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ロボアドバイザーで資産運用 最適な分散投資を提示 家計にフィンテック(2)

2016/5/24

資産運用を始めた夫が「ロボアドバイザーに関心がある」と言っています。プログラムが運用の助言をしてくれると聞きましたが、どのようなサービスなんでしょうか。コストなども気になります。

ロボアドバイザー(ロボアド)は米国で成長している資産運用サービスで、金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの中でも特に注目度が高い。

みずほ銀行は2015年10月に「スマートフォリオ」、三菱UFJ国際投信は16年3月「ポートスター」の提供を始めた。ベンチャー企業ではお金のデザイン(東京・港)が2月から「THEO(テオ)」を提供している。

利用者は年齢や予定運用期間、運用の目的、100万円を運用した場合に期待する利益や許容できる損失の額、大幅な損失が発生した場合にどう行動するかなど、数問に回答する。

するとロボアドが即座に複数のポートフォリオから、利用者の投資志向に適したものを提示。その割合に従って運用できるよう、株式や債券などの国内外のインデックス投信や上場投資信託(ETF)をまとめて購入できる。これがいま主流のサービスだ。

ポートフォリオの提示は原則無料。利用者が払うコストは投信の信託報酬と、投資一任契約を結んで運用を任せるなら1%程度の報酬が必要なのが一般的だ。

野村総合研究所の城田真琴上級研究員は「ポートフォリオを提示するプログラムの性能に各社とも大きな差はない。受けられるサービスとコストで利用先を決めるといい」と助言する。

ロボアド登場の背景には分散投資の必要性の高まりがあるが、値動きの異なる国内外の株や債券に効率的に分散投資するには一定の金融知識が必要になる。組み合わせ方次第で想定される利益や損失が変わってくるからだ。

運用を金融機関に一任する「ラップ口座」を利用するのも手だが、預入金額が最低でも数百万円ほど必要で、手数料も残高の2~3%程度かかる。これから資産形成する若い世代には少しハードルが高い。米国でロボアドは、主に投資初心者の資産形成を支援する仕組みとして急成長している。日本でも同様の普及が見込まれている。

注意点はロボアドの助言通りに運用しても、資産が必ず増えるとは限らない点だ。また現時点でロボアドができるのはリバランスまで。ライフステージによってリスク許容度は変化するが、資産配分の見直しは自動的にはやってくれない。

カブドットコム証券は5月から、楽天証券のほか、マネックスグループとクレディセゾン、米運用大手のバンガードの3社が出資して設立した「マネックス・セゾン・バンガード投資顧問」が夏以降に、松井証券も年内にそれぞれサービスの提供を始める予定だ。

マネックス・セゾン・バンガード投資顧問はあらかじめ設定した目標を達成できる確率を試算して提示し、状況に合わせて毎月の積立額の見直しなども助言する、一歩進んだサービスを提供する計画だという。

[日本経済新聞朝刊2016年5月18日付]

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