ロジカル株式投資 「移動平均乖離率」で行き過ぎ判断

ロジカル株式投資では相場が過熱している時に深追いせず、損失を未然に防ぐようにすると聞きました。ヴェリーさん、相場が行き過ぎかどうかをどう判断するのでしょうか。
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

「行き過ぎもまた相場」という相場格言があります。市場関係者はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)からみて割高とみられる水準まで買い進んでしまうことを何度も経験してきました。いわゆるバブルです。割高な水準を正当化しようと試み、結局バブルがはじけて損失を抱えるという展開を繰り返してきました。相場格言の通り、相場は行き過ぎるものだと理解した上で、行き過ぎを見極める技術を身につけておく必要があるでしょう。

相場の行き過ぎを示す指標の中でも、多くの市場関係者が注目しているのが、日経平均株価の200日移動平均乖離(かいり)率です。日経平均終値が日経平均200日移動平均と、どれだけ離れているかを示しています。通常は上下(プラス・マイナス)20%程度の範囲内で推移しています。したがって、上方(プラス)乖離率が20%を超えると相場は「買われ過ぎ」、下方(マイナス)乖離率が20%を超えると「売られ過ぎ」の水準にあるとみられ、いずれも過熱感が出ていると判断できます。

日経平均200日移動平均の上方乖離率が最も拡大したのは1953年2月4日で、56%台に達していました。朝鮮戦争の特需によって株式相場が上昇していた時期です。それから間もなく、53年3月5日、旧ソ連のスターリンの死去をきっかけにした「スターリン暴落」と呼ばれる株価下落が世界を襲いました。

株式相場は過熱感を示すサインを自ら発して、市場関係者に注意を促しているのです。「相場のことは相場に聞け」という有名な相場格言の通り、株式市場の指標に真摯に向き合っていく姿勢が重要です。

[日経ヴェリタス2016年5月29日付]

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