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がん保険の通院保障 「所定の治療」の条件に注意

日経マネー

2016/6/14

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日経マネー

契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。今回は、通院治療を保障するがん保険を取り上げる。

入院が短期化傾向にある、がんの治療。がん保険も、「通院1日につき5000円」といった通院治療への保障を備えたものが人気だ。

治療の種類を限定せずに、「がん治療のための通院」を保障する主ながん保険を表(1)に挙げた。「Days」「Force」「終身ガン治療保険プレミアム」は、がんでまず入院することが通院給付を受ける条件となっている。

注:約款を基に編集部作成。表内の「通院」は、がん治療のための通院(往診含む)に限る

Days、Forceは退院後365日(1年)以内の通院を保障。プレミアムはそれに加え、入院前60日以内の通院も保障する。「勇気のお守り」は、入院の有無に関係なく保障を行うのが特徴。通院給付金の支払い限度日数は、60日から無制限までまちまちだ。

これらのうち、表(2)の3商品は、「所定のがん治療」に限って通院の保障を手厚くしている。入院の有無は問わず、Days、Forceは支払い日数の制限もない。

所定の治療の、定義の違いには注意。Forceの「抗がん剤治療」は、公的医療保険対象の薬剤料、処方箋料が算定される通院であることが条件だが、「手術」「放射線照射または温熱療法」には特段の条件はない。Daysの場合、手術と放射線治療は公的医療保険の対象であることが条件だ。

勇気のお守りの所定の治療には、「疼痛緩和療法」が加わる。手術や放射線治療なども含め、公的医療保険の対象かどうかは問わない。

現実問題として、加入している保険に合わせて治療法を選ぶわけにはいかない。こうした保険の限界を把握したうえで、貯蓄と組み合わせてがんに備えるのが無難だ。

※所定のいずれかの治療が引き続き必要だと認められる場合は1年ごとに延長
内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
生活設計塾クルー。13年間の大手生命保険会社勤務の後、FPとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2016年7月号の記事を再構成]

日経マネー 2016年7月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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