「着る服がない」を解決するたった11のアイテム
パーソナルスタイリストのみなみ佳菜です。「自分らしさを表現する」というテクニックと併せて知っておきたいのが、「相手をリスペクトする」ためのテクニックです。
相手へのリスペクトがすてきな縁を発展させる
相手へのリスペクトが伝わる装いは、「あの人とはいつ会っても気持ちがいい」「また会いたい」と思わせる印象につながって、仕事でもプライベートでもすてきな縁が発展していきます。何より、大人の女性として必要な社会性そのものですよね。
押さえるべきキーワードは2つ。「TPPO」と「フォーカジランク」です。「TPPO」とは、装いのマナーとして知られる「TPO」――いつ(Time)、どこで(Place)、何をするか(Occasion)という3つのポイントに、「誰と(Person)」というポイントを追加したもの。「今日何を着ていこう?」と考えるときに、「今日、誰と会うか」を意識しながら服選びをしてみてください。
例えば、ランチミーティングで上司の高山さんと会う予定があるとしたら、「高山さんはアウトドアが好きで活動的な女性の先輩。ブラウスを元気なビタミンカラーにしてみよう」と選んだ服を着ていけば、その思いは必ず高山さんに伝わります。何も言わなくても、その人のために服を選んだことは必ず伝わるのです。私はこれを"想いのプレゼント"と呼んでいます。
もう一つのキーワード、「フォーカジランク」とは「フォーマル&カジュアルランク」の略で、フォーマルからカジュアルまでシーンを5段階に分けて区別し、そのランクに合った装いを当てはめていく考え方です。
クローゼットチェックで散見されるフォーカジランクの偏り
このフォーカジランクがごちゃごちゃになってしまっている方、とても多いのですが、例えばランク4のシーンに2の服を着ていくと「この場を軽視している」と思われますし、ランク1のカジュアルシーンに3の服を着ていくと「近づきにくい」と敬遠されてしまいます。
クローゼットチェックで散見されるのが、"フォーカジランクの偏り"です。月に1回は上役も出席するプレゼンの場があるというのにランク1~2の服しかなかったり、逆にスーツが10着以上そろっているのに「バーベキューに着ていく服がないんです」とおっしゃったり。
どんなシーンにも対応できる服をそろえておくと、いつでも場になじむ装いが可能に。周りによい印象を与えるのはもちろんですが、ご自身が安心できます。
「5段階すべてをカバーするなんて、服をそろえるのが大変そう」と心配になった方、大丈夫です。まず、ランク5のドレスは年齢に応じて似合うものも変わっていくのでレンタルを活用するのが効率的。残りの1~4に関しては、たった「11」のアイテムをそろえるだけでカバーできちゃうのです。
早速、クローゼットにそろっているか、チェックしてみてください。
15以上のコーディネートが可能
上に挙げた11アイテムのうち、説明が必要そうなものについて補足しておきます。
「白ブラウス」とは、「なんちゃってシルクブラウス」の白です。顔色を一瞬で明るく見せてくれる"レフ板効果"の高いマストアイテムです。
トレンドを取り入れるのに効くのが「柄ブラウス」。私はZARAなどでこまめに買って投入しています。
「シンプルスカート」とは、ベーシックカラーの単色使いで、形はストレートまたはタイトなもの。きちんとした印象でジャケットと合わせると、定番のオンスタイルになります。
「きちんとパンツ」は、センタープレスが利いたトラウザー型、ハリのある素材でジャケットに合うデザイン。「カジュアルパンツ」とはデニムやカーゴパンツです。
これらの11アイテムがあれば、ざっと15以上のコーディネートが可能なんです。
・色ブラウス×シンプルスカート
・白ブラウス×ジャケット×色柄スカート
・ワンピース×ジャケット
……etc
11アイテムやコーディネート例についてより詳しく知りたいという方は書籍『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』でもチェックしていただけるとうれしいです。
パーソナルスタイリスト。1972年香川県生まれ。大学卒業後、米アウトドアブランド「Eddie Bauer Japan」に入社。個人販売成績全国首位を獲得し、最年少店長に。MAX&Co. など経て2007年にファッションレスキュー入社。10年に独立し、スタイリングオフィス「KOROR(コロール)」を主宰する。店舗を含めてこれまで5000人以上のスタイリングを手がけ、三越伊勢丹グループや六本木ヒルズ主宰のセミナー講師なども務める。 http://kana-minami.com
(ライター 宮本恵理子)
[日経DUAL 2016年5月17日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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