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魚住りえさんに聞く「身も心も美しく輝く話し方」

魚住りえさん (フリーアナウンサー、スピーチ・ボイスデザイナー)

2016/6/8

身も心も美しく、ワンランク上の話し方とは

あの人の話はなぜかわかりやすく、心に残る……そんな人は同時に活力に満ちていると感じることはありませんか。フリーアナウンサーであり、スピーチレッスン教室を開講する魚住りえさんは、心に響く話し方を身に付けることが、コミュニケーション力を高めるだけでなく、心身の若々しさを保つことにもつながるといいます。身も心も美しく輝かせる話し方について聞きました。

ナレーションが話し方のトレーニングに

アナウンサーとしてキャリアをスタートした私ですが、最初は先輩アナウンサーの能力の高さにびっくり。番組の司会などでも、まさに立て板に水のごとく、言葉が流れます。思ったことをぱっと言葉にし、相手を納得させるような表現にする。どうやったらあんなふうに話せるようになるんだろうともんもんと過ごしていたのですが、あるナレーション番組が転機になりました。

学生のころから放送部などでナレーションの経験は積んでおり、担当させてもらうことに。アナウンスブースというところにこもり、他人が書いた原稿を3時間ほど読み続けるという仕事です。すごく集中力が必要で大変な仕事ですが、ナレーションの仕事が終わった後は、別の仕事でも言葉がすらすらと出てくることに気づきました。生放送の司会のような緊張する仕事でも、前日にナレーションの仕事をしていたときは、スタジオでも言葉が途切れることなくあふれてきます。

これはなんだろうと不思議に思ったものですが、とにかくよく通る声を出し、滑舌もはっきりと、かつ原稿の内容をよく理解して読むということを続けると、自然に流ちょうに話せるようになり、出演者やテレビカメラが相手でもすらすらと言葉が出てくるようになるということを経験則として身に付けました。

よく通る声を出すには腹式呼吸で発声する必要があります。滑舌をよくするには口の回りの筋肉をよく動かして発音すること、そして原稿を読むという行為は言葉に対する感受性を高めることになります。ナレーションという作業を通じて、自然とそういった点が鍛えられ、話し方のトレーニングになっていたんだということに気づいたのは少し後のことです。

経験則を体系化、スピーチレッスン開始

そんな自分の経験をある友人に話したところ、ぜひ教えてほしいと頼まれました。その友人は外資系の企業に勤めていたのですが、自分は話し下手と思っており、そのせいでなかなか仕事でも認めてもらえないと悩んでいました。私から見てもすごく能力があるのに、自分の殻に閉じこもりがちで、力を出し切れずもったいないと思えるような人です。まあ、ものは試しとレッスンを始めてみたところ、みるみる話し方が上手になっていったのです。今では順調にスキルアップ、英語力も向上し、海外で活躍されています。

その友人の経験を経て改めて気になったのが、話し方のせいで損をしているのではないかという人が多いこと。自分が身に付けたスキルが役に立つのではと思い、他の友人たちにも相談したところ、それはきっと潜在的なニーズがある、ぜひやってみてと言われ、自分の経験則を体系化し、魚住式スピーチメソッドとして教室を開くことにしたのです。

一般的なボイストレーニングでは発声法や滑舌の改善がメーンになりますが、魚住式スピーチメソッドではこれに加え、より実践的な技術を指導します。副交感神経を刺激して緊張をほぐす腹式呼吸、言葉をメロディーに乗せ心地よく響かせる抑揚の付け方、受講生の目的に合わせTPOにマッチした音声表現など、私がアナウンサーとして培ったスキルを身に付けていただきます。

すてきな話し方を身に付け、若々しさを保つ

話し方のスキルアップのメリットはプレゼンテーションや交渉事だけではありません。健康や若々しさを保つためにも大いに役立ちます。腹式呼吸を意識しながら発声練習をすれば、相当の運動量になることは私が実証済み。アナウンスブースに入って2~3時間ナレーションの仕事をすると、翌日1、2キロ体重が減っていることもあります。また周りを見回してもナレーターさんや声優さんなどにあまり太った方は見当たりません。簡単にできる発声トレーニングを紹介しますので、よろしかったら試してみてください。

もちろん素晴らしい声を出せても、無表情で話をしては自分の気持ちは十分には伝わりません。心からの笑顔で話せるようにしましょう。すてきな笑顔に欠かせない表情筋も、もちろん筋肉の一種ですので、使わなければ衰えてきます。そうなるといざ笑おうとしても、引きつったような笑顔になってしまうことも。また、表情筋が衰えると、見た目にも老け込みがちです。日ごろから意識して表情筋を鍛えましょう。おすすめしたいのが、毎日鏡を見ながらできる「ヘン顔エクササイズ」(上記イラスト参照)。これも時間をかけず手軽にできますのでいかがですか。

私自身もそうですが、最近は用事をなんでもメールやSNSなどで済ませてしまうことが多いかと思います。でもコミュニケーションとは、単なる情報のやり取りではありません。同じ「ありがとう」でも、文字で打ったものより、よく響く声と笑顔で「ありがとう!」と伝えれば、受け取った方も何倍もうれしいですよね。私は会話とは、エネルギーを相手にあげ、相手からもエネルギーをもらう、そんなパワフルなやり取りだと思っています。ぜひすてきな話し方を身に付け、活力あふれる毎日を送ってください。

◇  ◇  ◇

●カウント発声のやり方

両足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、ヘソの少し下に両手を当てて、丹田を意識するために手でおなかを軽く押し込みながら、それに抵抗するようにおなかに力を入れます。「せーの」と掛け声をかけてから、1から10まではっきり、ゆっくりカウントします。声を出すとき、おなかをへこませてください。そのあとおなかを緩ませて、息を吸います。1、2秒間隔で10まで数える練習を3セットやってみてください。


魚住りえさん (うおずみ・りえ)
フリーアナウンサー、スピーチ・ボイスデザイナー
大阪生まれ、広島育ち。ピアニストの母から専門的なレッスンを受け音感を養う。高校時代は放送部に所属、NHK杯全国高校放送コンテストで全国3位に。慶応義塾大学でも放送研究会に所属、卒業後日本テレビに入社し、ナレーションの力に気づく。フリー転身後、テレビ、ラジオを問わず幅広く活躍中。

[2016年5月23日公開の丸の内キャリア塾を再構成]

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