)
米国出身。累計売り上げ部数350万部の著作を刊行してきた英語本のベストセラー著者。英会話学校経営、翻訳、英語書籍・教材制作などを行うクリエーター集団「エートゥーゼット」(www.smartenglish.co.jp)の代表を務める。日本で26年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまでに教えた日本人は数万人にのぼる。日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発している。
 東京・文京区のエートゥーゼット英語学校の校長を務めるとともに、英会話教育メソッド「デイビッド・セイン英語ジム」(http://www.david-thayne.com)の監修も行っている。主な著書に、「チームリーダーの英語表現」(日本経済新聞出版社)、「ネイティブが教える英語の語法とライティング」(研究社)などがある。

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