2016/5/29

起業にトライ

マンガ家も目指していました! かなり本気でした。ゴールドマン・サックス証券を辞めた後半年以上、家にこもって毎日朝から晩まで漫画を描いていました。学生時代に描いた作品もアマゾンでも配布しています。今読み返して思うのは、今ではもうここまでの熱量のものは描けない気がします。青臭さや突き抜け感がありますね。

――起業したことを悔やんだことはありませんか。

アニメ監督の宮崎駿さんが「若いこと、貧乏であること、無名であることは、創造的な仕事をする三つの条件だ、と言ったのは毛沢東です」とよく言っているんですが、本当にその通りだと思いますね。20歳代だったので、不安よりも、このまま何もせずに人生が終わる恐怖の方が圧倒的に強かったです。長期的な未来のことはあまり考えずに、とにかく目の前の課題にひとつずつ向き合って全力でその瞬間、その瞬間を生きていました。

世の中をよくしたいと思っている人たちに利用してもらいたい

――フェイスブックの日本での創業メンバーでしたが、ウォンテッドリーはかなりサービス内容が違うようです。ウォンテッドリーの仕組みを教えてください。

ウォンテッドリーは「はたらくを面白くする」ビジネスSNSです。特に、アントレプレナーシップ(起業家精神)あふれる人や、米グーグルでいう「スマートクリエーティブ」(高度な技能と創造性を兼ね備えた人材)、クリエイターなどに、「ゼロイチ」(ゼロから何かをつくり上げること)で世の中をよくしたいと思っている人たちに利用してもらいたいと思っています。

できることは、(1) 出会う、(2) つながる、(3)つくる、の3つです。

1つ目の「出会う」が、人と企業のマッチングで、気軽に気になる会社に訪問ができます。2つ目の「つながる」ですが、イベントなどで名刺交換した人とウォンテッドリー上でつながって、そのつながりにメモを残したり、「#(ハッシュタグ)」(投稿を検索する際のキーワード)を追加したりして長期的に自分の人脈を構築し広げることに活用できます。3つ目の「つくる」としては、組織内外で活用できるビジネス向けチャット機能を無償提供しています。ドキュメント管理や通知機能などはビジネス向けに特化していて、非常に便利です。

「はたらく全ての人のインフラ」へ手応え

――ビジネスパーソン向けSNSとしては米国を中心に「リンクトイン」が一気に普及しました。しかし、日本ではフェイスブックのような勢いはまだありません。ウォンテドリーはどのように普及させているのですか。

ウォンテッドリーCEOの仲暁子さん(東京・白金台の本社)

最大のポイントは、アーリーアダプター(新しいものを初期に取り入れる層)による利用と、それに伴うネットワークの外部性、つまり、人が使っているから私も使う、という状況の形成ですね。

ウォンテッドリーは既に月間100万人を超える人達が利用しているので、メディア、ネット、クリエーティブ業界、外資系などの業界にいる人、大学の同窓生の世代はほとんどが既にウォンテッドリーにアカウントを持っています。

なので、そこでつながりを形成したり、情報発信をしたり、一緒にコミュニケーションを通じてモノづくりをしていく中で、「はたらく全ての人のインフラ」になっていけるのではないかと思っています。実際に、手応えを感じています。