今月は6月。ジューンブライドという言葉もありますから、マネーハックのテーマも「結婚」としてみたいと思います。
結婚を決意するというのは人生の大事な選択のひとつですが、それは出会いと幸せの問題であって、お金の問題とは関係ないと思う人もいるかもしれません。そこにマネーハックの余地はあるのでしょうか。
恋は盲目というが……
結婚する相手をみつけ、一緒に暮らし始めたとき、愛情と幸福感がすべてを覆い隠し、世の中も幸せに見えてきます。
朝日を見ても、スズメの鳴き声を聞いても幸せな感じがしますし、知らない老夫婦の散歩姿にも自分たちの幸福な未来予想図を重ねてしまいます。
しかし、恋は盲目という言葉もあるように結婚をするとき、私たちはある意味目がくらんでいる状態にあります。
自覚することは難しいと思いますが、自分は今、世の中を客観視できていないということは努めて自覚するべきです。
そして、お金の問題を考えたとき、目がくらんでいる状態ほど危険なことはありません。
お金は結婚後の大問題になる
マネーハック的にいえば、「結婚は愛情の問題ではなく、お金の問題」です。
結婚をして何年かたてば、愛はいつかは冷める(というか落ち着いて「日常」になる)でしょうが、日々の生活は続いていき、それはお金の問題になってきます。
そもそも、二人で暮らすという家庭経済を維持していかなければなりません。収支のバランスの中で満足度を高めたり、貯蓄を考える必要があります。
家を買うという選択をすればこれも夫婦で数千万円の借金とその返済に向かい合うということです。頭金準備も夫婦の協力なくして実現しません。
子どもが生まれれば、これも2000万円くらいのお金をかけてでも育て上げる責任を負うということでもあります(もちろんそれ以上の幸せも得られることでしょう)。
どんな愛情も経済的安定や裏打ちがないところに維持されるわけではないのです。
もし、まだ結婚の決断をしていない人がいたら「自分はこの人と一緒にお金の問題と向き合い、何十年もの間二人で解決していけるだろうか」と考えてみるのもいいでしょう。愛情が続くか考えるより現実的に重要なことだからです。
結婚前に最低限しておくべきお金の話
結婚を決めたり、新生活をスタートしたりしたばかりの時期は、実はお金の話をする大切なタイミングでもあります。そういう話が前向きに話せるタイミングです。
まず、それぞれ借金がないかどうか確認をしておきましょう。ウソをついて結婚前の借金を家計に持ち込んではいけません。
また、結婚時に持ち込む「結婚前の財産」は夫婦といえども個人のものですから(離婚時も分割対象ではない)、これも正直にカミングアウト(告白)するべきです。
少なくとも、新生活にかかった費用についてはどちらがどれだけ負担したかは確認しておくべきです。
お金の価値観をすりあわせていく
どちらかが浪費癖があるカップルも結婚前は許せることが多いものです。あるいはそれぞれの所得からやりくりしていることだから口を出さないというケースもあります。
しかし、結婚をして共同生活が始まった以上は、共働きであっても「合計年収」を二人で稼いでいるという感覚を持ち、二人で必要な支出をやりくりするのだ、という自覚を持つ必要があります。
日々の買い物の感覚や、ご褒美出費の頻度や金額などの感覚のズレは、夫婦の不仲を深めていく遠因になります(もちろん無駄づかいするほうは気がつかないので節約に頑張っている方のイライラばかり増えることになる)。
結婚をしたら、お金の価値観についてはどんどん話し合っていくといいでしょう。ケンカしてもすぐ仲直りできるような新婚ほやほやの時期がお金の価値観をすりあわせるチャンスなのです。むしろ我慢は禁物です。
マネーハック的には「結婚はお金の問題そのものである」ということと「結婚間もない時期ほど、たくさんケンカしよう」というアドバイスから考えていきたいと思います。
