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ももクロVS伝統工芸 佐々木彩夏、漆器作りに挑戦

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NIKKEI STYLE

アイドルグループ『ももいろクローバーZ』が、日本の伝統工芸に挑戦する連載が、NIKKEI STYLEで始まります。第1回のテーマは「漆器」。プロが「初めての人にはまずできないですよ」と断言する漆器の作業に挑むのは「ももクロのアイドル」こと、最年少のあーりん、佐々木彩夏さんです。

あーりん、ももクロゆかりの地、鯖江に

観客数十人の路上ライブからスタートして、わずか6年で国立競技場での2日間ライブを実現。先日は全国五大ドームツアーを成功させた、アイドル『ももいろクローバーZ』(ももクロ)。デビュー当時のコンセプトが実は「和をモチーフにしたアイドル」だった彼女たちが、日本の伝統工芸を学ぶ連載「ももいろトラディショナル」がスタートします。

メンバーが伝統工芸の仕事現場を訪れ、作る過程を勉強し、実際にもの作りを体験。さらにその道で頑張っている同世代の若者と夢や目標を語り合う、盛りだくさん(つめこみすぎ)な企画です。

第1回に登場するのは「あーりん」こと、佐々木彩夏(ささき・あやか)さん。ももクロの最年少メンバーですが、ステージやイベントでは進行を担当するしっかり者。彼女が日本の伝統工芸である「漆器」作りの現場を訪れ、実際に漆塗りに挑戦します。

ちなみに佐々木さん、漆器って使っていますか?

佐々木 はい。うちは木の食器が多いんです。お味噌汁もごはんも木のおわん。ママがおばあちゃんの影響で会席料理を習っていたので、おわんとかお重とか大好きなんです。

そんな佐々木さんが今回訪れたのは福井県鯖江市。眼鏡フレームの国内生産シェアの約9割を誇る福井県。その中でも「めがねのまち」として有名な鯖江市ですが、一方で「越前漆器」の里としても知られています。

越前漆器の歴史は古墳時代末期まで遡るそうです。「今から約1500年前、継体天皇がまだ皇子だった頃に壊れた冠を修理したところから始まったと伝えられています」(越前漆器協同組合)。現在、旅館やレストランなどで使われる業務用漆器の約8割を生産する漆器の産地です。

実は鯖江市、ももクロとも昔から縁があります。2010年1月、当時の政府が行っていた「地方の元気再生事業」助成を得て鯖江市が開いた「メガネ作り体験教室」にももクロが協力し、眼鏡を作るために鯖江市を訪問。以来、何度も鯖江市を訪れています。一方、鯖江市もももクロのライブに物販ブースを出展したことがあります。

鯖江市との関わりが深いももクロですが、メンバーが漆器作りを体験するのは初めて。JR鯖江駅に降りた佐々木さんは、漆器関係の企業が集まる河和田(かわだ)地区に向かいました。

もの作りに関わりたくて東京から鯖江に移住

佐々木さんが漆器体験を行うのは、越前漆器の製造・販売を行う「漆琳堂」(しつりんどう)。江戸時代から漆器作りに携わり、現在の社長が七代目になります。今回、佐々木さんを出迎えてくれたのは、八代目に当たる専務の内田徹さん、そして現在、漆器作りの修業に励んでいる平成生まれ、東京出身の嶋田希望(しまだ・のぞみ)さんです。改装したばかりだという漆琳堂の1階で、まずは同世代の嶋田さんに、漆器作りを志したきっかけを聞きました。

佐々木 どうして漆器作りをしようと思ったんですか?

嶋田 高校の頃からもの作りに関わる仕事をしたいなと思っていたんですが、何をしたいかがわからなくて。そんなときに授業で行った美術館で大きな黒い展示作品を見たんです。パネルに書かれた材料を見たら「漆」と書いてあった。漆って何だろうと調べ始めたのがきっかけで、漆の勉強ができる京都にある伝統工芸大学校に進学したんです。

佐々木 じゃあ、学校を卒業してすぐ鯖江に?

嶋田 それが卒業したときに就職先が見つからずに、2年間、東京に帰っていたんです。そのとき偶然入ったセレクトショップで、かわいい洋服や小物と並んで、かわいらしい、見たことがない漆器が置かれていたんです。どこの会社の漆器だろうと調べたら漆琳堂でした。すぐに連絡して面接を受けて、9カ月前に就職したんです。

佐々木 ここに来る前に漆琳堂のホームページを見たんですが、かわいくて、親しみやすいですよね。一人暮らしをした時、こういう食器を買うと女子力が上がるかなって思った。こういう食器があると家庭的な女の子っぽいじゃないですか(笑)。でも、東京と福井って遠いですよね。友達ってできました?

嶋田 ちょっとずつ(笑)。鯖江には私のように移住してくる人が増えているんです。漆器は器を作る人、漆を塗る人、絵を描く人という分業制なので、木工を志して器を作りたいと引っ越してくる人もいます。鯖江は眼鏡産業も盛んなので、眼鏡を作りたいと移住してきた人も。

佐々木 そうなんだ。でも一人暮らしってすごいなあ。私は神奈川生まれの神奈川育ちで、中学の頃からももクロの活動で都内に通っていたから、自然の豊かなところになじみがなくて、どうやって暮らせばいいかわからない。ももクロの仕事以外で外泊をしたこともないし、家事もママがやってくれるし。一人暮らしだとごはんを作ったりしなくちゃいけないじゃないですか。

嶋田 でも社長の奥様や近所の方々が野菜やお総菜をくださるんです。そういう温かさに包まれているので寂しさもありません。京都で学校に通っているときも一人暮らしだったのですが、ここのようなご近所さんはいなかったのでどんどんやせ細っていったんです(笑)。鯖江でもそうなるかと思ったら、そんなことはありませんでした。

佐々木 ああ、そういうの、いいですね。私たちも何度か鯖江に来ているんですけど、あたたかい感じのする街だなって。

漆器作りとアイドル、お互いの下積みは?

佐々木 でも、今は慣れたかもしれないけれど、最初に来たときは怖くなかったですか? 仕事の不安とか。

嶋田 怖かったです(笑)。学校で漆を勉強したといっても、実際の作業をしていたわけではないので。ただ漆は産地によっていろいろあるのですが、やることは基本的に一緒。学校で学んだ基本的な知識が底辺にあったので、今の仕事ができていると思います。

佐々木 お仕事はどうですか? やっぱり修業というか下積みって感じなんですか? 下積みも大変なイメージがあるんですけど。「最初は掃除だけしていろ」みたいな(笑)。

嶋田 そういう点に関しては、ここでの仕事は他の職人さんの下積みとはちょっと違う気がします。「下地三年、中塗り三年」という言葉もあるのですが、私の場合は会社に働きにきているイメージなんです。他の人とは違う下積みをしている感じです。あまりにもやれることが多くて、毎日、ビックリしています。ももクロの下積み時代はどうでした?

佐々木 そうですね。最初は路上ライブから始まって……うーん、何年目までが下積みなんだろう? メジャーデビューをゴールとすれば2年間か。でもそれからも「テレビに出られるようになるまで」「ライブに何百人、何千人って集められるようになるまで」と、常に次に向かって進んでいたので、なかなかゴールが見あたらない。いつまでが下積みだったのかと言われるとちょっと……。でも長かったなという気はしますけどね(笑)。

嶋田 つらかったですか?

佐々木 いや、つらくはなかった。一生懸命目の前のことをやるって感じだから。それは今も変わりません。

漆器の魅力は「自分だけの器」に育つ事

佐々木 漆器の魅力って何だと思います?

嶋田 愛着ですね。漆器って使っていくうちに、色や艶が目に見えて変わってくるんです。毎日使うものだし、人それぞれの使い方があるから、変化も一つ一つ違う。長年使ううちに愛着がわいてくるのは他の器も同じですが、そういう変化をいちばん感じられるのが漆器じゃないかと。愛着がわくから大事にしたくなる器だと思います。

佐々木 いろいろありますけど、お薦めの漆器は?

嶋田 私が一番好きなのは「木地呂椀」(きじろわん)という、木目が見える漆器です。漆器は黒や赤で塗られて木目が見えないものが多いんですけど、木地呂椀はあえて木目を見せるように、透ける漆を塗っています。この器は変化が分かりやすい。使っているうちに素地の木がはっきり見えるようになるし、顔がパリッとうつるくらいつやつやになる。自分だけのおわん、という気持ちになりますよ。

佐々木 器の種類もいろいろありますよね。まず買うとしたら?

嶋田 やっぱり汁椀(しるわん)かな。汁椀といっても何を入れてもいい。ごはんを盛ってもいいんです。名前にとらわれなければ、オールマイティーに使えるから最初に買うのには最適だと思います。佐々木さんには、これからその汁椀にピンクの漆を塗ってもらいます。

佐々木 楽しみ~(笑)。

嶋田 でも最初からうまくできる人って少ないんですよ。

佐々木 脅かさないでくださいよ(笑)。

お互いの仕事について話し合った嶋田さんと佐々木さん。次回はいよいよ漆器作り(漆塗り)に挑戦します。お楽しみに。

[次回の様子を少しだけ紹介します]

【今回のおまけ】

取材当日、佐々木さんがランチを食べたのは、漆琳堂の隣にあるレストラン「椀椀」(わんわん)。漆器の製造工程や歴史的資料を見学できる施設「うるしの里会館」の中にあります。椀椀のランチメニューは、河和田地区の名物である「山ウニ」を使ったもの。海産物のウニではなく、ユズや唐辛子、タカノツメなどを練り込んだ薬味です。佐々木さんが頼んだのは写真の「山ウニとろろ丼」(800円。平日のみ)。

佐々木めっちゃ、おいしい。食べる前は辛いのかなと思ったけど、ゆずの香りが爽やかだから辛すぎないし。

そして取材終了後、佐々木さんは福井市にあるレコード店「松木屋エルパ店」に、発売したばかりのライブブルーレイ『ももクロ男祭り2015in太宰府』のプロモーションに訪れました。待ち構えていたモノノフ(ももクロのファンのこと)から「福井で何か食べた?」と聞かれた佐々木さん、さっそく「山ウニ」と答えます。しかしモノノフの反応は「???」。佐々木さんも「え、名物じゃないの?」と驚いていました。その後も「高級料理でしょう」(モノノフ)「いや、800円だから」(佐々木さん)などという会話が展開。すべては「山ウニは鯖江市河和田地区の名物」と正しい情報を伝えなかった担当編集の責任です。佐々木さん、福井市のモノノフのみなさん、ごめんなさい。

※次回は2016年6月11日公開です。

ももいろクローバーZ
百田夏菜子(ももた・かなこ)、玉井詩織(たまい・しおり)、高城れに(たかぎ・れに)、有安杏果(ありやす・ももか)、佐々木彩夏(ささき・あやか)で構成されるアイドルグループ。2008年5月に結成(当時のグループ名は「ももいろクローバー」)。観客数十人の路上ライブからスタートし、ワゴン車で全国のヤマダ電機を回るツアーなどを経て、10年5月『行くぜっ!怪盗少女』でメジャーデビュー。11年4月、メンバー1名の脱退により「ももいろクローバーZ」に改名。12年末、NHK紅白歌合戦初出場、14年3月には国立競技場での2日間のライブを成功させる。16年2月から4月にかけては名古屋、札幌、大阪、福岡、埼玉での五大ドームツアーを実現。大会場でのコンサートと並行して、小さな会場でのライブやユニークなイベントなども積極的に企画、ファンを驚かせ、楽しませている。松崎しげる45周年イベント『黒フェス』や加山雄三55周年イベント『ゴー!ゴー!若大将FESTIVAL』に参加、米ロックバンド「キッス」のコンサートへの出演(参考記事「ケレンと王道、互いの本質照らし合う 『KISS JAPAN TOUR 2015』 ももクロ特別出演」)など、ベテランアーティストとの共演も多数。
佐々木彩夏
1996年6月11日生まれ。神奈川県出身。2007年、小学生のときにスカウトされ、ももクロの所属事務所であるスターダストプロモーション入り。08年11月、「ももいろクローバー」(当時)に参加。キャッチフレーズは「ももクロのアイドル」。イメージカラーはピンク。愛称は「あーりん」

(写真 山岸政仁、ヘアメイク 飛田卓司、文 大谷真幸=NIKKEI STYLE編集部)

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