世界限定311台 市販最速ロータスを日本初披露
スポーツカー専門メーカー、英ロータスの正規輸入総代理店、エルシーアイが2016年4月17日に、富士スピードウェイでオーナー向け公式イベント「ジャパン・ロータスデイ2016」を開催。ロータスの最新モデル「3-Eleven(3イレブン)」を日本で初披露した。
3-Elevenの日本導入時期や価格などは未定だ。仕様はナンバー取得が可能な「ロード」とサーキット専用となる「レース」の2タイプが用意され、英国での税込み価格は、ロードが8万2500ポンド(約1296万円)、レースが11万6500ポンド(約1830万円)だという。
最高出力は460ps、最高速度は290km/h
3-Elevenは英国のモータースポーツの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で、2015年6月に発表された。世界生産台数は311台限定で、ロータス史上最速かつ最も高価な量産車だが、高級車として豪華な装備や快適性などを追求するのではなく、「余計なものは、一切ない」というコンセプトで、走行性能を徹底的に追求したピュアなレーシングマシンだ。
エクステリアのうち、フロントマスクはハイパフォーマンスミッドシップスポーツの「エキシージ」と似た雰囲気で、ロータスらしさを感じさせるが、その他のスタイリングは他の市販モデルとは根本的に異なる。カーボンファイバー製の軽量なボディーは、フロントウインドーや乗降用のドア、ルーフまで省かれており、乗降時はボディーをまたいで乗り込むという、まさにレーシングカーらしいスタイルだ。同様にインテリアもシート、ステアリング、メーターパネル、シフトレバーなど、運転に必要な最小限の装備のみとなっている。
パワーユニットはロード、レースともに3.5LのV6スーパーチャージャーエンジンをミッドシップ方式で搭載。最高出力は456psにも達するという。
最も高性能なレースだと、わずか890kg(乾燥重量)と軽いボディーの恩恵もあり、最高速度は290km/hに達し、0-60mph(96.54km/h)加速には、2.9秒しかかからないという。
ロータスは現在、世界で既に3万2000台以上を販売している主力車種「エリーゼ」と高性能モデルであるエキシージ、そしてラグジュアリーなGTである「エヴォーラ」という3タイプのスポーツカーを中心に開発・製造している。その中で、3-Elevenのようなサーキット走行を視野に入れたクルマは特殊な存在だ。
世界的には2016年4月から納車が始まっているが、日本では導入に向けて準備中で、正式な導入の可否を含めて発売に関する詳細が分かるのは少し先になりそうだ。
参加車はロータス最大のヒット作、エリーゼが最多
参加オーナーが所有する車両をエントリーする今回のイベントには、雨天にも関わらず、全国から熱心なロータスファンが駆けつけた。ロータス最大のヒット作となっているエリーゼが最も多く見受けられたが、漫画『サーキットの狼』で主人公の愛車であったロータス「ヨーロッパ」、映画『007』シリーズで幾度もボンドカーに抜擢されたことのあるロータス「エスプリ」などの人気車の姿も見られた。
またサーキットコースを用いた走行会やワンメイクレースなどの他、ロータス歴代のモデルを集めたデモンストレーションランである「EVOLUTION of LOTUS」を実施。参加車両は、市販モデルだけでなくレーシングマシンも含まれ、ロータス初の市販モデル「SIX」から幻のF1マシン「88」など豪華な顔ぶれとなり、イベントに花を添えていた。
(文・写真 大音安弘)
[日経トレンディネット 2016年5月16日付の記事を再構成]
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