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病院おもてなしの時代、「ホスピタルティー」で安心治療

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病院と聞いただけで敷居が高い。上から目線の医師と話をするのは気が重い。こんなイメージを持つ人は多いだろうが、これからの病院は、もっと患者の身になって考える「おもてなし」の精神が不可欠と考え、様々な取り組みを始めた病院もある。結果として患者が治療やリハビリに前向きになり、早期治癒すれば、医療費の削減にもつながり、社会的な意義も大きい。

患者とのコミュニケーションに「おもてなし」の姿勢が不可欠。群馬県伊勢崎市の美原記念病院は、病院とおもてなしの英語を掛け合わせた「ホスピタルティー」を掲げるユニークな病院だ。取り組みを開始したのは今年4月から。同病院は脳・神経疾患の専門病院で、脳梗塞、脳出血などの急患が多い。手術後は、半身マヒなどを改善するためにリハビリが不可欠だ。

リハビリはつらく、苦しいが、単調なリハビリを継続することが最善の治療になる。患者が少しでもリハビリに前向きに取り組めるよう、ホスピタルティーの立場から考えられたのが、写真の「ハイタッチ先生」だ。患者はあらかじめ氏名、生年月日、出身地、趣味などの基本情報を入力しておく。リハビリを始める前にパネルの静脈認証装置で本人を確認すると、担当の医師から様々なメッセージが流れる。

筆者も登録してみた。例えば趣味を野球観戦、好きな球団は日本ハムファイターズと入力しておくと、「昨日もファイターズ、見事な勝利でしたね。では今日もリハビリ、頑張りましょう」といった医師からのメッセージが流れる仕組みだ。通常、患者が医師と接するのは診察時だけで、毎日のリハビリの現場には療法士しかいない。そこで医師との心理的な距離を縮め、いっしょにリハビリに向かう気持ちを高めてもらう狙いがある。流れるメッセージは療法士がそれぞれの患者の状況をみて日々、記入している。

病院の玄関や病室の入り口にあるのが「消毒先生」だ。よく見かける手を消毒するためのアルコール液のボトルだが、美原病院の場合、ちょっとした工夫がされている。ポンプを押すとメッセージが流れる。こちらは特定の患者用ではないので、時候の話や時事テーマなどが中心になるが、明るい色合いの外見も手伝い、目を引く。消毒先生の導入から2カ月、アルコール液の使用量は1.5倍になった。「感染予防という観点から、極めて有効といえる」(美原記念病院)

待合室にあるのが「ひざかけ先生」だ。診察の待ち時間に患者が自由に使える膝掛けに、様々なクイズが描かれている。いずれも脳のトレーニングに有効なクイズだ。ポスターも写真のように、わざと文字の配列を入れ替えてあり、頭の中で正しい文章に直してもらうことで、脳トレになるように工夫がされている。

美原記念病院は、公益財団法人、脳血管研究所の付属病院として1964年に設立された。病院としては珍しく、長く文部科学省の管轄下にあった。脳梗塞患者などの緊急手術からリハビリ、退院後の通院治療を一気通貫で担っている。治療が長期化した場合に入ることができる養護施設もあり、在宅治療を希望する患者には訪問看護の体制も整っている。治療に要する日数が少ないのも特徴で、手術からリハビリ病棟に移るまでの平均日数は7.8日と全国平均の12.7日より短く、リハビリ病棟在籍期間も47.2日と全国平均の76.6日に比べて大幅に少ない。長く患者がとどまる方が病院としては収入が増えるのだが、同病院の場合、成り立ちの経緯などから、収益を過剰に追求する経営風土はない。

そんな美原記念病院がこのほど、ホスピタルティーという患者へのおもてなしの姿勢を打ち出した背景には、国家の厳しい財政事情のもと、医療費削減が待ったなしという状況もある。美原盤院長は「これからの時代、医療は社会的な適合を考える必要がある」と指摘する。医師が上から目線で患者を治療する、保険の点数を稼ぐために不必要な措置や投薬を繰り返す、などの過去の事例は通用しなくなる。何が患者のためになるのか。国や自治体の現状を踏まえて、医療機関はどうすべきなのか。本気で考える時代が到来した。(編集委員 鈴木亮)

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