エンタメ!

エンタな話題

名古屋メシの大物 ヨコイのあんかけスパが東京初進出

日経トレンディネット

2016/6/11

日経トレンディネット

味噌カツ、ひつまぶし、あんトースト、手羽先など、早くから東京に進出してきた“名古屋メシ”。そんななか、名古屋と豊橋以外では展開していなかった“ヨコイのあんかけスパ”が東京に初進出した。

あんかけスパゲッティ発祥の店「ヨコイ」は、六本木にある飲食店「リゾートダイニング ジュッピー」(以下、ジュッピー)を運営するワールドジョイ(東京都港区)と提携。2016年4月15日から、ジュッピーのランチタイム(11~17時)にヨコイの定番メニュー「ミラカン」など6品を、ディナータイムに4品の提供をスタートした。

ランチタイムだけ「ヨコイ Juppy店」の看板を掲げる「リゾートダイニング ジュッピー」(東京都港区六本木 7-17-19 FLEG 六本木 second3階)。六本木駅から徒歩2分。営業時間は11~15時で、日曜定休。テーブル 32 席、カウンター4 席、個室約 10 席、屋上BBQ テラス 14 席(最大 20 名収容可)

あんかけスパゲッティ自体は「カレーハウスCoCo壱番屋」の系列店「パスタ デ ココ(PASTA DE COCO)」(新橋)など、東京でも提供する店はあった。今回はその“本家”が満を持して進出する形となる。

ヨコイは1963年に名古屋市で創業。初代オーナーの横井博氏がイタリアンのミートソースをヒントに考案した「ヨコイのソース」がそのルーツだという。当時はまだスパゲッティが一般的ではなく、日本人が好むあんかけ風の味に仕上げたことで、名古屋人の心をキャッチ。「あんかけスパ」として広まった。初代が「この味を広めたい」と考えたため、あんかけスパを提供する店は東海エリア全体で100店舗以上あり、名古屋では喫茶店の定番メニューになっている。

だが、これまで名古屋市内で直営2店舗とFC2店舗(うち1店舗は豊橋市)しか展開していなかった同店がなぜ今東京に進出したのか、また本家の味は東京で受け入れられるのか。

ウィンナー、ハム、ベーコンを具材にした「ミラネーズ」(税込み850円)
オニオン、ピーマンを具材にした「カントリー」(税込み700円)

■酸っぱいと思いきや、ガツンとスパイシー

まずは、あんかけスパの代名詞といわれる「ミラカン」を食べてみた。

“あんかけ”というイメージから、酢豚の甘酢あんのように甘めの味をイメージしていたが、意外にも最初にガツンと来るのはスパイシーな辛さ。周囲からも「おいしいけど、辛い」という、戸惑い気味の声が聞こえて来て、カウンターに並んだ水に手を伸ばす人が増えてくる。よくある唐辛子系の辛さではなく、コショウをたっぷり利かせた辛さだ。しかも、店側では卓上の黒コショウやタバスコを追加する食べ方を推奨している。

だが、3分の1ほど食べて辛さに舌が慣れると、今度はビーフシチューのようなコクが感じられるようになる。さらに食べ進めると、そのコクがさらに変化。コクの奥にほのかな酸味と甘味も感じられるようになる。

ヨコイの代表的メニュー「ミラカン」(税込み950 円)。ミラネーズとカントリーをミックスしていることからこの名がついた
「ハムエッグ」(税込み850 円)。卵を崩し、麺と絡めて食べるのが人気だという

食べていくうちにどんどん違う味わいが生まれ、食べ終わったときには「もう少し食べたい」という気持ちに。こういうのを「後をひく味」というのだろうか。これはたしかにクセになりそうだ。

ヨコイの横井慎也取締役によると、同店のあんかけスパに使用しているソースは和食や中華のあんとは違い、デミグラスソースをベースにトマトソースをかけ合わせたもの。タマネギ、ニンジン、トマトなどを丸一日火にかけて煮込んだあと1週間熟成させる。それを提供する直前に水で希釈し、でんぷんでとろみをつけているという。1週間熟成させることでうまみに層ができ、複雑な味わいになるそうだ。

また麺は1928年、日本で初めて製造された国産スパゲッティ「ボルカノ」(高橋マカロニ:現在は日本製麻ボルカノ食品事業部)の2.2mmという極太麺を使用。軟らかめにゆでたあと、ラードで炒めて表面をしっかり焼いているため、外側に香ばしい焼き目がつき中はもっちりという“逆アルデンテ”状態になっている。「簡単そうに見えるが、簡単に真似できる味ではない」(横井取締役)という。

■名古屋メシが出そろった今が絶好のタイミング

「創業から50年間は名古屋の2店舗で味を守り続けることに全力を注いできた」と横井取締役。転機となったのは5年前、渋谷の百貨店が開催する名古屋をテーマにした催事に毎年参加するようになったこと。そこでの来場者の反応から東京でも受け入れられる自信を得たという。あんかけスパを提供している飲食店は東京にもあるが、本物の味はまだ伝わっていないと感じて東京進出を決意した。

「海老ネーズ」(税込み1100 円)。あんかけスパと名古屋名物の海老フライをミックス。ピリリとパンチの効いたソースはフライとも好相性だ
「ボンゴレ」(税込み950円)

「名古屋メシの中では後発だが、ほかのメニューが進出しているおかげで名古屋の食に対する興味の素地もできている。今が進出のベストタイミングだと思っている」(横井取締役)

2016年6月17日には、KITTE名古屋に3つめの直営店をオープン予定。2号店オープンから40年ぶりの直営店出店となる。「本物の味を多くの人に認知してほしい。東京の方の舌に合った独自のトッピングも開発していきたい」(横井取締役)とのことだ。

ちなみにジュッピーでは、ランチタイムだけ「ヨコイ Juppy店」の看板を掲げ、ディナータイムでは従来どおりの業態で運営(ヨコイの定番メニュー4品をオーダーできる)。こうしたメニュー提携の形なら、東京で広まるのも意外に早そう。クセになりそうな味なのはたしかなので、“ジロリアン”(二郎ラーメンの熱烈ファン)のように、“ヨコラー”が生まれるかもしれない。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2016年5月10日付の記事を再構成]

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL