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ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2回目に訪れたリブロ汐留シオサイト店を再訪する。企画のノウハウや企画書づくりのスキル関連本が売れ筋の同店には、どんな新顔が登場しているだろう。

車内広告で売れ筋に変化

この1カ月でどんな変化があったか。店長の大城優樹さんに尋ねてみると、「少し前に電車の車内広告が張り替わったので、その反映と思える動きが出ている」と解説してくれた。そう言って紹介された1冊が瀧靖之『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』。タイトルの通り、脳の老化と発達が専門の脳医学者が子供たちの脳について、環境や生活習慣からわかってきたことを日常の子育てに生かせる形にまとめた内容だ。細かく言えば、ビジネス書というより子育てをテーマにした生活書だが、同店の分類ではビジネス書扱いで、子育て世代のみならず幅広くビジネスパーソンに売れているという。

汐留駅や新橋駅にほど近い同店は近所にある姉妹店、ウィング新橋店と並んで「車内広告の影響が間を置かずに売れ筋に出る」と大城さんは話す。大城さんはウィング新橋店の店長も兼ねているので、そうした傾向は肌で感じるようだ。

『Customer Journey』『手書きの戦略論』がワンツー

それでは先週のベスト5を見ていこう。企画系の本が売れる傾向は変わっていない。目立つのはマーケティングの企画立案のヒントになる本だ。1位になった『Customer Journey』はデジタル時代に実現すべき顧客起点のマーケティングの実践論、方法論を解説した1冊。著者はセールスフォース・ドットコムでマーケティング・ディレクターを務めるとともに、100社のマーケターを組織した「JAPAN CMO CLUB」でマーケティングの集合知づくりを目指している。その組織の研究成果をまとめた中身だ。

(1)Customer Journey加藤希尊著(宣伝会議)
(2)手書きの戦略論磯部光毅著(宣伝会議)
(3)16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ瀧靖之著(文響社)
(4)キリンビール高知支店の奇跡田村潤著(講談社)
(5)新企画鈴木おさむ著(幻冬舎)

(リブロ汐留シオサイト店、2016年5月9日~5月15日)

2位も大別すればマーケティング戦略論に属する。以前は「『広告戦略』と呼ばれていたものが、時代に合わせて拡大進化したのがコミュニケーション戦略」と著者は言い、そのコミュニケーション戦略を体系的に解説したのがこの本だ。こちらの著者も広告代理店出身の戦略プランナーで、企画関連本が売れ筋のこの街らしいワンツーだ。いずれも4月中下旬の刊行で、マーケティングの最新の潮流にはいち早く反応している感じだ。前回トップだった『新企画』もしぶとく5位に入っている。

3位には大城さんが上げた1冊が入り、4位には珍しく営業現場のドキュメントが入った。キリンビールの元副社長が筆者で、高知支店でのシェア逆転劇を柱に現場力と理念に基づいた営業改革の軌跡を振り返っている。

(水柿武志)

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