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超高音質に好デザイン オーダーメードイヤホンの魅力

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衣類をはじめ、身に着けるアイテムにはさまざまなサイズがある。上着ならS/M/Lを基本としてレディースサイズやオーバーサイズがあり、靴ならば0.5cm単位で使用する人に合うようラインアップされる。

イヤホンも同様だ。イヤーピースという、イヤホンと耳とをつなぎ合わせるパーツのサイズを変更すると、装着感が大きく変わる。サイズが小さければ音漏れが多く外れやすくなるし、サイズが大きいと耳穴に負担がかかる。

そこで普通のイヤホンはS/M/Lサイズのイヤーピースを同こんしている。また、フィット性を重視したイヤホンはSM、MLサイズを取り入れた5サイズ、ないしは基本3サイズ+別素材のイヤーピースを複数サイズ用意している。

しかしこれでも、うまく耳にフィットしないことがある。というのも人間の耳穴のサイズは人によって差があるし、左右の耳穴の大きさが異なるケースも多いからだ。

元パイオニアの開発者がベンチャー設立

いま、イヤホンの世界では、オーダーメードスーツのように、個人の左右の耳穴のサイズや形に合わせてハウジング(シェル)を作る、オーダーメードなカスタムIEM(インイヤーモニター)が流行りつつある。

もとはプロオーディオの世界で生まれたカスタムIEM。誰でも使える一般的なイヤホンと比べると高価だが、耳穴へのフィット性の高さと、原音をあますことなく伝える魅力にとりつかれた人が増え続けている。

カスタムIEMは、一つひとつ手作りのために10万円を超えるモデルも多い。しかし埼玉のメーカー、カナルワークスは5万円台から好きな仕様のカスタムIEMを制作してくれる。

同社を立ち上げたのは林一博氏だ。大手オーディオ機器メーカー、パイオニア出身のエンジニアで、1980年代にデジタル処理して音場を拡張するDSPの開発に携わり、ミニコンポとして名をはせた「Private」シリーズの設計も手がけてきた。

オンキヨーの「ESSAY」、ケンウッドの「ROXY」、ソニーの「Liberty」、パナソニックの「コンサイス」、日立製作所の「Lo-D」などなど、当時のミニコンポといえば、各オーディオメーカーが覇権を争っていた商品群だ。

そのなかでもPrivateシリーズはいち早く小型モデルをリリースしたり、パイオニアが得意としていたレーザーディスクとCDの両方を再生できるコンパチブルプレイヤーを搭載したモデルも発売していた。

しかしバブル経済の破綻、衰退と共に、オーディオ機器は売れなくなっていく。そして2000年以後、メモリーを用いたポータブルオーディオのムーブメントがおき、2003年、林氏は新たな音楽リスニングの可能性を求めるエニーミュージックに出向する。

エニーミュージックはオンキヨー、ケンウッド、シャープ、ソニー、ディーアンドエムホールディングス、パイオニア、日本ビクター、ヤマハが出資した音楽配信サービスで、いわばiTunes Storeの対抗馬的な存在だった。

オーディオ機器の開発・設計から、オーディオビジネスの世界へと足を踏み入れた林氏は2005年、一つのイヤホンと出会う。

「それが米国の企業、Ultimate Earsの『UE5Pro』というイヤホンでした」(林氏)

低音を鳴らすウーファーと高音を鳴らすツイーター、中~高域の再現力が高く原音に忠実な再生が可能なバランスドアーマチュアドライバーを2WAYで搭載したUE5Proの音は圧倒的だった。

「スタンダードなイヤホンでは聴こえなかった音が聴こえてくる。確かに価格も高かったのですが、ポータブルなシステムでここまで音楽性を感じさせる世界があるのかと衝撃を受けました」(林氏)

そして、林氏はミュージシャンがステージ上で使うカスタムIEMというイヤホンがあることに気づく。

従来、ライブステージでは、自分の声や楽器の音を聞き取るためのスピーカーがステージ前方に設置されていたが、メロディやバッキング(伴奏)の音はメインスピーカーから繰り出されるベースやドラムといった音に隠されがちだった。

しかし、耳型に合わせて作られたカスタムIEMは遮音性が非常に高く、またぴったりとフィットして激しく動いても外れないことから、プロミュージシャンやサウンドエンジニアの間で人気が高まっていく。本来カスタムIEMは、特殊な現場の必要に応じて考案された、業務用製品からスタートしている。

イヤホンの開発を手がけたことはなかったが、「今後、もっとポータブルオーディオのムーブメントが進化するだろう。カスタムIEMなら、轟音(ごうおん)が渦巻く地下鉄駅構内でも『リスニングルーム』になりえるのでは」とカスタムIEMの可能性を感じた林氏は2009年にパイオニアを退社。2010年にカナルワークスを設立する。

同社はベンチャー企業として設立されている。「カスタムIEMは一つひとつ手作りするため、大量生産に向いたアイテムではない」という林氏による考えの表れだ。

「音楽を聴く」ためのカスタムIEM

カスタムIEMを作るメーカーは増え続けている。しかしカナルワークスのアイテムは高い評価を得ており、リピーターも多い。その人気の秘密といえるのが、音楽ジャンルに合わせた商品群だ。

比較的安価なシングルドライバー機の「CW-L01」(税込み5万7240円)は繊細なトーンでアコースティック向け、「CW-L02」(5万7240円)はダイナミックなトーンにまとめてロック・ポップスにもマッチする。

フルレンジBA(バランスド・アーマチュア)ドライバー4機を搭載した「CW-L05QD2」(11万8000円)は低域から高域までスムーズな発音かつ余裕のあるサウンドが魅力。大編成のクラシックも美しく鳴らしこなす。

2Way2ドライバーの「CW-L10」(7万9920円)は低域のスケール感が強まっており、ロックとの相性に優れている。サブウーファーがあるような塊感のある低域を奏でる3Way5ドライバーの「CW-L33BB」(11万8800円)はダンスミュージックに最適。全帯域で高解像かつボーカルの存在感を強めている3Way4ドライバーの「CW-L32V」(10万8000円)はハイレゾブームをけん引しているアニソンともマッチングに優れている。

「マルチウェイ・多ドライバーで高価なアイテムこそが上級、ではないんです。音楽ジャンルごとの魅力を上手に引き出すための構成が重要なんです」と、林氏は語る。だからこそ、一度カナルワークスの音を味わってしまうと、他の商品も欲しくなるのだろう。

カラフルな外観も魅力

カスタムIEMは、一部の耳鼻科や補聴器ショップ、カスタムIEMを扱っているオーディオショップでユーザー一人ひとりの耳型を採取し、その形に合わせてシェルを製造する。

プロミュージシャンがステージという現場で使うことが大半だった2000年代は、装着しているのがオーディエンスに見えないようにと、肌色のシェルにすることが多かったという。しかし現在は、シェルやフェースプレートの色や柄もオーダーできるのが特徴となっている。

カナルワークスの商品も同様だ。シェル・フェースプレートのカラーは基本25種類。さらにフェースプレートにエンブレムをあしらったり、カーボンやメタル、プリントアートワークを挿入できる。左右のカラーを変更するといったオーダーもできる。

好きなカラーにするもよし、アクセサリー風に仕立てるのも自由自在。自分だけしか装着できない、自分専用のプロダクトになるからこそエクステリアのデザインにもこだわりが生まれる。

カナルワークスの立ち上げ当初、製品を購入するのは、男性ユーザーが中心だったという。しかし近年はオーディオ系イベントへの出店時に「あ! カスタムIEMだ!」と言ってブースに寄ってくれる女性も増えてきたそうだ。

ファッショナブルな外観やオーダーメード品ということも含め、カスタムIEMは今後イヤホン市場の台風の目となる可能性を秘めている。

(ライター 武者良太)

[日経トレンディネット 2016年5月12日付の記事を再構成]

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