「10年後を考えメモを書く」高原流出世の極意ユニ・チャーム社長 高原豪久氏

「もちろん、売り上げや利益といった数値目標も設定しますが、それよりも社員の心に深くささり、『その夢を一緒にかなえたい』と思ってもらえるようなビジョンを示すことが大切です。多くの場合、そのような『夢』とは社是やビジョンに帰結すると思いますが、やはりトップにとって『イマジネーション』や『想像力』はとても重要だと思います」

リーダーとして心がけていること、大切だと思うことは何でしょうか?

「色々とありますが、自分で常に戒めているのは『部下と張り合わない』ことです。トップは先ほど述べたようなビジョンを示し、全社的な見地で意思決定することが最大の責務であり、部下ができることにまで口や手を出し、張り合うべきではないと思います。それは時間の無駄です。私も、初めて部下をもった頃はそのような失敗をした経験もあります」

仕事上の習慣はありますか。

「朝、会社に来るのは早いほうだと思います。毎日、午前6時半には出社しています。きっかけは2011年に東日本大震災の被災地支援のため、省エネルギーの取り組みとして通年サマータイムにしたことです。午前9時始業を8時に早めました。9時始業のときは7時半に出社していたので6時半にしました。別にアナウンスしたわけではありませんが、自分にそれを課しました」

「出社してまずやるのは、その日に誕生日を迎えた社員にメッセージを送るようにしています。1日あたり平均で7~8人はいるので結構大変ですが、『共振の経営』を実践、浸透するためには最も大切なことですので、一番先にやります。これは、社員との重要なコミュニケーションツールになっています」

2030年のビジョンづくりを進めています。将来ユニ・チャームをどういう会社にしたいのですか。

「社員にも言っていないことですし、これから1年かけて固めていきますが、キーワードは『共生社会の実現』です。我が社は赤ちゃんからペット、お年寄りまで全ての生きとし生けるものに接点を持つ会社になりたいと考えています」

「2030年には少子高齢化で日本国内の人口も1億人を切り、周りを見渡せば3人に2人は65歳を超えてきます。こういう環境の中で何を考えるか。個人差もありますが、例えば2、3世代が同居するなど、祖父母の知恵を借りて、若い夫婦の共働き世帯が、自分たちのライフスタイルを維持できるように支え合うのが一つの理想ではないかと思います。そんな社会を支えるために、ユニ・チャームは存在していきたいと考えています。日本だけでなく、アジアの中核になることによって、世界トップの会社にしようと考えています」

(代慶達也 佐々木元樹)

高原豪久氏(たかはら・たかひさ)
1961年生まれ、愛媛県出身。創業者で父の慶一朗氏の後を継いで、2001年に社長に就任。アジアなど新興国での展開を推し進め、高成長高収益体質に引き上げた。

「リーダーのマネジメント論」記事一覧

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら