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不透明さ増す招致疑惑、東京は「汚れた五輪」か 編集委員 北川和徳

2016/6/6

02年ソルトレークシティー五輪招致をめぐる買収スキャンダルでIOC委員の立候補都市訪問が禁止となり、IOC委員との接触にも厳しいルールが定められたことで、水面下で自由に動ける招致コンサルの利用価値がいっそう高まり、招致成功には不可欠な存在といわれるようになった。

東京都の舛添要一知事(右)の公私混同も甚だしい政治資金の使い方が問題に。負の連鎖はどこまで続くのか=共同

「IOC委員とつながりあるから契約」

竹田会長は国会での質問に「コンサルタントはみんなIOC委員とつながりがあるから契約している。どの(立候補)都市も同じだ」と答弁した。契約書の中身がどうあれ、今回のBT社に託した本当の業務は「ディアク氏とその周辺のIOC委員の支持を固めること」だったと推測している。それなら開催都市決定というゴールまで2カ月もないのに高額な契約を結び、その半分以上が成功報酬として支払われたことも納得できる。もちろん、その場合でもコンサルタントがIOC委員に対して「安心・安全・確実な大会ができる東京の素晴らしさ」を正攻法で訴えて支持を求めたのならなんの問題もないのだが……。

不可解なのは、BT社と契約にいたった経緯だ。先方からの売り込みを受けて電通に照会。「国際陸連の仕事などで実績のあるコンサルタント」との回答を得たので契約したとの説明がある。しかし、すべては事務局レベルで進んでいたようだ。竹田会長は「経営者に会ったこともないし、会社も知らない。事務局が必要だということで契約した」。他の招致委幹部も同様の言葉を繰り返している。国際陸連のビジネス事情に精通している電通が、事務局のどこに対して、どんな情報をもたらして契約に至ったのか。BT社との契約の背景にあったものが、この疑惑の最大のポイントである。

ディアク氏に賄賂が渡っていたとしても、日本の法律では民間人同士の贈収賄は成立しない。送金された2億3000万円の流れと使途に関しては、フランスの捜査を待つしかない。最悪の場合、海外の捜査当局によって、東京の招致委関係者が逮捕されるという可能性すらある。日本側が潔白を示すためには、「正当な業務契約であり、お金がそんな形で使われるとは知らなかった」ということを言い続けるしかない。

都知事の問題も…東京五輪の負の連鎖

JOCは疑惑を解明するための調査チームを立ち上げた。特に根拠もなく「日本は不正などしない。潔白を証明する」と繰り返している。それがむなしく聞こえてしかたがない。フランスの捜査で東京の票が賄賂で買われたことが裏付けられてしまえば、不正を行う業者と契約した招致委や、それにお墨付きを与えた電通も責任は免れない。「知らなかった」ではすまないのだ。20年東京大会は「汚れた五輪」として国際的にイメージダウンする。そうならないためには、捜査が不発に終わることを祈るしかないのがつらい。

国内ではホストシティのトップである都知事が公私混同も甚だしい政治資金の使い方で、信頼を失墜させている。悪いニュースばかりが飛び出す東京五輪。負の連鎖はどこまで続くのだろうか。

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