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なぜ人は働きすぎる? 労働時間と満足度の怖い関係

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日経ウーマンオンライン

最近、「一億総活躍」という言葉を聞く機会が増えましたね。その一環として、働き方改革が、政府から矢継ぎ早に提言されています。少子高齢化で働き手が減るなかで、女性の更なる労働参画を促すための施策も講じられています。

例えば、子育てやライフプランニングが変化しやすい女性のために過度な長時間労働を是正しようする動きも出ています(もちろん、「ザ・女性の仕事」とされていた家事や育児に男性も加わるような、社会整備も進みつつあります)。

ただ、長時間労働といっても2種類が存在するでしょう。いわゆる、ブラック企業のように不当に長時間労働を強いられるケース。もう一つは、健康リスクがあるにも関わらず自ら進んで長時間労働をしてしまうケースです。

前者については、政府による改革を期待したいところです。しかし、後者に至っては本人が自覚しない限り、そして健康面でよっぽどのことがない限り、長時間労働癖から抜けられないかもしれません。

そんな私も、20代の頃から仕事が楽しくて働きすぎてダウンする、なんてことは多々ありました。また起業してからは、休むのがもったいないからと自ら働きすぎてしまうこともあります。女性は真面目な生き物とも言われますし、私のような働き女子は少なくないかもしれません。

では、なぜ私たちは体を壊すリスクがあると分かっているのに、自ら働きすぎてしまうのでしょうか。

仕事が楽しくて仕方ないからといえば、それまでですが、アカデミック分野の研究を見ると、意外な理由が隠されていることが分かります。

2016年にRIETI(独立行政法人経済産業研究所)で発表された、早稲田大学の黒田祥子博士と慶應義塾大学の山本勲博士の共著論文にヒントが隠されています。

労働時間が長くなるほど仕事満足度が増していく

この論文では、仕事から得られる達成感、自己効力感、仕事で必要とされているという自尊心といった金銭的でない要素を仕事満足度と定義しています。これらが、労働時間とどんな関係を持つかを、過去4年間のデータを基に分析しているのです。

すると……なんと労働時間が長くなるほど、仕事満足度が増す傾向が見られたのです。

もちろん労働時間以外にも、仕事満足度に影響を及ぼす要素はたくさんあります。そこで、データが読み取れる労働時間以外の条件を一定とした場合でも分析していますが、やはり労働時間が増すにつれて仕事満足度が上がっていく傾向が見られました。

具体的には、週当たりの労働時間が55時間を超えると、仕事満足度が上昇していくことが観察されています。労働時間が長くなるほど、仕事が面白くなり、仕事から得られる満足度が上がっていくようです。

たしかに、長~く働いていると"やった気になる"ことってありますよね。そんな私も執筆の仕事のときは、長~く考え込むだけでやった気になり、編集の方を困らせています(汗)。

でも! この研究では、もう一つ大切なことが示唆されています。

長時間労働で仕事に満足しても、メンタルヘルスには悪影響

メンタルヘルスと労働時間との関係については、仕事満足度とのような関係性は見られず、労働時間が長くなるほどに悪化する傾向が見られたのです。長時間労働でワークハイになって気持ちは満足したとしても、メンタル面では悪影響が出るようです。メンタルに影響が出れば、いずれ体にも悪影響が出るでしょう。

それにも関わらず、長時間労働をしてしまうのは、行動経済学で指摘されている「オーバーコンフィデンス」という人間の思考癖が影響しているのではないかと博士たちは分析しています。

「オーバーコンフィデンス」とは、現状の健康状態に過度な自信を持ち、この状態がずっと続くという思考癖です。

必ずしも仕事の結果につながらないかもしれないのに、満足を得たいがために長時間労働をしてしまう。そして、健康に過度な自信を持ち、健康を損なうまで気付かない……なんてことが起きているのかもしれません。

「あるある」……と感じる人も多いのではないでしょうか。満足を得たいがために長時間労働していないか、私自身も振り返ってみようと思います。やっぱり、健康あっての働き女子ですからね。

崔真淑(さい・ますみ)
マクロエコノミスト。Good News and Companies代表。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。化粧品会社エイボン・プロダクツ社外取締役。1983年生まれ。神戸大学経済学部、一橋大学大学院(ICS)卒業。大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)では株式アナリストとして活動し、最年少女性アナリストとして株式解説者に抜てきされる。2012年に独立。経済学を軸にニュース・資本市場解説をメディアや大学などで行う。若年層の経済・金融リテラシー向上をミッションに掲げる。

[nikkei WOMAN Online 2016年5月25日付記事を再構成]

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